名古屋・名駅街暮らし

足の向くまま気の向くままに、季節の移ろいや暮らしのあれこれを綴ります。

昨日は円空、今日は山頭火

2016年04月29日 | 趣味

↑快晴の納屋橋付近
昨夜は、円空彫刻の稽古の後で、「木っ端の会」役員の夕食会に出席した。
参加者は全員70代で、64歳で入寂した円空さんをはるかに越しているが、
円空仏を語るときは妙に熱っぽくなる。

木っ端の会は、30名ほどのグループで、元サラリーマンや、校長、医師、自営業者、主婦など
様々だが、ほとんどが現役を退き、週一回の円空彫刻を楽しんでいる。

特に先生はいないが、ベテラン会員が手取り足取りで教えてくれるので、
いい雰囲気で稽古が出来る。





今日の午後は、八事興正寺光明殿で、ドキュメンタリー「山頭火リターンズ・四国遍路編」を見てきた。





折から「八事の森の春祭り」が開催中で、境内は大賑わいだった。



先回の「ふるさと編」に続くシリーズで、山頭火は伊那谷の無宿俳人・井上井月や
松山で夭折した俳人野村朱鱗洞の死に様を胸に秘め、昭和14年の春に四国遍路に旅立つ。

途中、小豆島で悲惨な生涯を閉じた尾崎放哉の墓参を済ませ、昭和15年秋に、死に場所と決めた松山に戻ってくる。
壮絶な人生の幕切れはあっけなく、句会が開かれている部屋の隣りで、気付く人もなく静かに息を引き取った。



ドキュメンタリーは行乞放浪の旅路を、詠んだ句を紹介しながら、縁の人たちのインタビューを交えながら辿っていく。
俗世のしがらみを絶ち、自由奔放の果てのピンピンころりは、悲惨な人生であっただけに救われる。



円空と山頭火は、時代背景も人生の目的も違うが、大半を漂浪の旅で過ごしたことに共感を覚える人は多い。

二人の生き様に惹かれ、自分の人生を重ねる人によく出会うが、ドキュメンタリー制作者も、どうやら
その一人とお見受けした。
コメント (6)
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