旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

大陸横断鉄道が完成した場所~プロモントリー

2015-06-13 04:19:45 | アメリカ西部
アメリカという国が大西洋と太平洋の両方にまたがる大国になるために、どうしても必要だったのが東西二つの世界を結ぶ鉄道だった。
東西から建設されたレールが出会った場所、それがユタ州プロモントリーである。一昨年、その存在を認識していたが、今回の《手造の旅》ではじめて訪れる事ができた。

※二年前にこのルートを走った日の写真日記⇒こちらからご覧ください

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アイダホ州、ラヴァ・ホット・スプリングス=溶岩温泉の朝、なんだかホッパーの絵を思い出させるホテルのネオン五時半にお米が炊き上がり、おにぎりをつくる。水はミネラルウォーターでないとねここでなら、こんなおにぎりでも美味しく食べていただけるかしらん(^^)

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アイダホから南下してユタ州に入る。琵琶湖の七倍というグレートソルトレイクが右手前方に近づいてくる。サービスエリアでこの近辺の見どころをチェック。右の地図で「ゴールデン・スパイク」と表示されている場所が目的だが、近くにもいろいろ見どころがありそうだ。ネットなどでの事前にリサーチも重要だが、現地に入ってから実際に人と話して得られる情報がいちばん役に立つ。
「スペースシャトルを打ち上げていたロケットが展示してあるのよ」
と、サービスエリアの案内所の方がおしえてくれた。
え?そんなの初耳、なんか面白そうじゃないですか。
「ATKロケットガーデン」というのがその場所。たった二マイルほどしか離れていないなら、行ってみましょ!
※この時もう少し遠くの「スパイラル・ジェティ」という場所も提案してくれたのだが、残念ながらそこまで行く時間はとれなかった。

ランチはショッピングモールのサブウェイで買っていく。アメリカのゲーム景品ってこんなのです

高速を降りて、かつての大陸横断鉄道路線らしきルートに入ると標識がみえたそのまま田舎道を走っていくと、ロケット工場らしき敷地が。「ここかな?」インターホンで訊いてみるが、土曜日で応答出来る人がいない。どうやらここじゃないらしい。ちかくの看板に「ロケットガーデン」の標識を見つけて、二分ほど走ると・・・おお~荒野に白亜のロケットがそびえておりました!

かつてスペースシャトルを宇宙へ運んだロケットの下でピクニックをする。
★巨大なロケットの下で四人の日本人が座っているのが見えますでしょうか↴


スペースシャトルの他に誰もが耳にしたことがあるのはこの「パトリオットミサイル」かもしれない

地対空迎撃ミサイルとして1972年に開発がスタートし1981年に製品化されたと説明されていた。一発四千万円だとか?(きいた話です)

印象的だったのは、「アメリカのトランスポーテション(輸送)のはじまりであり最前線がここだ」という展示説明。大陸横断鉄道がはじめてつながった場所と、宇宙へ人を運ぶシャトルの開発が行われていた場所がすぐ近くに位置しているのはおもしろい偶然である。

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ロケットとミサイルの屋外展示から十分ほど走ると、なにもない平原にぽつんと二台のSL機関車が向かい合っているのが見えてきた。


⇒プロモントリー訪問記、こちらに続き書きました


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午後三時過ぎ、ソルトレイクシティが見えてきた
プロモントリーで接続した線路を使って、その二年後に東海岸へ向かった日本からの使節団がある。
ソルトレイクシティに残されたユニオン・パシフィックの駅舎にその記念プレートが掲げられている訪れた時、貸切パーティーの準備をしていたが、運良く内部に入れてくれた。

公家の曲げを結った人物が岩倉。
握手しているのは顔かたちから通訳の新島襄だろう。小さな子供はなんと当時七歳!の津田梅子にちがいない。
日本の夜明けに貢献することになる人々が、この同じ場所に立ていたことを想えば、日本人として感じるものがある。

*****
さて、今回の旅の最後の食事、唯一の大都市滞在なのだから、おいしくいただきたいですねぇ(^^)
今回はホテル近くのクリストファーズというお店を選んだシックな内装でお客さんたちも静かな雰囲気、ついつい大きな声になりがちの我々東洋人には心配…と思ったら、ちょっとした個室スペースで用意してくれていた。

ロブスターのてんぷら

マッシュルームにひき肉などを積めたもの

エビとトリュフ入りマッシュルーム

この丸いのはブリー・チーズ!ベリーのソースがよくあう

付け合せにはアスパラと芽キャベツ

お肉は、もっとレアを注文すればよかったかな

ビールは★ゴールデン・スパイクを


明日朝は、サンフランシスコを経由して日本への帰国便にのります。





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グランドティトンからアイダホの燐鉱山と温泉へ

2015-06-12 05:36:29 | アメリカ西部
今朝の朝焼けは、きのうとまた違う美しさ

朝一番でコルターズベイ近くのトレイルを歩く。ここは以前にも何回か歩いたリスちゃん突然シカが出現、こちらよりも先方がびっくりしたようで、あざやかにジャンプして森へ消えていった

