国語屋稼業の戯言

国語の記事、多数あり。国語屋を営むこと三〇余年。趣味記事(手品)多し。

キッズショーについて考えてみた~演目、道具編~

2023-12-22 17:57:31 | マジック

 
How to show the magic to your magic
●まずは、謝辞である。本記事は幼稚園教諭として保育の現場に携わっていらっしゃるマジシャンTSUBASA氏の『How to show the MAGIC to your kids』(←手品屋さんにリンク)に多くの部分を負う。駄文ながらこのような記事を書けるのはこの本があったからである。
 また、この本を参考に記事を書いてもよいという許可をくださったマジシャンTSUBASA氏に感謝すること、この上ない。さらに言うと、マジシャンTSUBASA氏と連絡できるようにご助力いただいた手品屋さまにも感謝している。
 
 というわけで、手品屋さんで上掲本をぜひ買ってほしい。
 
●なお、この記事でキッズショーにふさわしくない部分、マジックとしてよろしくない部分があった場合は、ひとえに私の責任であり、上掲本とは無関係であることも合わせて述べておきたい。
 
●さて、私の場合、来月、するかもしれないキッズショーは、幼稚園児、保育園児らが対象ではない。このあたり、純粋なキッズショーとは言えないだろう。上掲本が保育園児、幼稚園児らを対象にしているのと事情が違う。
 
●小学生以上である。しかも、障害を持っている児童たちである。小学5・6年生が入るはずである。悩ましい。
 
●そんな私が彼らにわかりやすいショーや演目を考えているうちに、基本に帰らねば! と考え、「キッズショーのあり方」を知りたく思っていたところ、本書に出会ったわけだ。決して障害のある子どもらを幼児扱いをしているのではない。ただ、ひたすらに反応数をあげていくやり方(この視点は重要である)以外も知りたかったのである。
 
●その際、教育の現場で子どもと関わっている方の視点が欲しかったのである。
 
●第二章の「キッズショーの構成」を読んだだけでも私の演じ方は、以前よりはましになるなと予感した。
 
 「保育」という視点は意外とマジシャンには盲点ではなかろうか。私の障害のある子どもらの学童保育でのマジックショー(かなり広い意味でのキッズショー)を行う上で影響を与えてくれたのである。
 
 私は「間」のある演技に努めることになるだろう。一つ一つの現象ごとに丁寧に演じなくてはいけないだろう。
 
 今の現象は理解できているはずだから、次にすぐいくというパターンは避けねばばるまい。
 
●では、本書を読んだり、JONIO氏のDVD『KIDS SHOW IDEAS』、『SERIOUSLY SILLY LIVE 』DVDらも観たりした私が選んだ演目・道具らをいくつか挙げておこうと思う。ちなみに両DVDとも、キッズショーマジックを行うべき者の姿勢も教えてくれるので必見である。先ほど書いたが、純粋なキッズショーではない(小学6年生も入る)ので、演目、演出は小学6年生でも馬鹿にされたと思われないようにするため変えるかもしれない。
 むろん、対策として「お兄さん、お姉さん」としての協力を高学年の観客にはお願いするつもりである。
 
●なお、私が個人的にプロマジシャンから聞いた話も入っているが、それは前掲資料と無関係であるように表記するつもりである。
 
●まず、マジシャンTSUBASA氏の本によると子どもにわかりやすいのは「消失」「変化」「出現」だそうである(本ではもう少し柔らかい表現で書かれている)。
●移動・消失・出現・変化・復元・貫通・浮揚・透視・念動などの諸現象の中から演目を絞るのに良い基準である。

 
●そのあたりを中心に考えると「チョップカップ」などは意外かもしれない(意外と思っていたのは私だけか?)が、かなり高得点の道具ではなかろうか。
 「消失」「出現」「変化」など三冠王である(「移動」としても表現できるけど)。子どもらとコミュニケーションが取りやすい(内容はTSUBASA氏の本にヒントがあるので書かない)のも高得点である。
 写真のものはやや小ぶりなチョップカップ(Straight Leather Chop Cup)だが、私が持っている限り、クリスタルガラスのクライマックスができるのは、「今のところ(意味ありげ)」これだけだからである。
 会場の大きさによってチョップカップの大きさを変えるのは当然である。その場合でもクライマックスはレモンやらテニスボールやらになるだろうから「変化」としては十分である。
 私はチョップカップをテンポよく、現象を連続して演じることが多かったが、キッズショーでは先に述べたように「間」をとって、(小学6年生も含めるけれども)子どもらに理解させながらでないといかんね。気をつけよう。このあたり、子どもらとのコミュニケーションが大事やな。
 
●続いて「変化」「出現」としてテンヨーの『ふしぎな絵本 まほうのミルキー』もポイントが高い。このマジックの良いところはみんなで声をそろえて、数字を言っていけるところであろう。子ども自身が何をしているか、理解できるのが好ましい。ただ、この作品、小学生高学年にどう演じるかは悩ましい。高学年の子どもらには「お兄さん」「お姉さん」として手伝ってとでも言えば納得してくださるのを期待するしかない。
 ちなみに、あるプロマジシャンから「子どもにはアメを与えておくと良いっすよ。子どもが叫べなくなる」という酷い助言(暴言?)も受けたことある。
 
