朝方は晴れていたが、昼前から雲が広がり天気は
下り坂に向かっている。
今夜から明日にかけて荒れ模様になり、堀川端に残った四季桜は
散ってしまいそう。
先日購入した直木賞受賞作「心淋し川」を読み終わった。
「江戸の片隅、どぶ川沿いで暮らす人々のささやかな喜びと悲しみが
胸に沁みる感動連作!」のキャッチに惹かれて買った。
6編連作の一編「閨仏」に、円空仏のくだりが出てくる。
お妾さんが旦那の持っていた張り形を見つけ、それに
一晩かけて仏像を彫った。
円空彫りの特徴がうまく表現されて感心したが、
まさかこれに仏を彫るのかとたまげた。
円空仏を胡桃の殻に納めたり、小さなストラップにしたりして
楽しんでいるが、こんな発想は思い付かない。
円空は男女の歓びを表現した歓喜天や、恋人と思しき
尼僧像などを残している。
江戸時代は性には大らかだったようで、浮世絵以外に豊年や
子孫繁栄を願う宗教行事や民俗伝承などが数多く残っている。
読後感ではないが、趣味の仏像彫刻ならこんな遊び心も
許されると思ったりした。