Studio_Rosso 1/43 自動車模型制作日記1

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アストンマーチンDBR9修理

2018-01-26 19:36:30 | その他
夜になってまた雪が降って来た山陰です
本日はダブルヘッダーでブログを更新しています(笑)

昨日と本日は雪のため厨房のK子さんはお休みなので必然的に私が厨房係です。
お昼の3時間はしっかり厨房で仕事です・・・無給ですけどね(笑)
やる事やっとけば家内のご機嫌は大変麗しい・・・世のお父さん達は良くご理解頂けるんじゃないかと・・・(笑)

さてそれ以外の所では制作を進めます・・・がちょっと番外編です
勿論デイトナも少し進めていますが今日はこちらが優先でお伝えしましょう(笑)

先日コメント欄に入ったSOSはこのアストンマーチンDBR9でした
イクソの1/43ダイキャストミニカーなのですが、残念ながら最初からリアの牽引フックが1台だけ付いていなかったらしいのです。
ちなみにこちらは付いている方です・・・
材質は多分ステンレスで断面を見ますと若干ハーフが有りますのでエッチング製と言う事がわかります
まあ他に作り様が無いのですが・・・・

大きさを検証しますと外径が3.0mm内径が2.0mmと言う所ですからリングの部分は0.5mmの幅という事になりますね
厚みは0.2mmですが同じ厚みの真鍮板を使いますと同じ金属ながら強度が少し落ちてしまいます
0.3mmの真鍮板をロールで少し伸ばして0.25mm程度の真鍮板を作りました
見た目の厚みはエッチングの0.2mmとあまり変わりませんが少しでも近い物を作りたいので少し遠回りです。
なぜ同じ物にこだわるのかと言いますと今回はお客様が同じ車を2台(ゼッケン違いで)お持ちなので当然その二つを並べて鑑賞される訳です
大きさや形状が違った牽引フックが付いていたら興醒めですよね。
(実車の牽引フックが違うなら勿論それも有りですが・・・)
今回は部品を作るだけでなく同じ牽引フックを作ると言う部分が大切な訳です。
前置きが長くなりましたが中央に2.0mmの穴を空けました。

次は周囲を削ってゆきます
注意したいのは接着部分は長方形に残して残った部分を円形に削らなければならない事です

これは使わなかったものです
実は形状を整えては完品のミニカーの牽引フックに並べて雰囲気を確認しながら削ってゆきますが
だいたい良かったので中央の穴の部分に丸ヤスリを差し込んで削りました
それがいけなかったのです
穴の中に丸ヤスリを差し込んでグリグリと回しながら削ったら穴の中は綺麗な丸になりましたがリング全体が伸びてしまって大きくなってしまいました・・・
僅かな事なのですがこんな単純な形状の部品で大きさの違いはちょっと良く無いですね〜

もう一度最初からやり直して今度は良さそうです・・・

今度は先ほどの丸い部分をハンドバイスにくわえて長方形の余分な部分を接着ピンの形状に削ります
ハンドバイスから飛び出している部分がピン形状に削った真鍮板ですね
この完成品にはボディ側にピン穴は有りませんが接着強度を上げる為には穴を開けてピンで留める必要性が有ると思います。

僅かな事ですが出来るだけ接着強度を上げたいのでね〜
部品が完成しますとこんな形状になっています

こちらが標準の牽引フックです
牽引フックが少し後ろ上がりに接着されていたので老婆心ながら一旦外して水平になる様に付け直ししておきました・・・。

こちらが今回制作した牽引フックでまだ未塗装ですが取付けて雰囲気を確認します
接着ピンが有るので接着剤を付けなくてもこの状態で固定出来ています・・・このままってことは無いですけどね。

塗装の準備です
両面テープで固定しますと裏表と2回塗装する事になりますが、その場合塗膜が厚くなりますので1回で済ませる為に
爪楊枝に穴を開けて接着ピンを差し込んで仮固定します
こうすると1回の塗装で裏表が塗れます
塗膜も薄く出来る訳です

でも密着を考えるとサフはウレタンホワイトサフで上塗りはクレオスのラッカーです
ウレタンカラーでも良いのですが少しでも塗膜を薄くしたい・・・のです

塗装が乾くまでにしなければならない事
箱の蓋を支えるリボンが二つとも接着が剥がれていますので直しておきましょう
このボックスの蓋は大変重いのでこのリボンの接着では支え切れなかったんでしょうね〜

リボンの接着位置を考えるとこの様に蓋が後まで来ない位置関係になっていたと思うのです、なのでリボンが常時引っ張られて外れたのでしょう
今回は蓋の後側が下に付く位置でリボンを接着しましたので開けっ放しで展示してもリボンは外れないと思うのだけど・・・

塗装の終わった牽引フックをミニカーに取付けました
如何でしょうか?
これでどちらが修理をしたのかわからなくなったと思います

最後にクリーニングをして仕上げましょう〜

予定通りならこれで本日中にお客様の元に戻るはずです
ちょっと雪に寄る配送の遅れが気になりますが・・・無事に戻って頂きたいですね。

デイトナ検証

2018-01-26 14:07:22 | Ferrari 365GTB4 Daytona
本日の山陰は朝だけこんなに良い天気でした
これだけ青い空は久しぶりですね