 まあ、状況が許せば、ミルキーを食べてもいいかあ。
 
●なお、「変化」現象のみだが、ディズニーランドで売っている「マジカルブック(でしたっけ?)」もとても良い。2段階変化ですし。私はプーさんバージョンを用いている。白黒のページで「この絵だとお月さまも黄色いし、プーさんも黄色いね。違いが分かるかなあ」とか言いながら、着色すると子どもらの反応が良かった。
 なお、手の位置を変えるのではなく、反対の手首を使った方が良いですよ。当然のことだったらごめんなさいです、はい。
 
●「変化」としては『魔法のロープ ジーニー』が子どもらにはなじみ深くて良いか。柔らかいロープが硬化する現象は大人にもウケが良い。そういえば手品屋さんの『サウンドオブマジック』にも「インドのロープ」という曲がありました。
 まあ、ジーニーがいらっしゃると「インド」とは言いにくいわけですが。
※テレビで放映された日本語版の『アラジン』の合唱にはウチの兄も参加している。セリフも二つくらいあったらしい。
 
●段階的に「変化」していくマジックとしてはマジックランドさんの「デミニシング・カード」が好例だろうか。大人相手にも十分通用するマジック(かつて手品家梅田店で東邦新悟さんが演じられたのを見た(はず))である。私も児童だけでなく、高齢者などを相手に演じ、好評だった名トリックである。音楽に合わせて演じてみたい!
 
デミニシング・カード
 
●予想外の「変化」としてはJONIO氏の大きめのスポンジボールを使った手順か。これは面白いぞ。詳しくは書けませんが、DVDの表紙に映っている「テディベアと大きめのスポンジボール」の写真。これだけでワクワクしません?
 演技さえ間違えなければ、大人にも予想外でウケるだろう。小学5・6年生でも大丈夫ではなかろうか。聴覚障害のある児童さんはいないそうですし。
 道具もテディベア以外、揃った。さあ、来い、マジックショー。
 
KID SHOW IDEAS by JONIO / セオマジック
 
 なお、私は少々不自由なので、この演目については一か所難しいところがある。トリックとは無縁だが、キッズショーではよろしくないところである。悔しいことだ。
 
●「出現」なら一発、一瞬で終わるが『魔の三角チューブ』が鮮やか。ここで出てきたシルクを使って、さらなる「出現」現象につなげられる方も多いのではなかろうか。
 くす玉の出現とか。これなら、小学生の高学年でも大丈夫。
 どうせなら、ファウンテンシルクをやりたいが、どこにいったやら。
 
※この動画に出ていらっしゃるのは、ひょっとして新城泰一氏では?
 
●他にも一種の「変化」現象として私がやりたいのが「ヒッピーホップラビット」。類似したもので、フットワークがより軽いものが良いのであれば、マジックファンタジアさんの「赤ワイン?白ワイン?」である。
 いずれにしても、キッズが理解しながら演出することが肝心。予想を裏切る展開だが、その前の理解が大切である。ここでも「間」が大事。
 荷物を軽くするために「赤ワイン?白ワイン?」をするかもなあ。
 
赤ワイン?白ワイン?
 
※あるマジシャンからサカートリックはキッズショーで入れるとしても、一つだけにしておくようにと注意された。なにせ、口から泡を出して叫ぶそうだ。というか、幼稚園でヒッピーホップラビットをしたときに実際に唾が泡状になったものを吹いていた子がいた。
※サカートリックはマジシャンTSUBASAさんの著書の「キッズショーの構成」に合わない気がしてきた。
※まあ、大人相手にもサカートリックを演じるのは難しいからなあ。
 
●他にもパペットなり、なんなりを入れてショーを組もうと考えております。
 
●状況が許せば、大きなプロダクション道具も使うやも。
 
●12月25日(施設でのクリスマス会)が過ぎたらあっという間に1月ですし、1月のいつ、入るか分からないもんで。
 
●皆さまなら、この演目で先頭、二番目、エンディングは何になさいますか。教えていただくと嬉しいです。
 あるいは、こんな演目、道具があるよという情報も欲しいです。
 
●なお、行うとして、先方さまと打ち合わせで、どのくらいのレベルの障害の子がいらっしゃるかを確認せねばなるまい。高学年の方の場合、特に重要な気がする。
 
●学童保育でのキッズショー、障害児童を対象にしたキッズショーの資料も欲しいですな。
 
●最後になるが、保育という教育者の視点で語られている本書は私にもかつては教育者であったのだという思いを取り戻してくれたのもありがたかった。
 こう見えても(姿はみえませんね、そうですね)、元教諭で予備校等の講師だったのである。
 
 
 

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