1985年山行記の続きですよ。
八甲田下山から奥入瀬・十和田湖と抜けて、
次ぎに向かったのは秋田駒ヶ岳でした。
午後遅く、タクシーで麓から秋田駒八合目に到着して、
そこから登って、頂上近くの阿弥陀池避難小屋(無人小屋)が
その日の宿泊予定。
八合目からですので、楽な登りです。
ところが、それらしきところに到着すると、
大変な霧のなかで、
視界5メートルもあるかないかという有様でした。
木道を歩いていて、かろうじて「池の波打ち際かな~」
ということがかすかにわかるという感じです。
まさに五里霧中ですな。
おぼつかないまま、おそるおそる歩いていると、
まったくいきなりなのですが、目の前に、
無人小屋が大きな姿を現したのでした。
すぐそこにある小屋が、
目の前に来るまで、
全く見えないのでありました。
驚きでした。
後年、秋の立山で、中高年のグループが
多人数遭難するという事件がありました。
晴れてみると実に小屋のすぐ近くであったのです。
こういうことがあり得るというのは
このとき得た実感ですよね。
後々の山行でも経験しますが、
概して東北の無人小屋は綺麗で、快適です。
小屋で過ごした翌日は、駒ヶ岳から乳頭山への縦走。
緩やかな縦走コースだったように記憶しています。
この写真、ネット探索で判明しました。
駒ヶ岳から乳頭山へ縦走する途中の「宿岩」のようです。↓
千沼ヶ原の池塘です。↓
雪渓の中の水芭蕉。↓
何という花でしょう?↓
乳頭山を下ってくると、かの有名な乳頭温泉郷へ出ます。
当時は秘湯ブームもまだそれほどでなく、
若いなべさんもそんなところとも知らずに、
おりてきたのでありました。
下山してきて、遠くに、
湯煙が立ち上っていたりすると、
何とも気持ちなごむものです。
これ、たぶん黒湯温泉ね。↓
黒湯のすぐ近くに孫六温泉もあります。
孫六温泉の看板が見えますが。↓
黒湯温泉に泊まりました。
秘湯の鄙びた風情の雰囲気を味わいましたね。
2階の畳の部屋に入ると、
これが微妙に傾いているのでありました。
酒瓶を横にすると軽く転がるのですよ。
それもまた山奥の温泉宿の風情でした。
やれやれですね。
青森の酸ヶ湯温泉も、青森空港が出来て以来、
観光客がどっと押し寄せ、「芋の子洗い」の状況になったとか。
乳頭温泉も、秘湯ブームですっかり観光化されています。
でも、こうして25年も前の記憶をたどっていくと、
なべさんは、
もう一度行ってみたくなりましたよ。
(余命、持ちますかね。)