さてこの数日時間を費やしていたのはデイトナのコクピット内の検証です
作りながらでは有りますが検証しないと余りにもズバリの写真が無いのです・・・
ロードカーの場合は出来るだけオリジナルの状態が尊重されるのですがレースカーと言いますと如何に速く走るのか・・・と言う部分だけが尊重されます
まあ勝つか負けるかの勝負の世界ですからね〜致し方が無いのです
出来るだけそんな部分もお客様にお伝え出来れば・・・と思いますと力も入ります(笑)

今回本名OKミケーレ・アルボレートさんにご紹介頂いた画像と某所から借りている洋書を見ますと・・・
1971年のパリ1000kmに出た後の画像と思われます
S/N14407GTがNo.9を付けたのはこの一度限りの様ですので間違いないと思います。
つまり1971年のレース後から1972年の最初のレースまでに写された写真という事ですね

その時の写真がこれですね・・・

今回教えて頂いたサイトの画像がこちら・・・(画像を消す可能性も有りますからご了承ください)
現在製作中の物と比べますとステアリングが違いますね〜
ステアリングはドライバーの好みで簡単に変更しますからこれは変わっていると思っても不思議では有りません。
またメーターパネルを見ますと中央の4つの小さな補助メーターの中央に黒い小さなプッシュスイッチが付いていますがこれはスタータースイッチだそうです。
エンジンを掛ける時に一度だけ押せば良いのでこんな不便な位置に付けられているみたいです(笑)・・・こちらのスイッチもリサーチ済です。
そしてドアの内装が違います
大きな四角い穴が開いてその内側にオープナー用のワイヤーが有るタイプですね・・・感じとしますとF40のライトウエイトと同じ・・・
というかF40の方が古き良き伝統に則った内装なんですが・・・(笑)
実はこの内装には訳が有ります
1971年のこの時期にはドアのサイドウインドウにスライドの窓が付いていますという事はこのサイドウインドウは樹脂製のウインドでしたに下がらなくても良い様に小窓を開けています
つまりウインドガラスがしたに下がらないからドアの内装に大きな穴を開ける事が出来るのです・・・レギュレータとかも無いですからね・・・。


1971年のパリ1000kmの真横からの走行写真です

しかし1974年のルマンではこの小窓が無くなっています
と言う事はレギュレーションかなにかでサイドウインドウの規定が有ったのかもしれません
ドアガラスを下げて走行していますね〜
つまりドアごと交換されている可能性が有ります・・・つまり1974年にはドアの内装には穴が無かったと言うルフ氏のキットが正しい事の証明になる訳です。
ここはキット通りで良い事になります。
純正のレギュレーターが取付けられていたかどうかはわかりませんが・・・


次はこちらですね
この写真を見てもドアの内装が四角な穴の開いた簡素な物でボディカラーと同じ事がわかりますね〜
メーターパネルは私が作った物と同じです但し疑問が残るのは補助メーターの一番右側の物ですがここは時計が付いているのですがレースで時計は不要でしょうからね〜。
車によっては燃料の警告灯に変わっている物も多々有ります、特にルマンな等の耐久で長時間走行する物は替えている物が多い様です
理由は1周の距離が長い為にピットインを忘れて通過してしまうと途中でガス欠になって止まってしまう事も有る訳でして・・・
つまらない事でリタイヤするのを防ぐ事を目的としています。
この車が警告灯を付けていた写真はまだ有りませんが・・・
ちなみにルフ氏のモデルは時計のままです・・・証拠写真が無ければ時計のまま作ります。
コンソールのシフトレバーの前に何やら有りますが・・・何でしょう?
ヒューズかな??
ダッシュボードの下にフレッシュエアの吹き出し口が有りますここはキットでは省略されていますが・・・これも1974年の写真が無い為に不明な部分ですね、これも写真が無い場合はルフ氏のキット通りという事ですね。
シートのクッションはこれを見る限りレッドですがこれもインストを見る限りブルーの指示です。
もう一つわかる事が有りますね〜1971年ではサイドブレーキが付いています
写真の右下側の隅ですが赤い三角形が有りますよね・・・
ここはシートベルトでしょうか?カメラのポジション的にボディのドア開口部かシートベルトと思うのですが・・・

1974年に大変近い年代の写真が有ります恐らくは1974年そうでなかったら1973年ですね
ドライバーが座っていなければ座面が見えそうなのに・・・
ドアの内装はブラックになっていますね〜
穴はわからないけど前記の理由で穴は無いと思います

もう一つステアリングが黒いスポークの物に変更されている様に見えます
スポークの穴までは見えませんが・・・穴無しかな??
コクピットの雰囲気を大きく変えるステアリングなので・・・まさかルフ氏も見てないという事は無いんじゃないかな〜(笑)
シートベルトはブルーですね。



と言う事でなかなかレースカーは難しいですね
後になって新しい資料が出てくる事も有りますしね〜
基本的にルフ氏のキットのフォームで想像を交えながら当時のレースカーを偲びながら作ると言うのが健全かな〜!?(笑)