社会保障費の膨張を抑えるため財務省がまとめた改革案が10月20日分かった。
75歳以上の人が病院の窓口で負の原則1割から2割へと引き上げるのが柱。
医療・介護保険では高齢者一人一人の負担水準を決める上で、毎年の所得だけでなく金融資産の保有状況も判定材料に加え、資産が豊富で支払い能力のある人には、より多くの負担を求める制度設計する。
10月25日の財政制度等審議会で示し、年末から来年にかけて議論を進める。
負担増となる高齢者や、受診抑制により収入が減る可能性のある医療機関の反発は必至で、調整は難航が予想される。
医療費の窓口負担は従来、69歳まで3割、70歳以上は1割だった。
2014年度以降に70歳になった人は2割に上げる見直しを段階的に進めてきており、2018年度は70~74歳の人が2割負担となることが決まっている。
財務省は、高齢化が進む中で現役世代の負担を抑えるには一段の改革が必要だと判断。
2019年4月以降に75歳となる人の負担を2割に据え置くよう求める。
これに合わせ、既に75歳になっている人たちの負担も段階的に2割へ上げることを提案する。
一方、医療や介護の負担水準を決める上で資産の多寡も考慮する仕組みづくりは、マイナンバー制度を活用して預金残高などを把握することで実現を目指す。
2018年度予算編成で焦点となる診療報酬改定では、医師・薬剤師の技術料に当たる本体部分を含めたマイナス改定を主張。
介護報酬も引き下げ、国民負担増と財政悪化を抑える姿勢を打ち出す。
子育て支援では、企業が負担する事業主拠出金の法定上限(現在は賃金の0.25%)を引き上げ、保育所運営の財源を確保する方針を示す。
最も医療費を使う年齢層からみても、当然の引き上げである。