kotoba日記                     小久保圭介

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吉増剛造の動画

2009年10月11日 | 文学
村上春樹は、
ノーベル賞を獲れませんでしたけれど、
小説はどれも本当に面白いです。
ノーベル文学賞の候補が載っていたので、
見てみると、
あー、と思いました。
村上春樹は獲れないかもな、
と思いました。
というのは、アメリカ文学で、
村上春樹が影響されただろう、
作家2人の名前が、あったから。
でもまだ来年があります。楽しみです。
「1Q84」も、続編が来年の夏に、出るようですし。
著「ねじ巻き鳥のクロニクル」を読んで、
疲れているのか、数ページ読んでは、
眠ってしまいます。
今日はあまり読書が進みませんので、
こういう時は外です。

床屋に行って、
店主と、オバマ大統領が平和賞を受賞したことや、
政権交代したことで、
僕はやたら、希望ある発言をして、気分が舞い上がっていました。
いわゆる、「酔っている」状態。
床屋を出て、
ホームレスがお酒を飲んで座っていました、街角で。
その前を通る時、僕は恥ずかしかった。
本当に恥ずかしかった。
床屋で語った「判ったようなコト」を、
この浮浪者の前で、
僕は話すことはできないことに、
気が付いたから。
家がない、
ということを、
家がある、
という僕が、
実感できるわけがない。
きっと高田渡さんだったら、
床屋であんな話はしていないだろう、
浮浪者の前でも、同じことが言える話をしていただろう、
と思いました。

それから、
北東に向かって、
自転車を押して、
また歩きました。
川の脇の歩道を歩きました。
ここは野鳥保護区で、
僕の大好きな小道です。
それから、歯磨き粉と、
スーパーで野菜を買いました。
初めて通る道は、
いくらでもあって、
それが楽しく、
借景は勿論、
空のきれいなこと。
荷物をリュックと前籠に入れて、
安い八百屋に向かい、
またスーパーに入って、
買い物リストで書い足りていないものを物色。
高いな、とあきらめ、
気が向いて、
図書館へ。
三冊とビデオを一本借りました。
空はすでに、夕焼けで、
肌寒く、
もうすぐ暗くなって、
夜になります。
好きなスャbトの一つである、
ある公園内を通って、
道を行き、
ハンバートの歌が鳴っています。

夜、麻婆飯を作って食べ、
ビデオを見ました。
図書館にあった「奥の細道をゆく」を辿る旅シリーズ。
ナビゲーターは吉増剛造。
今日は吉増剛造の新しい詩集を読みたい気分でしたけれど、
それがある県図書とは方角が違い、
本人の映像を楽しみました。
吉増は市振の砂浜に、
芭蕉の句を、細い流木で書いていました。

 一家に 遊女も寝たり
 萩と月

最初の「一」の文字が、
波で消えてしまいましたけれど、
吉増はまったく動じず、
ぶつぶつ言いながら、
句の最後まで書きました。
日本海の浜辺が舞台です。
ちょうど、夕日が出てきて、
「あ、素晴らしい夕日がご挨拶に出て来てくれましたね」
と吉増は言います。
「ね」と語尾につける吉増剛造。
「芭蕉さんは、こんなふうに天地のミステリーの間を、
見て旅をなさった人ですね」
と吉増は言いました。

短いVTRですけれど、
僕は吉増剛造がかなり好きなので、
放哉、蕪村の解説をテレビでやったのを、
見ていると、または、録画したものを見直していると、
放哉より、蕪村より、
吉増の言葉や、感覚の方が断然、僕には面白いのです。
いつだったか、
宮澤賢治のシリーズを何日かかけてやったとき、
山尾三省が解説していて、
それを見た知人が、
賢治よりも、山尾三省の方が良かった、
と言いました。
それと同じことが、
吉増剛造という詩人にも、
いえるのです。

夜に、「ねじ巻き鳥」を読みました。
今日は読書がそれほど進まなかったけれど、
焦って読み進めても、
また数行戻って読まなければいけないので、
読むのは遅いけれど、
こればかりは仕方がありません。

ETV特集で、
「永山則夫」を見ました。
確か、
去年今池で観た映画「接吻」を、
思い出しました。
もしかしたら、
「接吻」は、
この永山則夫と、獄中結婚した、
奥さんから、題材を得て、
撮った映画かもしれない、
と思いました。
それと、
日本文潔ニ協会に、
永山則夫が入りたいと、
希望した時、
「殺人者が同席するのは恐い」
と誰かが言って、
そのことに怒った、
柄谷行人と中上健次、筒井康隆の三人が、
脱会した話を、
思い出していました。
あと、
「ミミズのうた」は高田渡さんの歌で、
僕は馴染んでいるので、
原詩が朗読されると、
変な感じがしました。
「生活の柄」も、
永山則夫の詩であることも、
静かに思っていましたけれど、
間違いです。
「生活の柄」は、
山之口獏の詩でした。

コメント
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