シワ取りだけではないヘラ
三十数年間、着付け教室や、振袖・舞踊・花嫁の着付けを本業にしてきました。
特に、歴史的にも男性の仕事であった「舞踊の着付け」などに関わってきた関係で、男性の力に負けない工夫が必要でした。
「女の衣裳方に器量はいらない、力ひとつあればいい」などと、冗談が飛び交ったものです。
ですから、力のない女の衣裳方でもスムーズに着付けの出来る小道具が必要でした。
そんな中で生まれたのが、竹で作ったシワ取りのヘラでした。二十年程前のことです。
最近では、インターネットでもプラスチック製のものが販売されているようです。
三十年間の技術を潜ませて…
ところで、私たちのこのヘラの長さや厚み、その巾は、三十年間の舞踊着付けの経験に裏打ちされた着付けの技術が潜ませてあります。
大きくなった真竹を一年以上乾燥させ、着付けを専門にしている衣裳方が、使い勝手のいいように手作りしています。
使う場所はいろいろあります。
「着付けたあとのおはしょりや腰回りのシワ取り」「後見結びの仕上げ」「半巾や角帯の仕上げ」「抱え帯の仕上げ」…etc。
初めて販売いたします。(使い方は説明書添付)
今回写真のヘラを、このブログだけで販売したいと考えています。
ヘラは、先端の丸い平型と、尖った鋭型の二種類があります。
ご注文頂いてから手作り致しますので、少々時間を頂きます。使い方の説明書も添付いたします。
ただし、メールだけのご注文…(30本限定)…になります。プロの小道具をお試しください。
価格は、一本1,080円(税込)。入金先は返信メールで、ご入金確認後の発送となります。
ご注文は ホームページのお問合せ画面 から
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女性着付け師のためのアイテム…とっても便利!
以前にもご紹介した着付けの小道具たち。(下の写真)
30年の舞踊着付けや振袖着付けなどの現場で、力のない女性が指や関節を痛めないために考えたものです。
次回から少しづつご紹介して、着付けの仲間の皆さんにご提供することになりました。
ただし、衣裳方(舞踊の着付け師)一人が手作りをするために、ご注文頂いてから作りますので、多少の時間を頂きます。
それぞれの販売個数も10個とか20個とかの範囲にならざるを得ません。
いろいろな使い方が潜んでいる「着付け竹べラ」、「手先の引き抜きスティック」、「万能ブーメラン」などのコンパクトなものから、着付けチームが使う大きなものまであります。
まずは、コンパクトなものからご紹介したいと思います。
皆さまの着付けのお仕事に、少しでもお役にたてればと思います。
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器用は、着付けの現場に役立ちます
いつだったか、「新曲浦島」という演目のリハーサル中に、浦島の小道具でもある「腰蓑(こしみの)」が無いことがわかり、慌てました。
会主さんが、腰蓑を頼んでいなかったのかどうかはわかりませんが、とにかく翌日の本番には間に合いそうにありません。
「あんた、腰蓑を作れん…?」と言われ、すぐその気になるのが悪い癖。
ルハーサルが終わってから、日曜大工の店に走り、麻の細いヒモを買い込み、夕食もそこそこに腰蓑の作成に取り掛かった。
農業に生まれた私にとって、ヒモを撚り、編むなどの事は朝飯前…。ただ、本数が多いために朝方まで時間がかかったことだけは記憶している。とにかくモノ作りが好きだから出来た事かもしれない。
そして、本番は無事に幕。
左・北斎漫画の漁師、右・日本舞踊・新曲浦島の衣裳
いま、汐汲みの桶を作成中。
今作っているのは、汐汲みの桶。
小道具を作ると勉強になる。どうして作り上げていくか、構想を練る。
作ったことがないから、素人の発想で作るしかない。肝心の寸法がわからないから、調べていく。
そうしてじっくり考えて作り込んでいくが、たいていの場合、仕上げの段階でやり直すことになる。
写真は最後の仕上げに失敗してしまい、手直しをすべき桶。
作りながら、「汐汲み」の演目について…とか、小道具を作る職人さんはどんな段取りで仕上げていくのかを考える。
私たちにとって、舞踊の着付け以外の部分を知る、そんな時間も大切なのです。
