在日米軍に法的特権を認めた日米地位協定に関し、47都道府県の7割に当たる33都道府県が1月18日までの共同通信の調査に、改定が必要との立場を示す回答を寄せた。
このうち21府県には米軍専用施設がない。
多くは基地や訓練を巡る住民の不安を理由とし、航空法の規定が適用されずに米軍機が低空を飛行している事態にも懸念を示した。
日本側の捜査が制限される問題もあり、多数の自治体が協定を問題視する実態が浮き彫りとなった。
協定見直しを持論とする石破茂氏が2024年10月首相に就いたのを踏まえ、協定を巡る質問を11~12月に各都道府県へ送り、担当部署などから回答を得た。
改定の是非を尋ねると、26都道府県が「改定が必要」、7県が「どちらかといえば必要」とした。
改定が不要との立場の回答はなく、「その他」としたのは岡山など残り14県。
このうち愛知は「どちらでもない」。
13県は「安全保障は国の専管事項」との趣旨の説明をする一方、「協定で生じる影響には対応を講じるべきだ」(栃木)、「協定は住民生活に直結する重大な問題」(岡山)との声もあった。
協定を巡っては、基地が集中し、米兵らの性暴力事件が相次ぐ沖縄を中心に、米軍機の墜落時を含めて日本側の捜査が制限されるなど、多くの問題が指摘されてきた。
改定を望む計33都道府県に理由の選択を複数回答で求めると、「基地や訓練に対する住民の不安」と「米軍関係者にも国内法を適用するべきだ」がともに19自治体で最多だった。
「協定の運用改善では不十分」が16府県、「一度も改定されておらず実態にそぐわない」が11県で続いた。
東京は「その他」を選んだで「社会状況の変化に対応した見直し」を求めた。
全都道府県に、協定による自治体業務や住民生活への影響について尋ねたところ、神奈川と島根、沖縄が「頻繁に生じている」を選択し、9府県が「生じたことがある」。
「生じたことはない」は12府県だった。
影響に関連する自由記述では11県が米軍機または米軍機とみられる機体の低空飛行に言及、「部品の落下や墜落」(富山)などに懸念を示した。
このうち広島以外の10県には米軍専用施設がない。他にも「基地周辺での騒音」や「(米兵らの)自動車税減免による税収減」などが挙げられた。
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