kotoba日記                     小久保圭介

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補色の方法

2009年10月03日 | 文学
夕方、
やっと村上春樹著「国境の南、太陽の西」を、
読み終えました。
今日は朝からスラスラ読めて、
最後の1行、に、感嘆しました。
小説の中で、
カクテルを作る人の話が出てきて、
上手にカクテルを作る人はいくらでもいる、
でも、それ以上の味を作る人は、
才能としか言い様がない、
と作者、村上春樹は言っています。
この小説は、最初の出だしも好きですし、
最後の1行、というより、最後の5行ぐらいが、
もの凄く良いです。
「才能」としか、言い様がない、
とはこのことでしょう。
再読ですけれど、内容を忘れてしまっているので、
初読のような感じで、読了しました。
素敵な小説を読むと、
本当に幸せな気分になります。
最後の1行が良かったら、
もうそれですべてが良い、
と思わせる小説でした。
最後の1行は、
例はあげられないけど、
谷川俊太郎っぽいと思いました。
村上春樹は、
「対比」が得意です。
今回も、見事です。
それで、補色のことを、
強く思いました。
「国境の南、太陽の西」というタイトルも、
対比、補色ですし、
暗喩ではあるけれど、
最後の、「海に降る雨」の描写は、
小説の全体を要約していて、
「肩に置かれた手」も、
見事に、対比、補色の関係であって、
こういった、ぶっつけが、
本当に巧いと思います。
小説の全体の要約とは、
今書いていて思ったのですけれど、
詩です。


それから、朝、在庫確認した川上弘美の小説を借りに、
図書館に行って、
二冊借りてきました。
一度読んだ「真鶴」と、「風花」です。


コメント
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