市川猿之助サイトへ 市川笑三郎ホームページへ
中村芝雀七世ウエブサイトへ 葵舞踊振興協会公式ホームページへ
津軽三味線 石井流オフィシャルサイトへ きつけ塾いちきホームページへ
「きつけ塾いちき」の「まいぷれニュース」へ おしゃれに「きもの語り」
小粋におごじょ さくら道場物語 日扇堂ホームページへ
いつだったか、「新曲浦島」という演目のリハーサル中に、浦島の小道具でもある「腰蓑(こしみの)」が無いことがわかり、慌てました。
会主さんが、腰蓑を頼んでいなかったのかどうかはわかりませんが、とにかく翌日の本番には間に合いそうにありません。
「あんた、腰蓑を作れん…?」と言われ、すぐその気になるのが悪い癖。
ルハーサルが終わってから、日曜大工の店に走り、麻の細いヒモを買い込み、夕食もそこそこに腰蓑の作成に取り掛かった。
農業に生まれた私にとって、ヒモを撚り、編むなどの事は朝飯前…。ただ、本数が多いために朝方まで時間がかかったことだけは記憶している。とにかくモノ作りが好きだから出来た事かもしれない。
そして、本番は無事に幕。
左・北斎漫画の漁師、右・日本舞踊・新曲浦島の衣裳
いま、汐汲みの桶を作成中。
今作っているのは、汐汲みの桶。
小道具を作ると勉強になる。どうして作り上げていくか、構想を練る。
作ったことがないから、素人の発想で作るしかない。肝心の寸法がわからないから、調べていく。
そうしてじっくり考えて作り込んでいくが、たいていの場合、仕上げの段階でやり直すことになる。
写真は最後の仕上げに失敗してしまい、手直しをすべき桶。
作りながら、「汐汲み」の演目について…とか、小道具を作る職人さんはどんな段取りで仕上げていくのかを考える。
私たちにとって、舞踊の着付け以外の部分を知る、そんな時間も大切なのです。
市川猿之助サイトへ 市川笑三郎ホームページへ
中村芝雀七世ウエブサイトへ 葵舞踊振興協会公式ホームページへ
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糸も針穴に簡単に通す「中川とし」さん
戦前戦後の90年の人生で、娘二人、孫8人、ひ孫2人に恵まれた、大阪・十三で一人暮らす中川としさんは現役の和裁士。
宮崎きもの学院の講師でもある、娘の林朋子さんは、「きものを仕立てている時の母は真剣で怖かったのを覚えています。特に、きものの生地にヘラを当てている時は近寄れませんでした。」と当時を振り返ってくれます。
今でも針穴に糸を簡単に通します。三回にわたって掲載させて頂いたとしさんの小裂の小物は、そんなプロの技術に裏打ちされたものなのです。
蕗の薹(ふきのとう)、アサガオ、ツバキの三種です。
下に写真は「ふきのとう」。色と風合いが何とも言えません。
「アサガオ」のうすいピンクもいいでしょう。手に取って見たくなる作品です。
「ツバキ」の花びらの生地は選んだ生地がツバキの微妙な色合いを表現していると思いませんか。
最後の一枚は、琴爪入れの小箱は含まれていませんが、今回ご紹介した作品を集めたものです。
素敵な作品を提供して頂いた中川としさんと、林先生に感謝致します。ありがとうございました。
新燃岳の監視映像
市川笑三郎ホームページへ 「きつけ塾いちき」ホームページへ
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戦前戦後の90年の人生で、娘二人、孫8人、ひ孫2人に恵まれた、大阪・十三で一人暮らす中川としさんは現役の和裁士。
宮崎きもの学院の講師でもある、娘の林朋子さんは、「きものを仕立てている時の母は真剣で怖かったのを覚えています。特に、きものの生地にヘラを当てている時は近寄れませんでした。」と当時を振り返ってくれます。
今でも針穴に糸を簡単に通します。三回にわたって掲載させて頂いたとしさんの小裂の小物は、そんなプロの技術に裏打ちされたものなのです。
蕗の薹(ふきのとう)、アサガオ、ツバキの三種です。
下に写真は「ふきのとう」。色と風合いが何とも言えません。
「アサガオ」のうすいピンクもいいでしょう。手に取って見たくなる作品です。
「ツバキ」の花びらの生地は選んだ生地がツバキの微妙な色合いを表現していると思いませんか。
最後の一枚は、琴爪入れの小箱は含まれていませんが、今回ご紹介した作品を集めたものです。
