今日も午前中はプール。十三日連続。プール開放は明日までなのだが、明朝六時には実家を出発しなくてはならないので、残念ながら、最終日は行けない。でも、十分に利用させていただいて満足。
昼、母と二人で食事をしていると、テレビのニュースで鉄人28号の模型が盗まれた店の話が流れ、それを見ながら母と話していると、不意に母が私に向かって、「あなた、幼稚園の入園試験の知能テストで、問題にはまったく答えず、答案用紙の裏にひたすら鉄人28号の絵を書いていたのよ。それで知能指数48って判定されたのよ」と、私にとって「衝撃的な」事実を明かしてくれる。それでもなぜかその目黒区に今でもある有名なお受験幼稚園に入園できてしまったことで、その後の私の人生は大きく歪むことになったのである(と本人は思っている)。少なくとも、その時に私の人生の基本的方向性が定められてしまったとは言えそうに思う。
午後、帰国の度に行っているカットサロンで散髪してもらう。これで三ヶ月はもたせる。
夕刻より妹夫婦が来てくれて、私の帰国前の最後の晩餐。あれこれ四方山話をしていたが、いつしか母が自分の戦争体験を話し始め、その中には私も初めて聞く話もあれこれあり、聴き入る。特に、一九四五年三月の東京大空襲時に父親(つまり私の祖父)と二人まだ東京に残っていた当時十四歳の母が目の当たりにした光景の話には息を呑む。その後疎開先の沼津で受けた空襲時に母親(つまり私の祖母)が四人の子どもたち(私の母は第一子長女)に与えた指示は、祖母その人だけではなく、母方の家族の倫理観を象徴していた。何かとても大切な話を聴くことができたことをありがたく思う。