昨日もパリは清々しい青空が広がったが、気温は低いまま。街行く人たちの多くはもう秋の装い。午前中、まず、アパートから最寄りの郵便局に娘と一緒に出かける。口座開設のために必要な書類についての説明を聞くのが目的だったが、先客が何人か受付に並んでいて、なかなか捗りそうにないので諦める。次に、こちらで主に電話通話に使う携帯が早くほしいと娘が言うので、アパートのすぐ近くの Orange に立ち寄ろうとしたら、夏休み中は午前十一時開店との表示。開店までまだ間があるので、これも諦める。そして、Navigo という、日本で言えば Suica や Pasmo に相当するカードを作りに地下鉄で Chalres Michels 駅に移動。カードはすぐに入手。ようやく一つ用が済んだ。ついでに同駅から歩いてすぐのところにある Orange に立ち寄る。ここはちゃんと開店していたが、娘がいいと思った機種は在庫切れ。こんなことしょっちゅうあるから、ここでめげてはいけない。気を取り直して、今年オープンしたばかりのショッピングモールを一通り見て回る。ここに来ればパリの中心まで出なくても大抵のものは入手できることが分かる。
十番線にまた乗り、Sèvres-Babylone 駅で下車。明後日から始まるパリ政治学院の留学生ウェルカム・プログラムの会場を確かめた後、Odéon 駅方向に歩いて移動する。その駅近くの Orange でようやく携帯を入手。二つの目の用が済んだ。
毎夏ヴァカンスをフランスで過ごす日本人研究者の知人に娘を紹介するために昼食を一緒し、何かあったら相談に乗ってやってほしいとお願いする。食事をしたレストランは Un dimanche à Paris という、もともとはチョコレートとお菓子を作る店が出したレストラン。オデオン駅を降りてサン・ジェルマン大通りを渡り、Cour du Commerce Saint André というパッサージュに入ってすぐの右手にある。スタッフの対応は極めてよい。料理もオリジナリティとバランスと美的感覚に優れていて美味。こちらのレストラン訪問記を参照されたし。
アパートに戻り、慌ただしく荷造り。二つのスーツケースが重い。階下まで見送りに来てくれた娘に「頑張って」と一言激励して、予約してあったタクシーに乗り込む。タクシーが遠ざかるまで、アパート入り口の門の前に立って見送ってくれていた娘に向かって窓越しに手を振る。東駅には余裕をもって到着。TGV に乗ったら、途端に疲れを覚え、すぐに眠り込み、目が覚めたらもうストラスブール駅まで後数分のところであった。
ストラスブール駅からもタクシー。タクシーの運転種に住所を告げても、「そんなとこ知らん」とぶっきらぼうに言うので、丁寧に道順を説明する(何で私が?)。アパートに近づくと「この辺はいいところだよ」と抜け抜けと言うから、「そうだ、いいだろう」と自慢気に返事する。お釣りの小銭がないというので、こっちもないと言って少しまけさせる(倍返しならぬ、小銭返しだ!)。かくして午後七時四〇分頃到着。
娘に電話して様子を聞く。郵便局にまた一人で行ってきたが、口座開設等を担当するファイナンシャル・アドヴァイザーは、何と九月三日にならないと戻らないと言われたという。こんなことでこの国の経済が明るい見通しを持てるわけないですよねぇ。