素敵な作品を提供して頂いた中川としさんと、林先生に感謝致します。ありがとうございました。
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今でもシングルで暮らす、十三のとしさん
90才の中川としさんは、現在でも大阪の自宅で一人暮らし。
幼い時に母親が他界し、十代の時に大好きだった父まで亡くして、強く生きてきた女性の片りんを見る気がします。
琴爪入れを精魂込めて
下の写真は、琴の爪を入れる小箱です。
後ろのの琴は、印刷したイラストなので小物が大きく見えますが、本当は「ヨコ7cm」「奥行き4cm5mm」「高さ6cm」というかわいいものです。。
昔の琴爪入れを復刻したもので、置いているのが琴爪。右の平たい板状のものは、つまみ細工を施した中蓋の裏面で、おしゃれな粋さを感じます。
乱菊とアジサイ
次の作品は、乱菊とアジサイです。
縮緬地で作られた、乱菊の花びらの一枚一枚の作りが見事というほかありませんし、アジサイの表現も素敵で、白地の縮緬の柄を選んで、微妙な質感を表現した作品です。
和裁士ならではの和の小物だと思います。
新燃岳の監視映像
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幼い時に母親が他界し、十代の時に大好きだった父まで亡くして、強く生きてきた女性の片りんを見る気がします。
琴爪入れを精魂込めて
下の写真は、琴の爪を入れる小箱です。
後ろのの琴は、印刷したイラストなので小物が大きく見えますが、本当は「ヨコ7cm」「奥行き4cm5mm」「高さ6cm」というかわいいものです。。
昔の琴爪入れを復刻したもので、置いているのが琴爪。右の平たい板状のものは、つまみ細工を施した中蓋の裏面で、おしゃれな粋さを感じます。
乱菊とアジサイ
次の作品は、乱菊とアジサイです。
縮緬地で作られた、乱菊の花びらの一枚一枚の作りが見事というほかありませんし、アジサイの表現も素敵で、白地の縮緬の柄を選んで、微妙な質感を表現した作品です。
和裁士ならではの和の小物だと思います。
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90歳で現役の和裁士/「中川とし」さん
兵庫県神戸市で生まれ、戦後、大阪の十三(大阪市淀川区)に嫁いだ女性がいました。
少女時代、家政女学校で学び、戦前戦後の厳しい時代を和裁で生きてきた中川としさん。大正11年(1922)生まれの90才です。
女の子二人を授けられ、成長した末娘は「宮崎きもの学院」の着装講師。
和裁の母親のDNAは、娘にも受け継がれているようです。
下の写真は、二人のひ孫に囲まれる、としさんです。
職人技で作った小裂の小物
中川さんが、これまでに小裂で作ってきたものが多くありますが、その一部をご紹介していきましょう。
最初は、兜と椿です。
「兜を置く時には、白木に置いたらアカン。」…死装束に通じる…しきたりを大切にする昔堅気の一言ですね。
椿は布地を生かした風合いが素敵です。
新燃岳の監視映像
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「きつけ塾いちき」の「まいぷれニュース」へ おしゃれに「きもの語り」
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少女時代、家政女学校で学び、戦前戦後の厳しい時代を和裁で生きてきた中川としさん。大正11年(1922)生まれの90才です。
女の子二人を授けられ、成長した末娘は「宮崎きもの学院」の着装講師。
和裁の母親のDNAは、娘にも受け継がれているようです。
下の写真は、二人のひ孫に囲まれる、としさんです。
職人技で作った小裂の小物
中川さんが、これまでに小裂で作ってきたものが多くありますが、その一部をご紹介していきましょう。
最初は、兜と椿です。
「兜を置く時には、白木に置いたらアカン。」…死装束に通じる…しきたりを大切にする昔堅気の一言ですね。
椿は布地を生かした風合いが素敵です。
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