

句作の意欲が少し下がってきたのでいつものように「本」を読んでみる。
句作意欲が下がった時には旅行にかぎるが、仕事や家のことなど、
なかなかそうもいかない。
今日の題でもある秋桜子の「俳句のつくり方」の十四章
「句作不振の場合の心得」によれば二つの方法があるという。
自分の作句力の衰えの基準で他人の作をもつまらなく見えてくるというのが
あるが、まだ他人の句が面白く感じて自分の句がつまらなく見える間はまだ、
完全に作句力に衰えたとはいえず、ただ見えない焦燥からそう見えているだけ。
心得の一つは焦らずじっとしていて回復を待つ、しかし作句,投句の活動は
どんなつまらない句であろうと休んではいけない。この間にも展覧会や他の
文芸書を読むことを続けていれば必ず意欲は回復する。
もう一つは出来ないときこそかえって作句を励行する。句作数も自己に課題を
与えて。詠むその時には空想は決してしてはならない。同じ空想でも以前見た
景なり花鳥なりを思い出して詠むことが大切な心得。

田中先生は少し「句会のこと忘れなさい」と言った。
その代わり,毎日、575で日記をつけるように。
俳句ではなく、頭の中のリズムだけは訓練するようにと・・
その時の自分にとっては効果的であったかもしれない。
しかし,今は句友の存在が一番不振回復の近道だと思う。
良き句友を得ることが継続と進歩の力を与えてくれる。

古書店に長居のひとり秋しぐれ

今日は闇句会の選句の日、傍題の通り自分の句が埋もれて見える。
スランプというほど力も無いのに・・・・
現俳の投句もしていないし、困った。

露けさの弥撒のをはりはひざまづく 水原秋桜子