国語屋稼業の戯言

国語の記事、多数あり。国語屋を営むこと三〇余年。趣味記事(手品)多し。

中高生のための内田樹(さま) その35

2019-05-01 12:00:00 | 中高生のための内田樹(さま)
●令和元年のスタートは内田樹さまから始めたい。

●文章が短いので、解答するのは難しいやもしれない。




次の文章を読んで後の問いに答えなさい。

 国語教育より英語教育に優先的に資源を配分しろ、大学の授業はできたら全部英語でやれとうるさく言い立ててる人たちは、コミュニケーションとはクリエーションであるという言語の根本的なところを理解していない。人間は母語においてしか新しいアイディアを生み出しえないという言語の根源的事実を理解していない。
 われわれが新しい、前代未聞のアイディアを得るのは、自分が何を言うつもりなのかはわからないまま話し始めるときです。現に自分が語っているセンテンスがどう終わるのか、予測がつかないままに話し始め、言葉を連ね、気がつくと句点を打っている。そして、言い終えた後にはじめて自分が何を言ったかを回顧的・事後的に知る。そういう順逆の転倒のしたかたちでしか言語における創造ということは起きません。そして、そういうことができるのは母語においてだけなのです。
           『日本の覚醒のために』晶文社P227



問い 作者が英語教育に否定的な理由を説明しなさい。










<解答例>
英語を母語のように扱えないかぎり、一度完成した文を翻訳することになるので、予測がつかないままに話し始めることによって新しいアイディアを出せる国語教育の方を優先させるべきだから。






『日本の覚醒のために』はこちらからお探しください。できれば購入をしてください。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« マジックのリハビリと日記52 | トップ | マジックのリハビリと日記53 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

中高生のための内田樹(さま)」カテゴリの最新記事