旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

ボダナート~ネパールでいちばん大きな仏塔とその伝説

2020-06-06 07:09:21 | ネパール
2004-2010《手造の旅》ネパールより
路地の向こうに見上げる仏塔が↓

高さは36メートルにもなる。

チベット仏教寺院では五色のタルチョがひるがえっているのがよくみられる。
五色は「青=空、白=風、赤=火、緑=水、黄=土」の五大要素をあらわす。

よく見るとそれぞれに経文が書かれていてる。

今もチベットからたくさんの僧侶がお参りにやってくる。

ここはチベットからカトマンドゥへの通商ルートにあたっている。
中国のチベット弾圧が強まった折にのがれてきた住民がこの仏塔の周囲地域にたくさん住みついて、大小五十ものゴンパ(チベット仏教の寺)があるのだそうだ。
この仏塔は巨大な曼荼羅の中心に位置している

周囲の寺に入ると巨大なマニ車がまわっている↓


※動画をこちらに載せました

見上げるような仏像下にはダライラマ14世の写真

寺の二階テラスから

仏塔の全貌が見える



人々は右回りに仏塔をまわる

まわりの寺院に群がる人々。何をもらっているの?

マリーゴールドの黄色い聖水だ



仏塔の中段まであがり振り返ると、塀で囲われた場所に板がずらりと敷かれている↓

よく見ると、五体投地で祈りを捧げているのがわかった。
敬虔なチベット仏教とは五体投地をして進んだ分を一歩として全行程を五体投地で聖山を巡礼するのだそうだ。


この仏塔はいつごろからあるのだろう?
伝説によればリッチャビ王朝(紀元後五~七世紀)だとされる。わずかな考古学的な検証でもそのころにはあったとされる。
★ヴィクラミット王は新たな王宮を建設するが肝心な水が出ない事を悩んでいた。
占星術師に占わせると「神への生贄が必要だ。バッティス・ラクシャナ(三十二の肉体的特徴)を備えた人が自らを犠牲にするしかない。」と言われた。調べてみると、その身体的特徴を満たす者は王自身と二人の皇子しかいないことが分かった。
王は皇子の一人に指示する。
「夜にななると王宮の前に寝ている貧しい男がある。顔を見ずにその者を犠牲にせよ。」
皇子がそれを実行してみると、父親その人を殺してしまった自分に気づいた。
占いの通り水は出た。が、皇子は贖罪のためにどうすべきかを占い師に問うた。
「雌鶏を宮殿から放し、それが舞い降りた場所に仏塔をたてるのがよろしかろう」
そこがボダナートになった。


別の伝説もある
★釈迦のジャータカ(前世)の一人である聖者カッサパ(日本語では迦葉佛)が亡くなった時、雌鶏を飼育する一人の老婆が埋葬するための土地を王に懇願した。
「この雌鶏の皮一枚分の土地を埋葬のためにいただけないでしょうか」
王はその程度の土地ならばと許可すると、老婆は鶏の皮を細い細い紐にして、巨大な仏塔が建てられる広さの土地を囲ったのだった。



ボダナートを出てすこしいったところによく似たかたちでもう少し小さな仏塔がある

これもチベットから嫁した王女だったかの墓と記憶しているのですが…忘れてしまいました。
仔細がわかったらまた更新いたします

コメント
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