9月11日にユーロトンネル(北トンネル)で発生した火災の影響で、ユーロスターは今日も全面運休で明日13日から火災の影響を受けてない南トンネルを使って営業を再開するという。ユーロトンネルはフランス方面行きとイギリス方面行きの2本の独立したトンネルによって構成されているので、どちらか一方が破損しても、ある程度は残りの一方で機能を維持できる。この点、同じ長大海底トンネルである青函トンネルは複線トンネル一本なので、今回のような事故があると、ユーロトンネルに比べて運用の復旧に時間がかかることが予想される。
鉄道トンネルでの火災というのは、比較的発生確率の高いリスクのようで、パリで無人運転の地下鉄14号線が開業する時も、火災対策について詳細な検討と対策がなされたそうだ。日本でも平均すれば年に1回程度は発生しているらしい。ただ、ここ数年は死傷者を伴うものは発生していない。それでも気になったので戦後の鉄道トンネル火災事故を調べてみたら以下のようなものがあった。
1947年4月16日 近鉄東大阪線 生駒トンネル
1956年5月7日 南海高野線 紀伊神谷=紀伊細川 18号トンネル
1968年1月27日 営団地下鉄日比谷線 六本木=神谷町 間
1972年11月6日 国鉄北陸トンネル
1972年11月21日 営団地下鉄日比谷線 広尾駅
1983年8月16日 名古屋市地下鉄東山線 栄駅変電施設
1985年9月26日 営団地下鉄半蔵門線 渋谷駅
1988年3月30日 JR東日本上越線 越後中里=岩原スキー場前 松山トンネル
1988年9月21日 近鉄東大阪線 生駒トンネル
1992年8月29日 都営地下鉄三田線 春日=白山 間
また、海外の主なものとしては以下の通りである。
1964年4月21日 米国 ニューヨーク地下鉄 グランドセントラル駅
1969年5月 米国 ペン・セントラル鉄道 ハドソン川底トンネル
1979年1月14日 米国 サンフランシスコ湾高速鉄道 サンフランシスコ湾海底トンネル
1979年9月 米国 サウスイースト・ペンシルバニア交通局 ノース・フィラデルフィア地下鉄
1987年11月18日 英国 ロンドン地下鉄 キングスクロス駅
1994年11月14日 英仏 ユーロトンネル
1995年10月28日 アゼルバイジャン バクー市営地下鉄
2000年11月11日 オーストリア カプルン山岳鉄道
2003年2月18日 韓国 テグ市地下鉄 中央路駅
火災に限らず、事故は未然に防止するに越したことはないが、完全に予防することは不可能である。そこで、フェイル・セーフという発想が求められることになる。今回のユーロトンネルの事故は、自動車輸送列車に積載していたトラックが火災発生源になっており、94年の事故と同じである。94年の事故の後、何らかの安全対策が実施されているはずなのだが、それが奏功しなかったということである。
個人的には毎日ロンドン地下鉄を利用しているが、乗車中に事故に巻き込まれたら助かる見込みは無いと思っている。乗車経験のある方なら感覚的に了解されると思うが、大きな棺桶に乗っているようなものだ。駅の構造にしても、地下と地上を結ぶ線が細すぎると思う。せめてもの救いがあるとすれば、東京とちがって地震が無いことくらいだろう。東京は逆に、どれほど人知を尽くしたところで、巨大地震に襲われたら、それで終わりなのではないか。以前は地下は安全といわれていたが、阪神淡路大震災でそれが幻想であることが証明された。一寸先は闇だと思って日々生活する。結局、そういう覚悟で生きるしかないようだ。
ちなみに、去る9月4日にロンドンの公共交通機関の2009年の新料金体系案が公表された。値上げも値下げもあるが、総じてインフレ率プラス1パーセント分の値上げと表現されている。自分の関係するところで言えば、通勤に利用している地下鉄は、現在の片道1.5ポンドから1.6ポンドへ、休日に外出する時などに利用しているトラベルカードは5.9ポンドから6.3ポンドへそれぞれ値上げということになっている。おそらく、現状の逼迫した財政事情を鑑みれば、この案はそのまま実施に移されるのだろう。この件に関し敢えてコメントはしない。
