僕の前世はたぶんオランダ人。

おもしろきこともなき世をおもしろく

グレイブディッガー(高野和明)

2019年12月14日 | よむ
もう20年近く前の話題書。
一言で言うなら
『八神君のロールプレイングゲーム』
なぜだろう
文体が古く感じられる。
ミステリーのような読み捨てられるカテゴリーにも
流行とか
主流とかあるのかな。
どこかコミカルな八神君のローププレイングと
凄惨極まるグレイブディッガーの連続殺人。
両極端な物語が同時進行されるとことが面白い。
散々悩んだ結果しばしば
あかんて!
八神君それはあかんて!
ついつい声を上げたくなる手段を選択しがちは八神君に
なんとも親近感を覚えてしまう。
宮部みゆきや
東野圭吾が
ベストセラーの棚を独占していた時代の香りを感じる
やや前時代的な作品。

レストランテル(平沼橋)

2019年12月14日 | 揚げものをいただく
先日ふとした拍子にラジオから流れた
キンクスのビクトリアという曲。
そんな偶然から流れ流れて
口にすることになったのが
相鉄線平沼橋駅の
路地裏に佇む
レストランテルの
このビクトリアカツだ。
一言で表すなら
『こんな店がまだあっただなんて・・・』
まず看板は立て看板が一枚で
庇に文字とか
備え付けの看板とか
ましてやライトアップなんて一切が見当たらず。
もはや開いているかも怪しいレベル。
ドアガラスから除くと
食後の皿でとっちらかったテーブルが見える。
バイト君の賄いをまだ片付けていないのかな?
と思いながら遠慮がちにドアを開け
「やってますー?」
と声をかけると
包丁の音をトントン響かせながら
「あぁぁい」
と談志師匠のような老人が顔を上げる。
適当な席に思い店内を見渡すと
うわぁ・・・
全部のテーブルが見事に散らかりっぱなし。
どの席も1組ずつしか散らかっていないところを見ると
一人暮らしの男性客が中心なんだろう。
とりあえずテレビの見える奥の席に落ち着くと
厨房から御大がヨタヨタでてきて
皿をどけて1席だけ作ってくれる。
どのメニューも500円程度と激安の中
名物のビクトリアカツ400円1皿では申し訳なく思い
「ビクトリアカツとナポリタン」
を発注するも
相当面倒くさそうな声で
「ナポリタン時間かかるからなぁぁぁ・・・・」
「え、いや、じゃ、ビクトリアカツのみでお願いします・・・」
良かれと思った過剰発注に対し
まさかの断固拒否!
なるや、じじい・・・。
重厚かつ苦みばしったデミグラスで頂くカミカツ。
不思議な味のカツで
ほんとに豚肉かしらんと疑いたくなってしまう。
誤解を恐れずに例えるならば
ダンボールをデミグラスに浸し
煮込んでグニューッと圧縮して
ホロホロにして
もはや何者だかわからない状態で
パン粉で上げたようなカツ。
しばらくするとおばあちゃんが1人増えて
テーブルを片付けはじめた。
どうやらお二人できりもり
(どうみてもスローライフのためこの表現があっているかははなはだ疑問)
しているようだ。
キンクスが流れたことでたどり着いた
奇跡の一皿であったが
なんとも稀有な絶滅危惧種に出会った気分。