内的自己対話-川の畔のささめごと

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良い形は建設的に差異・緊張・対立を包み込む ― ジルベール・シモンドンを読む(96)

2016-06-14 09:13:15 | 哲学

 今日読むのは、一昨日から読み始めた段落の昨日引用した部分の直後の数行である。

La Théorie de la Forme, utilisant la notion d’équilibre, suppose que l’être vise à découvrir dans la bonne forme son état d’équilibre le plus stable ; Freud pense aussi que l’être tend vers un apaisement de ses tentions internes. En fait, une forme n’est pour l’être une bonne forme que si elle est constructive, c’est-à-dire si elle incorpore véritablement les fondements de la disparation antérieure dans une unité systématique de structure et de fonctions ; un accomplissement qui ne serait qu’une détente non constructive ne serait pas la découverte d’une bonne forme, mais seulement un appauvrissement ou une régression de l’individu. Ce qui devient bonne forme est ce qui, de l’individu, n’est pas encore individué. Seule la mort serait la résolution de toutes les tensions ; et la mort n’est la solution d’aucun problème (205-206).

 ゲシュタルト理論は、均衡という概念を使うことで、存在するものは、良い形の中にその最も安定した均衡状態を探すと想定する。フロイトもまた、存在するものは、己の内的緊張を沈静化させる方向に向かうと考える。実のところは、存在するものにとって一つの形が良い形であるのは、その形が建設的なときだけである。つまり、先在していた差異・対立・乖離の基礎を構造と機能の体系的な統一の中にその形がまさに組み入れるときだけである。建設的ではない緊張緩和に過ぎないような達成は、良い形の発見ではなく、ただ個体が貧困化あるいは後退することでしかないであろう。良い形になるものは、個体の中でまだ個体化されていないものである。ただ死のみがすべての緊張を解消するのかもしれない。つまり、死はいかなる問題の解決でもない、ということである。