こちら「インディアン・ペイントブラシ(絵の具筆)」なるほど
この赤い植物、なんでしょう?
黄色い花粉が入り江にたまっている

森の中のトレイルはよく整備されているが、それでも毎年同じではない。木々が倒れたり嵐で湖畔が削られたりするから。いつもと違う道に入って、湖沿いを歩くルートに出た
小石を拾って少年に戻る

家族連れが何組も。こういう景色を見て育った子供たちは、自分の故郷を世界一美しい場所だと心に刻むだろう。


ビジターセンターで売っていた、この木製の道具はなに?あ、サラダをとりわけるためのものだったのね
***

一時間半ほど歩いて、午前九時半にジャクソン・レイク・ロッジに戻る。三十分ほど休憩してチェックアウト。
スネークリーバ沿いの「ワイオミング・シーニック・バイウェイ」を南下。なんども見てきた景色だが、いつも見とれてしまう。


ジャクソンホール空港を右に見て、国立公園を出ると、すぐにジャクソンの街。
この町を紹介する写真に必ずとりあげられる、エルクの角を使ったゲート

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ここで今晩のバーベキューの材料を買い出し

ワイオミング州からアイダホ州へのルートは様々だが、アイダホ・ホット・スプリングスへの近道は、89号線から西へ曲がる道。以前、見過ごしてしまったから慎重に確認しながら近づく。エトナという村をすぎたらすぐと、すぐにアイダホ州フリーダムという人口214人の小さな村

19世紀半ばにオレゴン・トレイルとして開拓民の通り道になったルートを一時間ほど走り続ける。
ソーダ・スプリングスに到着この冷泉はかつて商品として人気だったそうだが、飲んでみると鉄くさくてそれほど美味しいとは思えない。
この町で小松が紹介したいのは、この鉱泉ではない、それは、これ・・・・あれ?今日はなかなか出てこないなぁ・・・・
場所を移動して、待つ事十分。双眼鏡で・・・

おお~やっと見られました!

すぐに冷えて色を失ってゆく

これは、燐鉱石の採掘場。
世界的なバイオ化学メーカーとして有名なモンサントが肥料の原料を採掘している。
粉砕して溶かしたあとのものを捨てる車は、およそ八分おきにやってくるそうだが、実際に自分が居る場所から見えやすい場所に捨ててくれるかは、わからない。
観光施設ではないが、この光景を見ることは、アイダホの片田舎までやってくる価値がある。

工場からは時折長い長い貨物車が、何か分からない化学物質を積んで往来する

モンサント社の正面玄関に置かれていた巨大な釜。今回参加された方に指摘されて、それが昔の燐鉱石採掘につかわれていたものだったのをはじめて認識した。


ソーダ・スプリングスの駅前のホテル二十世紀前半ごろには観光客もやってきてずいぶんにぎわっていたのだろう。往時の雰囲気が感じられる

すぐうらには毎時ちょうどの間欠泉が吹き上がる今では、ちゃんと人間がコントロールして一時間に一回噴出させております。

*****
さらに三十分ほどでラヴァ・ホットスプリングスに到着。小さなホテルにチェックイン
これも温泉

レンタルゴムボートこれを担いで街を歩く人がいっぱいいる
こんな風に楽しむんです

我々はバーベキューを楽しみました
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グランド・ティトンを楽しむ一日

2015-06-11 22:50:35 | アメリカ西部
ジャクソン・レイクロッジの部屋から、
朝五時五十分。今回も《手造の旅》を催行できて良かったとしみじみ感謝。

こういう時間はものの十五分ほどしか続かない。
やがて朝日が部屋に満ちてくる


今日は朝7時半に出発することにした。朝食は前の日に各自用意しておいてもらった。ダイニングに食べに行く時間ももったいない。今日みたいなお天気の日には、朝のいちばん美しい時間を出来るだけ楽しみたいから。

グランドティトンの山々はアルプスなどと違いたくさんの山々が連なってはいない。このひとつの連なりだけが、くっきりと周囲から際立って見えている。美しいモノは競演させない方がよいのかもしれません。

まずは、ジェニーレイクの東側をあるくことにする





がお~、クマが出ました(笑)
★クマ型の栓抜き、思わず買っちゃいました
口の向こうにグランドティオン最高峰4117m

グランドティトン国立公園にはウォーキング・トレイルがたくさんある。
重要なのは、我々の様な「たいして苦労しないで景色を楽しみたい」と思っているツーリストに適しているルートを選択する事。
いつもリサーチするのだが、実際に歩かないとなかなか判断できない。
今回のジェニーレイク東側のルートは地図上だとずっと山が見えているかとおもいきや、けっこう林の中の道だった。もちろん、顔をあげて林の向こうに見える美しい山には感動させられるが




一時間ほどあるいたところにある展望台で車に待っていてもらい、ビジターセンターへ。トレイルにはそうそうトイレがないこともルートを選ぶむずかしさである。

ビジターセンターから対岸へのボート

今回は乗らずに湖岸を少し歩いた。

***
20世紀初頭に作られた木造の礼拝堂




国立公園に指定される前に建設されたダム

グランドティトンから流れ出すスネークリバーの水は、下流のアイダホ州の農民の生命線だった。
この湖の水はアイダホの農民の為に、自然保護よりも優先して放出される。

シグナル・マウンテン近くを走っている時、湖面が鏡のよう(^^)

