kotoba日記                     小久保圭介

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山崎ナオコーラ

2008年01月12日 | 文学
朝はまだカッパが必要なほど、
雨が降っていました。
そのうち小糠雨になり、
グレイの空に、少しだけ青空が見えた時は、
やっぱり、うれしいものです。
午後になってから、強い風が吹き始めましたけれど、
ほどなく風もやんで、天気は静かになりました。

午後、ハッと気が付いたこと。
今週作った筑前煮が、結構おいしくできたのです。
その理由が、パッと判ったのです。
いつも少ししか入れていなかった鶏肉を、
今回はとても安かったので、一パック全部入れたのです。
だからダシもよく出たのだろうし、さらに油感も出て、
良かったのだろうと思いました。
そのことを、Mさんに言ったら、
Mさん流の筑前煮の作り方の報告がありました。
「はあ、なるほど」、
と僕は言いました。
Mさんは母方のおじいさんに風貌が似ていて、
体が大きい人です。

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先日、ツバキノオジが、
「芥川賞の候補が書いてある」
と言うので、
「あ、そうか、もうそういう時期か」
と新聞を見てみると、
山崎ナオコーラ著「カツラ美容室別室」が候補になっていました。
それからぼんやり山崎ナオコーラのことを考えていました。
今日は特にそんな日です。
山崎ナオコーラ。
「人のセックスを笑うな」というタイトルでもそうですし、
まずタイトルがとても良いです。
「カツラ美容室別室」は未読ですけど、
「室」を二度使って、「別室」をくっつけるセンスには、
本当に嫉妬します。「カツラ」という言葉もかなりおもしろいですし、
「人のセックスを笑うな」は、3回は読みました。
すごく言葉が作る空気感が心地よくて、
内容よりも、筆! という才能ある小説家です。
たぶん芥川賞は、山崎ナオコーラが獲るでしょう。
「カツラ美容室別室」も、おもしろいに決まっているから。
HPの日記を読んでみると、
「わたしは自分のことを誰かに判ってもらいたい、ということがない」
といったことが書かれてあって、
あ、そうそう、と大納得しましたし、
それは小説を書く上でのことでしょうけれど、
とても大切なことだと思います。
「人のセックスを笑うな」の中で、

「大晦日の夜を、恋人と一緒の布団に入って過ごしていくことは、
とても幸福なことだと思う」
ということが書かれてあって、
なんでもない思いを、ちゃんと、見過ごさず、通り過ぎずに、
書く作家です。

どうして、年末、図書館でこの作家の本を借りなかったのだろう、
と僕は僕が不思議で、すっかり忘れていました。
「浮き世でランチ」もまだ未読だし、芥川賞の候補になったから、
というのじゃなく、候補になっていて、この作家を思い出したのです。
まあいいや、また今度借りよう。

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山崎ナオコーラの事や、言葉を思い出している流れで、
映画「虹の女神」の中の言葉を思い出していました。
恋人達が、
「俺たち、さびしいな」
と市川隼人が言い、
「さびしいね」
と上野樹里が言います。
このセリフがもの凄く良いのです。
言葉が映像の中で活きている箇所です。
一読、なんでもない会話なのですけれど、
勿論、演技も良いのですけれど、
このセリフを活かすまでの物語のことを、
重要だと今日、思っていました。
突出した言葉は、
その言葉だけでは無理で、
そこまでの過程があってのこと、
を、ずっと考えていました。

久しぶりに早く帰り、洗濯をしていたら、
才能ある詩人からの電話が鳴りました。
それからいろいろ用事を済ませ、
録画した「のだめカンタービレ in ヨーロッパ」を、
もう一度見ていたら、もう眠くて、
明日を有効に使うため、
お風呂に入り、日付が変わるまえに眠りました。




コメント
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