鉄道トンネルでの火災というのは、比較的発生確率の高いリスクのようで、パリで無人運転の地下鉄14号線が開業する時も、火災対策について詳細な検討と対策がなされたそうだ。日本でも平均すれば年に1回程度は発生しているらしい。ただ、ここ数年は死傷者を伴うものは発生していない。それでも気になったので戦後の鉄道トンネル火災事故を調べてみたら以下のようなものがあった。
1947年4月16日 近鉄東大阪線 生駒トンネル
1956年5月7日 南海高野線 紀伊神谷=紀伊細川 18号トンネル
1968年1月27日 営団地下鉄日比谷線 六本木=神谷町 間
1972年11月6日 国鉄北陸トンネル
1972年11月21日 営団地下鉄日比谷線 広尾駅
1983年8月16日 名古屋市地下鉄東山線 栄駅変電施設
1985年9月26日 営団地下鉄半蔵門線 渋谷駅
1988年3月30日 JR東日本上越線 越後中里=岩原スキー場前 松山トンネル
1988年9月21日 近鉄東大阪線 生駒トンネル
1992年8月29日 都営地下鉄三田線 春日=白山 間
また、海外の主なものとしては以下の通りである。
1964年4月21日 米国 ニューヨーク地下鉄 グランドセントラル駅
1969年5月 米国 ペン・セントラル鉄道 ハドソン川底トンネル
1979年1月14日 米国 サンフランシスコ湾高速鉄道 サンフランシスコ湾海底トンネル
1979年9月 米国 サウスイースト・ペンシルバニア交通局 ノース・フィラデルフィア地下鉄
1987年11月18日 英国 ロンドン地下鉄 キングスクロス駅
1994年11月14日 英仏 ユーロトンネル
1995年10月28日 アゼルバイジャン バクー市営地下鉄
2000年11月11日 オーストリア カプルン山岳鉄道
2003年2月18日 韓国 テグ市地下鉄 中央路駅
火災に限らず、事故は未然に防止するに越したことはないが、完全に予防することは不可能である。そこで、フェイル・セーフという発想が求められることになる。今回のユーロトンネルの事故は、自動車輸送列車に積載していたトラックが火災発生源になっており、94年の事故と同じである。94年の事故の後、何らかの安全対策が実施されているはずなのだが、それが奏功しなかったということである。
個人的には毎日ロンドン地下鉄を利用しているが、乗車中に事故に巻き込まれたら助かる見込みは無いと思っている。乗車経験のある方なら感覚的に了解されると思うが、大きな棺桶に乗っているようなものだ。駅の構造にしても、地下と地上を結ぶ線が細すぎると思う。せめてもの救いがあるとすれば、東京とちがって地震が無いことくらいだろう。東京は逆に、どれほど人知を尽くしたところで、巨大地震に襲われたら、それで終わりなのではないか。以前は地下は安全といわれていたが、阪神淡路大震災でそれが幻想であることが証明された。一寸先は闇だと思って日々生活する。結局、そういう覚悟で生きるしかないようだ。
ちなみに、去る9月4日にロンドンの公共交通機関の2009年の新料金体系案が公表された。値上げも値下げもあるが、総じてインフレ率プラス1パーセント分の値上げと表現されている。自分の関係するところで言えば、通勤に利用している地下鉄は、現在の片道1.5ポンドから1.6ポンドへ、休日に外出する時などに利用しているトラベルカードは5.9ポンドから6.3ポンドへそれぞれ値上げということになっている。おそらく、現状の逼迫した財政事情を鑑みれば、この案はそのまま実施に移されるのだろう。この件に関し敢えてコメントはしない。