「くるま止めて~!(^^)」大型バスじゃこうはいきません


シグナル・マウンテンの上からはスネークリバーが蛇行して流れていく様子がよくみえる。


逆側のグランドティトンもこんなふうにみえるし

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スネークリバーに沿って走り、かつてホームステッド法によって入植した農民たちが住んだエリアに入る。
ここで入植農民と先住の牧畜業者の間に起こった紛争が原作になった映画が「シェーン」1953年。
最後のシーンに使われていた小屋はまだそのままのこされている。
「シェーン、カムバーック!」

この周辺にはマーモットというか地リスというかが、たくさん巣穴をつくってる。
Yさん、たばこの煙吹きこんじゃいけませんよ(笑)

*****
昼食はムース・ジャンクションすぐ近くにある「ドーナンズ」で各自。ここは大型バスも利用するカジュアルなレストラン
日本語を話すジャクソン在住の人が話しかけてきた。福井にすんでいたそうな

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もうひとつ、20世紀初頭に建てられた「チェペル・オブ・トランスフィギュレーション」
主祭壇の後ろに・・・

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ホテルに戻る前に、今まで行ったことがないキャンプ場へ行ってみることにした。
この角を右に曲がるのだが、まったく標識が出ていない
舗装されていない道だが、まぁバンならゆっくり走れる。他の車はまったくやってこない。
山火事で焼け焦げた木々が続く「ほんとにクマでそうですね」
たしかに。二十分ほど走ると、地図のとおりキャンプ場があった。が、だぁれもおりません。
湖側からボートでアクセスする人が多いのかもしれない
ここはほんとうにクマがよく出る場所らしく、しつこいほどの注意書きがあった。


クマに餌をあげると、どのようになっていくのか・・・
⇒こちらに書きました。

★午後三時すぎにはホテルの部屋に帰着。午後の時間をゆっくりすごしましょう。
刻々と変わるティトンレンジをこのベランダから見て過ごす時間が、この旅の醍醐味(^^)


********
御希望の方と、きのうと同じダイニングへ。
予約していったらアミューズも出てきた。ブドウとペカン・ナッツ。バターはムースのかたち
お仕着せのメニューじゃなくて好きなものを選んでゆっくりと。
「本日のスープ」はワイルドマッシュルームきのこたっぷりで小松好みでした(^^)

明日も晴れますように

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イエローストーンからグランドティトンへ

2015-06-10 08:23:14 | アメリカ西部
とりいそぎ、写真だけUPします!
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モンタナ、ロッキーミュージアムからイエローストーンへ

2015-06-09 21:24:57 | アメリカ西部
モンタナ州ボーズマンの見どころはなんといってもこのロッキーミュージアム。入口に立つ「ビッグ・マイク」昨年はなかったホンモノの展示があってびっくり。かなり迫力あります。


このミュージアムの企画展示、昨年はゲッコー=ヤモリだったが、今年はチョコレート。その原料カカオについて歴史的・文化的な事も詳しく解説してくれていた。カカオの実物がこんなふうだと、よくわかる
屋外に移設された開拓時代の家「ティンズレーハウス」には、今日も地元の小学生が「校外学習」に訪れていた。先生と話していると、本館のチョコレートの展示は見ないのだそうだ。「え?チョコレート??」と話を聞いていた生徒が言った。そりゃ、チョコレートの展示の方が見たいでしょうね。試食はないけどね(笑)

屋内の家具はもともとあったものではないが、同時代のものを集めてきたのだそうだ。今回目についたのはエジプト柄のミシン。19世紀末に古代エジプト文化が紹介されると、その面白いデザインが社会のいたるところで使われた時期があった。シンガー・ミシンもその流れにのってこういうデザインの品をつくっていたのか

●「ティンズレーハウス」について、今回はじめてきいたことを⇒こちらに書きました。

**
イエローストーンの北の入口までは二時間かからない。有名な記念ゲートはまわりが工事をしている写真を撮りたそうにしている観光客を、工事の係員が誘導してくれた。

イエローストーンは実に多彩な景観がある。トルコのパムッカレのような「マンモス・ホットスプリングス」

「キャニオン・ヴィレッジ」では、グランドキャニオンにも見られないような豪快な滝がある。標高も高いので雪が残っている。


今日宿泊するのは
「オールド・フェイスフル」間欠泉のすぐ近くに位置するスノー・ロッジ。我々の宿泊には1996年に完成したあたらしいこのロッジを選んだが、見るべきものは、古い方のロッジ。1904年に木造でこんなすばらしい建築を出現させていた。

ダイニングを見下ろすこのバルコニーで、かつては楽師が演奏していたのだそうな
今回、ここを設計した建築家について少し知る事が出来た。また、別のところに書きます

すぐちかくには、約一時間半ごとに吹き出す「オールド・フェイスフル」間欠泉
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