この「のだめ熱」も、今日、明日がピークですので、
この際、書きたいこと、書きます。
「のだめカンタービレ」が放映されてから、
クラシックの人気が凄くあがったそうです。
峰の持っている青いバイオリンケースが、
高い値でやるとりされているとかしないとか、の噂もあり。
やはり、上野樹里あっての、のだめです。
上野樹里は、シリアスな役もたくさんやっているけど、
「虹の女神」とか。
でも、「のだめ」は「スゥイングガールズ」を、物語の長さという点で、越えたし、
何故、あんな凄い演技ができるのか、
というと、たぶん、上野樹里自身が、演技しなくとも、あの「のだめ」の要素を、
元々持っていた、と思う。
白目をむくシーンがたくさんあって、
原作の漫画通りなのだろうけど、
このドラマのおもしろいところは、
出演者全員が、ある種「白目をむく」から。
かっこよさ(かわいらしさ)と、コメディとが、全員といってもいいんじゃないかな、
要求されている。
その頭が、上野樹里だと思う。
シリーズでは、鋳?シ人という火種が入って、
もの凄い爆発力をもってして、のだめカンタービレはできている。
そして、昨日も書いたけど、上野樹里じゃなくちゃいけないし、
玉木宏じゃなくちゃいけない、と思う。
玉木宏。この役者さんは、この一年で、痩せた。
多忙になったからだと思う。
この玉木宏も、白目をむく。あれだけかっこいいのに、
完璧なコメディをやれるだけの資質がある。
それがいい。
で、やっぱりこのドラマの大きな主役は、
美しい楽曲の数々。
バッハのオケを初めて見たのは、
いつだったか。
生オケって、いいですよ、やっぱり。
それから、文章を書いている友人がオケをやっていて、
それで見に行ったこともある。
だがしかし、このドラマの中で流れる楽曲が、
一番良い。
僕にとって、クラシックは、クラシックのみで聴けるだけの魅力はないし、
やはり、映像とか、付加的なものがないと、退屈できけない。
詳しいことも、細部も判らないし、、、。
だから、音楽好きというより、
のだめ好き、としか言い様がない。
話は前後します。
「のだめ」の中でかかっている(峰が何か言う時、よく流れる)ホルストの、
「ジュピター」。
これ、最初は岩井俊二が絡んでいる映画「虹の女神」で、
凄い良い曲、と思った。
あの上野樹里がマリア様的なイメージで映像化されていて、
耽美耽美の世界。そこでの「ジュピター」のイメージが、
ずっと定着していたから、最初はのだめでかかっても、
「虹の女神」のイメージを越えることはなかった。
最近、歌詞付きで歌われているけど、
こないだ来たアンブレラ一家の奥さんが、
「え、圭介さん、知らないの? なんたらかんたら(という歌手」
と言われた。娘さんがたまたまCDを持参していて、
早速聴かしてもらったけど、
歌詞は<僕が作るもの>であって、
ジュピターは、こっちの想像力におまかせ、でないと、
どうもだめだった。あの歌詞の善し悪しや、
あのボーカリストがどうのこうのじゃなく、
ホルストの「ジュピター」は、
僕がイメイジするものなのです。
僕にとっては論外の歌詞付けでした。
そのジュピターのイメージ付けを、
岩井俊二は見事に僕に植えたけど、
今回、峰が発するセリフと同時に、
「ジュピター」が流れると、
かならず、僕は感動して、泣いた。
「虹の女神」以上に、
「のだめ」の中の「ジュピター」が圧涛Iになりました。
鋳?シ人が、いろんなセリフを言っています。
「もっと音楽に向き合いなさい」とか、
「半端は私は許しません」とか、
「音楽を続けていくことが、決して簡単ではないことを、わたしに思いださせてくれました」
とか、もっと煩悩の話題で、「当たり前です」と欲を大肯定するセリフとか。
ここらへんも、凄く良い。
鋳?シ人の大真面目の部分が、きっちり出されてるし、
勿論、あのすごい飛び方のキャラも、今夜、また見れそうです。
「ハンパハユルシマセーン」的な言語。
リアリティがどうのこうのなんて、
だいたい日本人なのに、何故に?
と思う人もいるかもしれない。
でも、あのキャラの凄さが、全部、吹っ飛ばします。
「のだめカンタービレ」。
ここまでぶっとんだドラマ。
そして、純粋で、情熱的で、笑えて、泣けて、美しい。
「のだめカンタービレ in ヨーロッパ 後半」。
今夜が、最後です。