国語屋稼業の戯言

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地域社会系・福祉系小論文

2022-07-04 19:44:15 | 国語

設問

「自分にとっての理想の地域社会と、その実現に必要なこと」について1,000字以内で論じよ。

 

 

 

 

 

 

<解答者(浪人生)メモ>

  • 現在の地域社会のマイナス点
  • バラバラである
  • 学校によって子どもが
  • 施設によって高齢者や障害者が
  • ライフスタイルの多様化で近所が

   ※ 読んできた現代文から着想を得ている

これでは地域社会というものを形成しているとは言い難い。

  • 私の理想とする地域社会とは単につながりがあるだけでなく、住民がつながりの中にいることを自覚できる上に、つながりに貢献していることを自覚できるものだ。
  • そのために必要なものは多様な人間を受け入れる総合的な施設やイベントと、そこに多くの参加機会を提供することだ。

 

<解答例>

 私にとって理想の地域社会を述べる前提として、現在の地域社会の欠点を考えたい。それらを克服したものが理想の地域社会だと考えられるからである。現在の地域社会の欠点として、バラバラであることをあげたい。それは次のような点である。まず、学校によって子どもが地域社会の日常にいない時間が多い。以前、病気で学校を休んでしまい、町に出たところ、子どもの気配がないのには驚いた。大人の日常には子どもがいないのだろう。そう考えると、施設によって高齢者や障害者が日常社会にはいない。これは悲しいことであろう。次にライフスタイルの多様化や社会の便利さが増えたことで近所づきあいが減ったと思う。昔は隣が誰だか分ったが、現在はそうではない。さらに昔は近所で醤油の貸し借りなどがあったようだが、コンビニがある現在ではそれはありえない。各々の家庭もつながりを持てないのである。

 以上のような現状では地域社会というものを形成しているとは言い難い。社会とは人のつながりがあって成立しているからだ。

 ここで、私の理想とする地域社会を説明すると次のようなものだ。単につながりがあるだけでなく、住民がつながりの中にいることを自覚できる上に、つながりに貢献していることを自覚できる地域である。つながりがある地域社会は人々を孤独にさせず、多様な個人を認め合うきっかけになり、さらに、本当のつながりは与えられてできるものではなく、人々の努力で維持されるものだからだ。貢献して人の役に立つことは、人生を充実させていくことだと私は経験で知っているので、私はそう考えた。

 ならば、それを実現するためにどうすべきかだが、多様な人間を受け入れる総合的な施設群をつくり、そこに多くの参加機会となるイベントなどを提供することだと考える。総合的な施設群を必要としたのは、子どもは子ども、高齢者は高齢者などと分離しないために必要だからだ。したがって、学校、病院、施設などを安全な範囲で近くに配置し、一般の人も簡単に行ける位置にし、連携させたい。これは、地域に住む人に一生の安心感を与えることにつながるだろう。人はかつて、子どもであり、明日、病人や障害者になるかもしれず、必ず高齢者になるのだから、その人々が孤立することなく生きているというのは安心できる地域社会と言えるからだ。そして、地域社会に貢献できる機会を作ることが重要であるが、幸い、現在はインターネットや携帯電話も発達したので、比較的楽に対応できるだろう。

 

 


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