kotoba日記                     小久保圭介

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鳥が鳴かなくなった

2013年01月12日 | 生活
窓をあけ
亀島
楽しい陽光
インドの匂いがする

盲人が来た
横断歩道を渡り
向こうの地下鉄出入り口まで
一緒に歩いた
もどって
信号が青になった時
盲人用の鳥の鳴き声がしない
小型スピーカーもない
「うるさいからとったんだろう」
と言われ
そういうものか
と思った
大通りである
二車線道路は
車がとぎれることはない
けれど
盲人用の鳥の鳴き声がない
鳥は鳴かなくなった
うるさい
と誰かが言ったのか
鳥を頼りにしている
白杖の人を
「うるさい」

見つめてはいない
「うるさい」は
目を閉じて
大通りを渡ってください

鳥が鳴かなくなった
これは生活の
盲点だ
僕は
見逃さない
鳥が鳴かなくなったことを
それはいたるところの
横断歩道で
起きているような気がする

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眠る六人衆

2013年01月11日 | 生活

下から上まで
六人が並ぶ
手渡しで
下から上に
荷をリレーする
美しい絵だ
隣はお寺で
仏の弟子六人衆の如く

かけ声が聞こえる
笑い声が聞こえる
足を踏ん張って
腕に力
手で掴み
グッと掴み
離さない
上へ持ち上げる
下からもらう受ける
そうやって
天への方向へ
重い荷は運ばれる

無垢な人たち
六人衆

冷風が通らぬ
日だまりで
わたしたち
昼寝をした
その息

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人生もらった

2013年01月10日 | 生活
以前
トラック野郎
だった
凄まじいデコレーションで
日本全国を走ったという
金も女も尽きることがなかった
どれだけでも儲かった
どれだけでももてた
女を隣に乗せて走るのは
ステイタスだった
「人生もらった、と思った」
と言った
人生もらった
という言葉に注目した
初めて聞く言葉だった

今ではトラック野郎はいなくなった
菅原文太もどこかに消えた
「あんなトラックはもう時代遅れだ」
彼は今でももてる
運河を見ていた

トラックに書かれた隠語は楽しい
隠語が発生したのは
おそらくトラック野郎たちの
走行生活からだろう
そこにあるのは
仲間と交わす
破顔である
そこから
おかしみの
隠語が生まれる
「露出」なんて言葉は
現代の通常になった
こうして
言葉は生きてゆく
そして死んでゆく


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朝の田中

2013年01月08日 | 生活
国府宮
オジ
東からのぼる
ゆふの大日
「これを毎朝拝む」
オジはペダルを漕ぎながら
言った
早朝の大輪は橙色(だいだいいろ)で
でかい太陽
こんなにでかい日の出

フィリピンパブは
開く気配もなく
ずっと扉を閉ざしたままのようで
僕たち
見ていた
砂ぼこりが舞う道路の方を

足に冷たい水
ャbトで湯を沸かし
コーヒーを飲んでいた
オジは手を抜かない
だから
自分の人生に裏切られることはない
オジは手を抜かない
それが自分を信じる礎になる

朝の田中を
オジと走っていた
それを記憶しよう

夜の田中を
オジと走っていた
それを忘れよう

「眠れる森の熟女」の
手紙の言葉
言葉の力
人の道に花を咲かせ
光を灯し
時には雨も降らせ
歩みも止める
食べることもできる
不思議な
言葉の力

初動は
人のために
結果は
自分のために

初動は
自分のために
結果は
人のために

ああ面唐ュさい
やればいい
それだけだ

言葉を書く前に
念願の
オムライスを食べた
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満天の星

2013年01月06日 | 生活
古道具屋
ソファーに座る人々がいる
という
夜は灯りが出て
座る人々は黙って
時を過ぎゆく

木のガラガラ扉が開くと
天上に柱があった
人が盛ってもいる

掘り炬燵、寒く
掘り炬燵、寒く

北へ、
いや、西へ
駐車場に歩んでみると
暗くて
遠方の闇に目がゆき
続く空に
首をあげてゆくと
頭上は満天の星

目立たないけれど
読み継がれてゆく
大切な作家
彼は作家であり
言語学者でもあった

以前来たわたしのことを
店員は覚えていたのだろうか
接客ではあっても
過度な微笑はありがたいことだ
そこいらをパッとさせる
技術とはこのことだ

掘り炬燵、寒く
掘り炬燵、寒く

寒いのならば
そこから逃げる
暑いのならば
そこから逃げる
真綿にくるまれるべきだ
誰もが

そして
豪華な
満天の星
虹にも勝る
満天の星
人生の真綿だ

大切な瞬間を歩いてゆく
いつもそう
大切に瞬間を歩いてゆく
同じ道を
同じ夜の深さを
同じ帰り道を

ここでもみつけた
オリオン、スバル、
空の楽器
瞬きの音楽


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冬の道/見本

2013年01月05日 | 生活
坂をのぼってゆく
ユッカの挿し木
ブランデー入りのお茶

友は云う
「そういう人のことを孤高の人というんだよ」
「そうかも」
とその人のことを思った
胸でうなずく

ありがとう

冬の夜
外気に出ると
僕ら 寒くて寒くて
じゃあまた
今年もよろしく
気をつけて
じゃあ

カイロをたくさんリュックに入れて
夜の遅い時間に
帰路をゆく

少しずつ
もどってゆく

立派な生き方
その見本
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鹿の目で

2013年01月04日 | 生活


静かにしている
じっと
している
風をよけ
草に隠れ
耳を澄まし
目を開け
呼び声に
動じず
あの鹿たちのように
膝を曲げ
草に座り
夜になったら
この目で
見るのだ

