平成27年の「おもだか会 記念品」
三代目市川猿之助(現、猿翁)丈の「おもだか会」から、学院長のもとに、毎年記念品が届きます。
平成27年の記念品(DVD)は、通し狂言 全五段、「義経千本桜」でした。
このDVDは、昭和55年(1980年)7月の「市川猿之助 歌舞伎座奮闘十周年記念七月大歌舞伎」。
私たち「きつけ塾いちき(宮崎きもの学院)」の創業も昭和55年ですから、35年前の公演内容です。
猿之助歌舞伎の熱烈なご贔屓が多く生まれ、特にこの公演の千穐楽では、歌舞伎史上初めてのカーテンコールがなされるなど、興行的にも大成功したものでした。
知盛・権太・忠信三役をこなす演技力…動きも切れがよく、まさに若き猿之助のそれでした。
ある時に、三代目に博多座でお会いした時に、「『伊達の十役』をもう一度見せてほしい」と申し上げたら、「若い時でないと出来ません」と言われたのを思い出します。
現在は、四代目猿之助(元、亀治郎)丈が「ワン・ピース」を公演中で話題になっています。
私も興味があって新橋演舞場に観劇に伺いましたが、今までと異なる歌舞伎のファンがいっぱいでした。
ちょうどそのとき、推理作家の赤川次郎さんご一家と出会いました。
赤川さんは今回二度目の観劇とか、「如何でしたか」というと、「猿之助がブッ飛んでますヨ」という返事。
賛否両論があるものの、古典もやる、「ワン・ピース」という思い切った演目で話題にして、従来の歌舞伎の観客以外も集客してしまうという、「さすが、澤瀉屋だなあ」と思ったことでした。
来年の博多座では、人間国宝、故・三代目中村雀右衛門の次男である中村芝雀さんが、四代目雀右衛門として父上の大名跡を継ぐ「襲名披露公演」が行われます。
同じく、猿之助歌舞伎、「ワン・ピース」の博多公演も予定されています。
どちらの舞台を観に行くか、職場でも意見が分かれているようです。
最後まで技術をあげるために…
「きつけ塾いちき 鹿児島」の着付けスタッフは、成人式にむけておけいこを積み重ねてきました。
着付けの日まで二週間を切り、最後の仕上げにかかっています。
「きつけ塾福元」のブログでも紹介されていますが、12月30日(水)のおけいこが最後の練習になります。
新成人の晴れの舞台を演出する振袖の着付け師のみなさん。
心を込めて、最高の技術を提供するために最後まで手を抜かずにがんばっています。
手先の長さが命です。
舞踊(衣裳方)の着付けを学んでいる、 M さんの今日のカリキュラムは「着流しの着付けと帯結び三種」でした。
三種の内容は、「貝の口」「片ばさみ(浪人結び)」「神田結び」です。
特に男の角帯の場合、手先の長さはことさらに大切で、一番肝心なところです。
帯を締める要領がわかっていないと、手先をきっちり取っていても、、不思議に長くなったり短くなったりします。
また、硬さや厚みによっても手先の長さはちがいます。
舞踊の演目によっては、粋にしたり、真面目な表現をしたり、野暮ったくしたりしますので、帯の位置が違ってきます。
例えば商家の番頭さんや遊び人、股旅ものなどでも形が違ってくるからややこしくなります。
これらの問題を解決するには、自分でいろいろなものを観て、センスを磨くことしかありません。
例えば、「粋だなア」と感じることが出来る感覚を養う事しかありません。
帯を締める時に頼りになるのは、自分の感覚と帯との会話なのだと思います。
M さんも、「一人前の衣裳方」目指して一歩づつ確実に腕をあげています。
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