ぼくは長男で、年長の兄弟がいないので、自分が「兄貴」と呼べるのは従兄弟を除けばこの人しかいない。
阪神タイガーズの「アニキ」こと金本選手が、ついに今期限りで現役を引退することになった。
阪神に移籍する前は、広島カープにいた。カープといえば、おなじく「鉄人」といわれた衣笠祥雄氏がいた。カープ出身の選手は、とにかく強い。強いというのは、チャンスに強いとかではなく、怪我をしてもそれをおして出場し、結果1492試合連続フルイニング出場という偉業を成し遂げる(この偉業は10年以上かかっている!)。そういう「強さ」に、ファンもぼくも憧れ、応援したものだ。
しかしここ最近は出番も少なく、成績も芳しくなく、それゆえの批判やスキャンダルによるバッシングも多々あった。本人の発言で、最近の3年間が一番惨めで苦しかったという。
44歳という、選手としては通用するかどうかという年齢で、本人の思いとうらはらに、体がついていかなくなったこととの葛藤に悩みぬいた決断だったと思う。
ながいあいだ、お疲れ様でした。