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和ちゃん茂乃ちゃん

2013年01月03日 | 生活
和ちゃん
茂乃ちゃん
和ちゃん
茂乃ちゃん

冬の再会
窓の外に雪

和ちゃん
茂乃ちゃん
和ちゃん
茂乃ちゃん

山登り
黒川
お寺
寂しさや
うれしさ

和ちゃん
茂乃ちゃん

あの庭へ降りる
一段の土間
牛乳瓶
大きな松の木は
曲がっていて
松ぼっくりは落下し
トキトキの葉で遊ぶ
大きなかたつむりが
松の幹をのぼってゆく
雨の窓から
見ていた
絵があり
音楽が鳴っていた
ビートルズや
「雨を見たかい」のメロディ
それが今まで続いている
モスグリーンのソファ
おじや
マミー(の蓋の当たりの図柄)

和ちゃん
茂乃ちゃん
まっちゃん

昼下がり
茶箪笥の上に置いてあった
細長のラジオ
野放図な庭
ステレオから
ライトロック流れ
リズムがあった
空間に漂い
その息を吸い

いねむり
3時のあなた
白髪
早朝の
牛乳瓶と牛乳瓶が
ぶつかる音
それを後に聞いていた

内田さんの庭は
何もなかった
それが凄かった
お寺や神社のように
何もない庭
柵があって
砂土があって
母屋がある
瓦はすべてグレイ

往来
立ち話
優雅
上品

分厚い本を
バスの中で読んでいた

皇太子様
と呼ばれていた

路地
どぶ
分厚い本
市バス
松の木
牛乳瓶
音楽

かーやんという呼び方

静かな
お家
静かな雨
静かな人たち

和ちゃん
茂乃ちゃん
和ちゃん
茂乃ちゃん

春は春で
美しかった
あの





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野に立つ

2013年01月02日 | 生活
昨日はすまなかった
悪かった
すみません
と言う
きゃりーぱみゅぱみゅ
と答える

あらゆるどんな小さな争いも
好まず
何故
花があるのか

見ていた
草や花
空は月
陽光や枯葉
海や川
山や道

これが団欒
ああ
ファッションモンスターを鳴らせ
野に立つ
田中を歩む
ひとりでそうする
ひとりでもそうする

アイリッシュ
フラ
レゴ
穏やかな座り方

いのちの祭り
大野ちゃん
ぼくは普賢菩薩の絵が良いよ

腕相撲をした
勝った
3人に
えへん
と胸で言ってみた

地下鉄までの夜の道
気落ちしても
この心持ちを
大事にしたい
茶らけることはなく
道をゆく
この感じ
ずっとこの感じ
道をゆく
言葉に帰ってゆく
いつも一緒に歩いているのは
言葉
それを知っている

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おめでとう

2013年01月01日 | 生活
真っ暗な外気に出て
冷たいハンドルを握る
ゆこう
夢にも出たのだし
育った町を見学し
ガソリンを入れ
卒業した校舎の脇を
彼は過ぎた

きらめく海
地図を見て
牛丼屋で朝定食を食べ
湾岸線をゆく
もうすぐ
きらめく海
夏休みの運動場
早朝の木のクワガタムシ
彼は記憶の脇を過ぎてゆく
渥美半島

昏々と眠った翌朝
きらめく海
その寒さ
墓に参り
この寒さ
なき人々に
話しかけてみる
「この道で」
と言いかけた
メロンは終わり
イチゴをたくさん買った
箱でいくつも
会うべき知人への土産のために
イチゴの赤 赤

私たち
蟹江に向かう
元旦の昼下がり
道行きは北へ
間違えた
もどって
南へ西へ
笑顔が空に見えた
呼んでいる
それが判る
「お前の勘で左か右か」
「左」
導きのように
十字路を左へゆくと
川沿いの墓に着いた

二人並んで
墓前に座り
コンクリートに
正座をし
胸で言葉にして
話しかけてみる
話しかけてみた

元旦
墓参りツアー
放射線
原発
システム
アメリカ
デモ
徒労感
持続の意志
公安
きゃりーぱみゅぱみゅ
忘れることで
生きてゆく知恵
311
宮沢賢治
農民件p概論
つけまつける
竜泉寺
乳母
の前で
放屁
ああ
放屁
空に笑
風に笑
合掌し
kimiに100%
ツアーの終わり

荷を運ぶ
冬の夕

いちごの赤
記憶に囲まれ
誰かが何かを言い
客観を主観が殴打する
打ちのめす
主であるがゆえに
打ちのめす
主観と主観は殴打する
殴打する
互いに傷を負い
まさしく負い

あらゆる戦いを望まず
どんな理由の戦いも望まず
過去の戦いが線でつながり
痛くてしょうがない
いつも玉である
玉である
ファッションモンスター
きゃりーぱみゅぱみゅ
おめでとう
新年おめでとう
墓前で放屁
新年
あけまして
おめでとう

おめでとう
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