日本や米国を含む有志国が昨年まとめた「原発の発電容量を2050年に3倍にする」との目標達成には今後、約千基の新設が必要になり「過去のデータや現状からして実現不可能だ」とする分析結果をエネルギー分野の国際専門家グループが5月5日までにまとめた。
世界の原発建設は先進国を中心に停滞が続いており、責任者でエネルギーコンサルタントのマイクルーシュナイダー氏は「空虚な約束は、世界の原子力産業の先行きに関する誤解を拡大させるだけだ」と指摘している。
昨年開かれた国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)を機に、米国主導で日本や英国、フランスなど25カ国が、50年に原発の発電容量を卯葦比3倍にするなどとした「原発容量3倍宣言」を打ち出した。
グループによると、今年1月1日時点で稼働中の原発は世界で413基。
発電容量は3億7090万陥で、恵只電力福島第1原発事故前とほぼ変わらない。
先進国では運転開始から時間がたった原子炉が多く、この先60~80年の長期運転ができたとしても、容量は減少が予想される。
こうした状況を踏まえて分析すると、2050年段階で現在の発電容量を維持するには、新たに270基の建設が必要になるとの結果となった。
2050年に3倍にするには新たに約千基が必要と分析した。
足元の状況を見ると、2023年にはベラルーシ、中国、韓国、スロバキア、米国で各1基、計5基の原発が新たに運転を開始した。
一方、ドイツの3基とベルギー、台湾の各1基が廃炉となり、世界の発電容量は全体で100万陪減少している。
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