踊る小児科医のblog

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青森県で喫煙により毎年150人が脳卒中で死亡している

2005年05月11日 | 禁煙・防煙
禁煙広報センターのニュースレター最新版(Vol.11 2005.Jan)に、厚生労働省の多目的コホート研究(この研究からはタバコ関連のデータが次々と報告されています)からの引用で、喫煙者は非喫煙者に比べて脳卒中が男性1.3倍、女性2.0倍発症率が高いなどといった数字が掲載されています。

後半部分に、脳卒中のうち男性で17%、女性で5%はタバコを吸っていなければ予防できたと推定しており、1999年の日本全体の脳卒中にあてはめると、
 脳卒中死亡
  男性 1万1000人
  女性   4000人
  合計 1万5000人
 脳卒中患者
  男性 12万人
  女性  4万人
  合計 16万人
と推定しています。

青森県単独のデータがあるかどうかわからないのですが、この数字から更に計算してみると、人口が約100分の1として、
 脳卒中死亡
  男性 110人
  女性  40人
  合計 150人
 脳卒中患者
  男性 1200人
  女性  400人
  合計 1600人
がタバコを吸わないと予防できる、ということになります。(人口比や喫煙率、脳卒中の罹患率などを加味すると実際にはもう少し多いものと思われます)

この「百分の一推計」がいつも使えるかどうかわからないのですが、概略を理解してもらう際にはわかりやすくていいかなと思ってます。

平成15年度の人口動態調査では、
>本県の死亡数は13,995人で、前年の13,446人より549人増加
とのことですから、そのうち150人だとすると1%強ということになります。もちろん、その他にガンや心疾患などが加わってくるわけですが。

以前書いた、日本全体でタバコによる死者10万人(もう少し多い)、受動喫煙死2万人(推計)に「百分の一推計」をあてはめるとそれぞれ約1000人、200人となります。今回の推計では、そのうち脳卒中による死亡が150人くらい。
といったところでしょうか。
(別々の推計の組み合わせですから、正確なものではありません)

同じ研究からのデータで、喫煙率が1%減ると脳卒中の死亡率は男性で1.35%、女性は1.94%減少することが判明。喫煙率を10%減らせれば、脳卒中罹患は計5万6647人、死亡者は2万3603人減少できるということも報告されています。(喫煙率が10%減ると、死亡者は23603人減少可能! 平成10年度厚生科学研究で判明!