厚生労働省は1月27日、労働政策審議会の分科会に労働安全衛生法の改正案要綱を示し、了承を得た。
法案を今国会に提出する。
労災防止の最低基準を定めた同法は原則、雇用された労働者を保護対象としていたが、個人事業主(フリーフンス)も対象に位置付ける。
また、心理的負荷を調べる「ストレスチェック」について全事業所への義務化拡大や、働く高齢者の労災防止に向けた作業環境改善の努力義務化も柱となる。
また厚労省は分科会に熱中症対策として、体制整備、‘手順作成、労働者への周知を罰則付きで事業者に義務付ける方針案を示した。
6月施行を目標に省令改正を目指す。
厚労省によると、主に「一人親方」のように、雇用された労働者と同じ現場で働いているのに、これまでは対象外だった人を念頭に対策を強化。
死亡や4日以上休業するけがをした場合、事業者から労働基準監督署への報告を省令改正で義務化する。
危険な業務に就く場合などに、個人事業主にも特別な安全衛生教育を受けるよう義務付ける。
2021年5月の建設アスベスト被害を巡る訴訟の判決で、最高裁が個人事業主も保護対象とすべきだとした判断を受け、議論してきた。
また、IT企業などのプラットフォーマーを念頭に、事業者側が安全な作業を損なう恐れのある条件を付さないよう配慮する責務について、建設工事の発注者に限らないことを明確化。
例えば配送事業者に無理な荷物量を強いることを想定している。厚労省は孫請けなどの個人事業主について、プラットフォーマー側が配慮すべき点をガイドラインで示す方針だ。
現行法でストレスチェックは、従業員50人以上の事業所に年1回の実施を義務付けている。
精神障害の労災認定数の増加を受け、全事業所を対象とする。高齢労働者の増加により、身体機能の低下による転倒などの労災事故が起きており、配慮を努力義務として事業者に課す。
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