遊びをせんとや

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22世紀を見る君たちへ ~平田オリザの教育論~

2020-04-25 09:44:31 | ブックリスト
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久しぶりの平田オリザさんの本
「22世紀を見る君たちへ」



よかったです。

ご自分も子供さんができ、家族で兵庫県豊岡市に移住して身をもって
教育問題に取り組んではると思う。

この本の中で「リーディングスキル」に関する疑問点が上げられていた。

以前、私の実際にこのリーディングスキルの問題に取り組んだ事がある。
文系問題なんかはいいだけれど
理系問題なんてチンプンカンプンでわかんなかった。
しかも、すごく時間的に限られた時間内にこたえなければならない。
「この問題を中学生や高校生にやらせる?」
と大いに疑問を抱いた。
パソコンで取り組むにしても、この専門用語だらけの問題文を読むだけで
落ち着きのない中学生は無理だ。高校生だって怪しい。

「なんで、こんな問題?」と設問じたいに疑問を感じたので、そこからリーディングスキル問題の熱は冷めた。
これを大枚の予算を付けてやらせている間に中学生もっとやることあるやろと正直思った。

次の大学入試改革に向かって、
国語の文章で答えさせる問題について色々と書かれていた。

一部抜粋させていただきます。
「今般の大学入試改革では、「思考力、判断力、表現力」が問われる。その中でも中核となるのは、「思考力」だろう。しかし私は、せめて国公立大学や早慶上智、関関同立クラスの入試では、それが、「何のための」「どこに向かっての」思考力なのかも、同時に問われるべきだと考えている。
『わかりあえないことから』(平田オリザさんの著)にも書いてきたことだが、いくら理論的な思考力や表現力を身につけたところで、相手の気持ちを理解できなかったり、相手に伝わらなければ意味がない。それが本当の「表現力」だ。」

という一文に引き付けられた。

これからの高校の国語は
調べてみるとこうなるようだ。



要するに「取説の読解」と「古文の紹介」は必修でやるが、「論理国語」と「文学国語」と「作文」は選択科目になり、当然大学入試には「論理国語」を選択する生徒が多数いるだろうという予想はつく。

ははーん、ここへ来て近代文学なんて完全無視だ。

あの行間を読むとか、主人公の気持ちを想像するとかはどうでもいいんだ。
それが相対する人の気持ちを考えて表現することに繋がるのだろうか?
と「空気を読まない」私が言う。

平田さん曰く

子どもが小さい頃から美術館や博物館に連れて行く。いつも本がそばにある。
知的好奇心が発動されたら、その赴くままに子供がそうなる環境を整えてやる。
それが行政の仕事でもあると述べられている。

親は食べさせてて、寝させて、着させて、清潔に保ってやればそれでいい。

つくづく、教育はお金儲けではできないが、
未来に対する投資だとは思わされた。

本日土曜日のため、凄ーく歩かされた。
一駅向こうの丘の上まで行ってきた。

空は憎らしいくらい晴れ渡り、
花々は「見て見てー」と言ってるばかりに咲き誇っていた。