国立がん研究センターは2月12日、2012年に全国のがん拠点病院などでがんと診断された患者約54万人について、診断から経過した期間ごとの5年後の生存率「サバイバー5年生存率」を初集計して公表した。
進行期で診断された場合は早期診断よりも生存率は低いが、乳がん以外の主ながんで1年生存するごとに5年生存率が改善する傾向が見られた。
同センター院内がん登録分析室の石井研究員は「診断早期の病状が安定しない時期を乗り切った患者は、その後の5年生存率は上がることがデータで裏付けられた。 進行がんの患者にとって前向きなメッセージになってほしい」と話している。
全国361施設の12年の院内がん登録データで、10年後の情報を含む約54万3千例を分析。
治療できる可能性が高い早期(ステージ1、2)に診断された場合、多くのがん種でサバイバー5年生存率は横ばいだったが、進行状態(ステージ3、4)での診断では1年生存するごとに5年生存率が上昇した。
例えば、ステージ4の胃がんば診断から1年未満の5年生存率5・5%に対し、1年経過で12・3%、3年で41・8%、5年で61・2%と大きく改善した。
一方、乳がんは、どの病期でも5年生存率はほぼ横ばい。
長期にわたり病状が悪化するタイプがあるのが原因という。
また2012年にがんと診断された患者で、がん以外による死亡も含め算出した10年生存率は46・6%だった。
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