熊本熊的日常

日常生活についての雑記

Francis Bacon

2008年09月11日 | Weblog
TATE Britainで開催中のFrancis Bacon展の内覧会に出かけて来た。かなりエグイ系の作家だがかなり評価の高い作家でもある。去る5月にはニューヨークのサザビーズで氏の「Triptych 1976」がコンテンポラリー・アートとしては史上最高値の8,630万ドルで落札されたことで話題にもなっていた。
(http://www.nytimes.com/2008/05/15/arts/design/15auction.html)

戦争体験によって、人の本性は野獣と同じという認識を持つに至り、終生そういう人間を描き続けた人である。人間を高みに持ち上げず、そのあるがままを表現しようとした強い意志が作品に漲っていると思う。あるいは、人間性と呼ばれる幻想に対する懐疑を表現しているとも言えるだろう。目を背けたくなるような作品も少なくないが、人間の本性とはそういうものだと言われれば、直視しないわけにはいかないだろう。確かに、世の中の人間の日常は様々な敵意や憎悪に満たされている。直視に耐えない醜さが人間の心に宿っているということだ。