●入門として「助詞を補う」とある。異論なし。
●私が気になるのは練習の部分である。
まあ、空欄に「が・を・は」を入れるという練習である。個人的には「に」はダメなんだという気はする。
このことを(かぐや姫が月に帰らねばならないこと)帝▢聞し召して
●ここで入門者は困るのではなかろうか。「聞し召して」ってなに? とつまづくのではなかろうか。
ぶっちゃけ、尊敬語か謙譲語かが見抜けないと正確には入れられない。なに、謙譲語だとしても大丈夫だって。なぜなら選択肢に「に」はないからだというのは初心者に不親切でなかろうか。
当然、初心者用の本なので真下に訳が載っている。そこの訳が「このことを帝がお聞きになって」なのである。
ぉぃぉぃである。そこは「このことを帝▢お聞きになって」と空欄にしないといけないだろう。
「聞し召して」でつまずく→訳を見る→答えが載っている。こういう流れでは練習にならないのではと思うのである。
●これが入門編の2ページ目だと私▢萎えるのである。
●さらに続く。
別冊解答を見ると答えは「が」なのであるが、下に「ワンポイント」が記されている。
「は」は主語を表すのではなく、強調などの意味を添えるので、例えば、この文の「帝が」を「帝は」にすることもできる。
「主語」を「は」が表しているじゃん!
もうこれは私▢萎えさせるのである。こういう記述に鈍感では古文は伸びにくいと思うのだが。
●表紙の付箋紙風のメモによると「実力派講師によるくわしい解説」がつくそうだが、「くわしい解説」がこれでいいの? と思うのである。
●目のつけどころは良いのだが、古文を知っている人=初心者の気持ちがわからない人が書いているなあと思ってしまうのである。
●古文の入門書を書こうと思っている私にとって、これはプラス面でもマイナス面でもいろいろなことに気づかせてくれた本であった。
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