私の中の佳句鑑賞(1)

2005-10-31 22:01:20 | Weblog
      

  口伝にて一揆の表裏旱空   好夫

 一読引き込まれた。本来、戦や天地を揺るがす大きな一揆ならばどこかに記録が
 残っているもの。「口伝にて」というのだから、小さな里の農一揆なのだろう。
 残念なのは、「旱空」が読者に「農」を意識させてしまうことかもしれない。
 「口伝にて」で「農」まで導き出せていると思う。
 私が興味を持ったのは「表裏」である。作者はこの「口伝」に関わっている
 一人ではないか?と直感したからで、何かその編纂に立ち会っているとすると
 私の中の物語は広がりを持つ事になる。物事に表裏があることは当然なのだろう、
 しかし、私たちの既存の考え方には,一揆は農民の一途な思いとなる。
 一揆の記録文章ならば「裏」はどこかの時点で抹殺されていただろう。
 「口伝」だからこそ、生き残った「裏」と思うとワクワクさせられる私の中の
 秀句一句。


        ころころの今日の俳句

    
         大股に行脚の僧や草じらみ



        ころころの独り言

  今日は現俳の選句締切りの日、いざ大言を吐いたものの正直、自信もなく
  翌朝に送られてくる結果に,毎月揺らぐ自分が居る。
  今の現俳の投句傾向は高点句の傾向を真似ているものが多い。
  良し悪しは兎も角、選句していても悲しいものがある。


       ころころのお気に入り


      玉露の踊りてこぼす蓮かな   桑原健次


 

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする