内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

パリの休日、花から目線、そして研究会の中長期的計画

2019-06-30 21:43:02 | 哲学

 今朝、いつもより遅く、六時に起き、朝風呂にゆっくり浸かってから、階下に朝食に降りた。朝食を取りながら見たテレビの天気予報で、ストラスブールの予想最高気温が三九度と出ていて、ぎょっとする。昨日パリを襲った熱波が東に移動したのだ。
 食後一旦部屋に戻って、メールをチェックした後、カメラを持って散歩に出かけた。昨日とは打って変わって、涼しい風が吹き、夏の青空が広がる好天。散歩日和だ。
 昼からは約束があったので、それまでの限られた時間でどこに行くか思案しながらビブリオテック・フランソワ・ミッテラン駅方向に歩き始め、バス停が目に入った89番バスに乗る。リュクサンブール公園まで行こうかとも思ったが、ちょっと時間に余裕がなさそう。そこで Jardin des plantes 前で下車。
 久しぶりに花たちの写真をたくさん撮った。花の高さに合わせて接写する「花から目線」の写真を私は好む。地面に這うようにしてそんな写真ばかり取っているから、それを奇妙に思ったのか、背後を通り過ぎる誰かが「あの人、植物学者かしらねぇ」と同伴者に囁いているのが聞こえる。可笑しい。
 ミツバチたちも忙しそう。花から花へと蜜を求めて飛び回っている。一時蜜を吸うためにじっと花びらにしがみついているところを何枚も写真に収めた。
 昼からは、イナルコの日本哲学研究会の共同責任者で実質的には一人で毎回研究会の準備をしてくれているSさんとホテルのラウンジで待ち合わせ。ベルシー駅前のANCOというレストランに予約を入れてくれてあって、そこまでベルシーの公園内を通ってホテルから歩いていった(このレストラン、とても開放的で、店員たちも皆感じがよく、料理も美味しい。お薦めです)。
 あれこれ話に花が咲いて楽しかったが、メインは研究会のこれからの中長期的計画。イナルコの Centre d’études japonaises (=CEJ) がそこに統合される形で今年一月に正式発足した Institut français sur la recherche de l’Asie de l’Est (=IFRAE) の中に私たちの研究会も属し、今までには考えられなかったような潤沢な予算がつき、長期的なプロジェクトも組みやすくなったこの機会に、今の若手研究者たちに広く協力を求め、日本の哲学・思想に関心のある学生たちの役に立つような仕事を研究会としてしたいが、是非パートナーとして協力してほしいというのが彼女の依頼。主旨に大賛成、もちろん協力すると即答する。いろいろとアイデアがすぐに浮かんだが、諸般の事情を考慮しつつ実現可能性が高く、後進の役に立つような仕事となるとやはり熟考する必要がある。この夏休み中に考えなくては。
 食後、川風が気持ちいいセーヌ河岸を歩きながら話し続ける。帰宅する彼女とビブリオテック・フランソワ・ミッテラン駅の前で別れ、預けてあった荷物を引き取りにホテルに戻り、メトロを乗り継いで東駅に向かった。TGVは完璧に定刻通り。午後五時二十五分発、午後七時十三分ストラスブール着。ホームに降り立つと、熱した空気に襲われる。日没は九時半過ぎだから、まだ太陽が高い位置から照りつけている。三十八度という表示。でも、明日からは少し涼しくなるとの予報。
 六月も今日で終わり、明日から今年の「後半戦」が始まる。