名古屋・名駅街暮らし

足の向くまま気の向くままに、季節の移ろいや暮らしのあれこれを綴ります。

岩崎御嶽山の浅野祥雲作コンクリート像

2014年11月19日 | 歩く


先日、岩崎御嶽山を訪れた時に、浅野祥雲の作と
言われる、コンクリート像を数多く見てきた。

いずれも、垢抜けない素人っぽさに、
なんとも言えない味があった。

昔の銭湯の富士山や、心斎橋の「くいだおれ太郎」に
似た泥臭さが、妙に脳裏に焼きついて離れない。

浅野祥雲は、岐阜県中津川生まれの、コンクリート像作家で、
昭和初期から40年代にかけて、中部地方を中心に多くの作品を残している。

「ほとんどが身長2メートル以上の人物像(仏像)で、コンクリートの
表面にペンキで着色され、一箇所に集中して林立することが特徴である。」(wikipediaより)

どの作品も、歴史や美術界で評価されず、大寺院や古刹で
目にすることはないが、B級スポットの、ゆるキャラ的な像に惹かれる人は多いという。





各地で目にする弘法大師像は、鋭い眼光とキリッと
結んだ口元から、威厳と気品を感じて、思わず手を
合わせるが、岩崎御嶽山の大師像は庶民的で愛嬌があり、
口に締まりの無いところに親しみが湧く。



毘沙門天も、仏法を守る厳しい武神であるにもかかわらず、
邪鬼を踏みつける姿から、荒々しさが伝わってこない。



どういう訳か、踏まれてる鬼に邪悪な形相や苦悶がなく、
満更でもなさそうな表情が、アブノーマルで可笑しい。



霊神場のコンクリ像も、亡くなった信者の写真をもとに、
作ったと言われているが、いずれも民俗信仰の素朴さがあり、土の匂いがしてくる。







ペンキが剥げ落ちた像や、一部が欠けた地蔵に、怪しげな
空気を感じなくもないが、どことなく愛嬌があるので、
心霊スポット的な不気味さも感じない。









調べてみると、犬山の桃太郎神社や、日進市の五色山・大安寺(五色園)、
南知多町の中之院・軍人墓地など、多くの祥雲像聖地がある。

稀有な作家の像を、これ以上巡ると惹き込まれそうだが、
乗り掛かった船と、いつの日にか、 訪ね歩いてみたい。
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2 コメント

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浅野祥雲 (Rei)
2014-11-19 17:28:00
何もしりませんでした。
コンクリート像作家と書いてありました。
B級スポット、なるほどです。
大昔、五色園へ行きました、極彩色で気味悪いお顔が印象に残っています。
異様な雰囲気に子供は気味悪がっていました。

ゆるキャラ? 言い得て妙です。
厳かさはなくても癒されるかもしれませんね。

シミだらけのお顔もご愛嬌です。苔でしょうか?

それにしましたもすごい数の像ですね。
見事です。
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五色園へも (nko)
2014-11-19 20:05:39
Reiさん
近寄り難い厳しさは苦手ですが、愛嬌のある温かい
表情には惹かれます。
苔や蔦が絡んだり、ペンキが剥がれた像はちょっと不気味ですが・・・
手入れをしたり塗り直したりはしているようですが、膨大な数なので、全部には手が回らないようです。

五色園へ近々行こうと思っています。
どんなコンクリート像に会えるか楽しみです。


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