厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会は11月13日、アルツハイマー型認知症新薬「ドナネマブ(商品名ケサンラ)」の公定価格(薬価)を患者1人(体重50キロの場合)当たり年約308万円とすることを了承した。
11月20日から公的医療保険を適用する。
米製薬大手イーライリリーが開発。
原因物質を除去して症状の進行を抑える薬で、エーザイの「レカネマブ」(年約298万円)に続き国内2例目の適用となる。
軽度認知障害(MCI)と軽度の認知症患者が対象。
患者の自己負担は、医療費が高額になった場合に一定額に抑える「高額療養費制度」があるため、年齢や年収に応じた支払額となる。
現行の仕組みでは、70歳以上で年収156万~約370万円の人が外来で利用すると年14万4千円の見通し。
治療の選択肢が増える半面、医療保険財政を圧迫する懸念もある。
ピーク時には年2万6千人が利用し、市場規模は年796億円と想定される。
ドナネマブは、アルツハイマー病の原因の一つとされる「アミロイドベ
ータ」と呼ばれるタンパク質にくっついて取り除く薬。
患者には4週間の間隔を空けて、点滴で投与する。
投与期間は最長1年半。
アミロイドベーダの除去が認められれば、途中でやめられる。