内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

夏休み日記⑤ ストラスブールを拠点に研究者ネットワークを構築する

2014-08-08 11:18:28 | 雑感

 朝方から曇りがちで時々雨。気温も昨日までより三度ほど低い。午前十時開門のプールには、開門後しばらく私一人だけ。プールの中央のコースをゆったりと泳ぐ。昼に会食の約束があるので、十一時前には上がる。

 今日は『竹取物語』の話はお休み。今日の出来事について特に記しておきたいから。

 日暮里駅南口で日本思想史を専門とする研究者の友人と待ち合わせ。彼が八年前にパリに留学中に知り合う。その当時、私がチューターのような役を仰せつかって、メルロ=ポンティの『眼と精神』を原文で読む読書会を開いたのがきっかけで半年間ほど親しくして以来、彼の帰国後も時々メールのやりとりがあり、私の帰国時には会ったりしていた。その彼も数年前から大学教員として、また最近は著作家としても活躍している。今後の研究協力の可能性などについて楽しく話し合う。
 ストラスブールへの赴任が事実上決まった五月六日から、これまでお世話になった方々、友人、知人たちにその報告のメールを少しずつ送ってきたが、そのメールに対していただいた返事には、祝福の言葉ばかりでなく、今後の研究協力の可能性を示唆する内容も少なくなかった。それらを読みながら、有り難く思うとともに、これから自分が研究者として何をしてゆけばよいのか自ずと道が示されるかのように思えた。一言で言えば、それは、これまでの自分の様々な人間関係がストラスブールを拠点に研究者たちのネットワークとして機能していくように力を尽すことである。
 若き俊秀である友人との今日の昼の話し合いによって、そのようなネットワークが構築できれば、それがきっと様々な学問的な実りをもたらすだろうとの予感が強められる。この構想の実現を目指して、すでにいくつかの日本の大学と共に具体的なプログラムのために動き始めている。それらの実現・継続・発展のために私はストラスブールに「備えられた」と今では確信している。