のべ41人分の補整、16種類113枚、今からアイロン掛けだア
6月10日に行われた「吾妻流、寿賀穂の会」の着付けで使った補整たち。
全て手作りのものですが、着付けの現場から帰ってきましたよ。
帰ってきたのは、16種類、113枚の補整たちです。
着付けでは、京都の衣裳屋さんの物も使わせて頂きましたので、130枚を超える補整を使った勘定になります。
20年前の真っ白な補整は、私たちの宝物で、誇りです。
日本舞踊では、顔師の方がメイクをしますし、紅も塗ります。
口紅やファンデーション、汗でびっしょりぬれた補整は、踊り手さんが舞台でがんばった証しです。
私たち衣裳方は、このシミと汗を抜き、元通りに戻して、次の舞台に備えます。
補整には番号を付けてあります。
若い番号の補整は20年以上前のもので、今でも真っ白。
着付けの技術は未熟ですが、この真っ白の補整が、踊り手さんに対する思いであり、私たちの唯一の誇りです。
これからの季節、舞台でびしょびしょに濡らして、「濡らしてごめんなさい」と言われることがありますが大丈夫です。
その補整は、舞台でがんばって頂くために用意してきたものですから…ご心配には及びません。
シミを抜き、クリーニングをして、乾燥させ、アイロンをしっかりかけて、次の舞台に臨みます。
直接肌身につける補整。踊られた方の補整を洗わずに、汗やにおいを残したまま、別の方に使うことは絶対にありません。
数えてみると、行方不明になる物もあります。捜索願いを出すときもありますが、めげずに作り直します。
衣裳方にとって、補整は宝物。
宝物を縫製しているのは、事務所のきもの仕立ての担当。
出来上がってから後の管理は、着付け40年のベテラン講師。…安心して任せておける蔵番です。
補整を毎回洗っているの?全国であなたのところだけよ…
5年ほど前に、日本舞踊のイベントをされている関東の女性の社長さんが、補整をクリーニングしてアイロン掛けしているのを見て…
「補整を毎回洗っているの?。そんなことまでしているのは、全国であなたの所だけでしょうね。」とおっしゃっていました。
「きれいな補整を身につけてもらおうと思って…」と応えたのを思い出します。
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