207 人生50年

　その昔、人生50年と言われましたが、あっという間も無く過ぎて久しいので、だったら何を残したか？皆さんも残した事は、まあいいとして、今からやる事が何かを考えているのですが、ナカナカ見つかりません。生まれて50年は、花を咲かした事にして、今度は実もつけ無いといけない時です。

　若いときは、色々と考えて、実際一度は会社を辞めるつもりで北海道に履歴書を送った事もありました。アメリカにも進出している会社で、未知の世界の開発に自分を賭けてみるつもりでした。これは、相手に丁重に断られました。
　今度は同じ業種、航空業界で誘われた事もありましたが、誘った方が会社の立場が危うくなりました。それ以外にパン屋に憧れて、パン教室に参加もしました。これは、何種類かのパンを作ってみて、初心者コースを終えた所で、自分では無理だと諦めました。出版関係の仕事もやれると思いました。ワインをメインに出すお店もやってみようと思いました。気軽に、安く飲めてワインの話も抱負にできるバーでした。考えてみると、何でも自分で、できると思ったのでした。

　今思うと、給料なんか考えずに、滅茶苦茶どれもこれも考えが大変甘かったと思っています。転職をすると言う若さとは、後先考えず進んでいく事もありました。結局は、今までの仕事を続けられて、定年を迎え終わった事が幸せで良かったと思います。

　特に、成田空港に勤め、そこで見た若い人達の一生懸命さに頭が下がる思いでした。安い給料で皆が、やっているのを目の当たりにして、自分の給料30％以上を下げられて文句を行っている場合ではないと、その時に思った地の果て成田に行く時の絶望の自分の気持ちが情けなかったのでした。
　
　その昔、アメリカの現地では空港勤務の時給がマクドナルドのバイトより同じか安くなったと聞きまして、そんな事もあるのかとその時は空港勤務とは、別世界の様に思っていました。そこで自分が働かなくてはいけなくなるとは世の中分らないものです。

　空港の話を少ししますと、空港勤務は時間の縛りがあります。乗り換え客が、到着時間が10分遅れるだけで次の便迄、間に合わす為にエスコートが必要になる場合が良くありました。１０時間以上飛行機に乗って、わずか１０分の遅れ、素晴らしい運行状況と思いませんか？高々10分の遅れで、乗客はそんな事は考えずに落ち着いて降りてきますが、そこから付き添って乗り換え便迄、猛ダッシュです。成田はターミナル１と２がバスで、移動ですから尚更やっかいになります。これよりさらに遅れると益々大変でした。
　
　そんな中、途中で手間取ると殆どの乗り換えの他社の担当者は、自分の担当飛行機を時間通りに飛ばす事だけ考えて、まだ飛行機があるのにゲートでお断りと言う破目に陥ると言う事になります。飛行機がオーバーブッキングで溢れている場合に、まだ搭乗が終わっていないのに断ると言う事もありました。後の乗り換え便が、無い時はホテルの手配をする必要がありますが、成田近辺に部屋が無い場合は、マスマス困りました。

　たまには、有名人に会いました。その中でも、ジョニー　デップは今までの中で、ずば抜けて最高に素晴らしくて一番良い人で感激しました。遅れて出てきた彼は、誰も見ていない、人もいない手荷物上で、あのスーパアースターが自分の荷物を引いている人が重いから（多分）と手伝って通関迄自分で押して行ったのでした。人のいない所での態度がさり気無くその様な事が出来るとは、一度にファンとなりました。

　さて、さて、今から何ができるかと言う事ですが、ゆっくり考えます。あまり時間が無いですから、あの世迄持って行くかもしれません。