健康診断を受診していない人は年間所得200万円未満の世帯で4割超に上り、世帯所得別で最も多いことが1月14日、厚生労働省の2018年の国民健康・栄養調査で分かった。
政府は2012年策定の健康づくり計画で「健康格差の縮小」を目指し、受診率向上にも力を入れるが、低所得ほど未受診率が高い傾向は改善されておらず、格差対策の課題が浮き彫りになった。
健康診断を巡っては2012年の労働者健康状況調査で、従業員数が少ない事業所ほど未受診が多い傾向が明らかになっていた。
理由は健康診断が実施されなかったとの回答が最多で、厚労省は事業所への指導にも力を入れている。
同省の担当者は「今回の調査を分析し、受診率向上とともに貧困支援など格差対策に取り組んでいきたい」と話した。
調査は無作為抽出した約5千世帯が対象。過去1年間で健康診断などの未受診率は雄爾の年間所得が最も高い層とした「600万円以上」の男性で16・7%だったのに「200万円未満」で40・7%。女性も「600万円以上」では26・1%にとどまったが、「200万円未満」では41・1%に上った。
2014年に同じ調査を実施した際も、未受診率は「60O万円以上」で男性16・1%、女性30・7%。
「200万円未満」で男性42・9%、女性40・8%と差が開いていた。
未受診者を就労時間別でみると、調査で最も時間が長いとした「週60時間以上」のグループで、男性16・2%、女性20・7%だったのに、最も短いとした「週1~39時間」で男性26・3%、女性29・4%だった。
ほとんどの食べ物を不自由なくかめるとされる歯20本未満の割合も調査。
「600万円以上」の世帯で20本未満と答えたのは男性18・9%、女性21・6%だったが、「200万円未満」の世帯では男性30・2%、女性29・8%となり、こちちも相関関係が顕著だった。