内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

酷暑の中の研究発表

2019-06-29 23:59:59 | 雑感

 発表当日の今朝もプールに行った。10時51分発のTGVでパリへ。ストラスブールを出るときはまだそれほどの暑さではなかったが、12時39分、パリ東駅に降り立つと、いきなり圧迫されるような暑さ。30度を超えている。風もない。
 7番線でピラミッド駅へ。幸いさほど混んでいなかった。ピラミッド駅で14番線に乗り換え、ビブリオテック・フランソワ・ミッテラン駅で下車。駅近のホテルにチェックイン。ホテルまで徒歩数分だったが、それだけで汗が吹き出してきた。気温は33度まで上がっている。
 発表会場のイナルコまではホテルから徒歩五分。研究会開始まで一時間ちょっとあったから、部屋に荷物を置いた後、駅近くの売店までサンドイッチと飲み物を買いに出、部屋に戻って食べる。ホテルは当然空調が効いていて、部屋も清潔、気持ちがいい。一息ついてからイナルコへ。
 日本の方は驚くかも知れないが、こちらの大学では、一部の部屋を除いて、冷房はない。教室にはもちろんない。座ってじっとしているだけで、汗が流れる。窓を開けると、少し風が入る。それでなんとか凌ぐ。
 酷暑ということもあっただろうが、出席者は少なかった。私の発表は後半だったが、出席者は11名。でも、それはどうでもいいことだった。聴いてほしいと思う人たちは来てくれていたし。
 最初から、原稿なしで、勢いをつけて話し始めた。それはよかったのだが、そこで少し時間を取りすぎ、原稿を用意していた部分も、話しながら補足すべきことが次から次へと浮かんで、それを挟んだせいで、半分も話せず、一気に第四章と結論へと進んだ。結論はちょっと荒削りだったが、全体として会心の発表だった。これは博士論文を書いているときからの実感だが、西田哲学はフランス語での方がよりよく表現できる。
 発表後の質疑応答も活発で、質問に答える中でさらに明確にできたこともあり、参加者からのコメントに教えられることも少なくなかった。かくして約一時間半の研究発表を終了。研究会後は、いつものように、残った数人とともにカフェで歓談。その後、今日特に聴きに来てくれた友人と二人で会食。これがまた楽しかった。十一時すぎにホテルに戻る。
 佳き一日でした。