雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

SI7 選択マスクの加工(マルチバンドシャープ)

2014年06月13日 | 画像処理のはなし
梅雨時の満月期につき撮影はずっとお休み。
お見せする画像もないので今回は画像処理のはなし。

私が使っているメインソフトの「ステライメージ7(SI7)」の処理方法について
以前連載した事があったのですが、その最後の方の記事
 で、
SI7の新機能「選択マスク作成」で、『作成されたマスク画像を更に加工することで
マルチバンドシャープ」で効果的に使う事ができる』 と書きました。
最近、星雲・銀河のクローズアップ撮影が増える中で
マルチバンドシャープ」は欠かせない処理方法となっています。

下の画像は先日撮影したM16(わし星雲)のトリミング画像です。
( 画像クリックで全体画像を表示します。)
HST画像で有名になった「創造の柱」をもっと明瞭に出したいという事で、
SI7で作成した「選択マスク」をそのまま加工しないで
”選択マスク反転” して「マルチバンドシャープ」をかけてみると・・
確かに星雲部のコントラストは高くなりましたが、それ以上に明るい星が完全にとんでしまいました。
いかに画像処理で星の色を残すかで苦労しているのに、これでは台無しです。
次の画像は最近行っている「選択マスク」を加工したのちに使用したものです。
星の輝度はそのままに、星雲のコントラストが上がっています。

以下がわたしの「選択マスク」加工の手順ですが、最後まで見れた人にだけお勧めです。

範囲選択メニューから「選択マスク作成」

パラメータを設定
明るさ・ぼかしとも最大に設定していますが、明るさはまったく不足しています。
この設定で作成した「選択マスク」では、星の輝度まで強調されてしまいます。(反転して使用)
この段階では ”・・選択マスクを適用”のチェックを外しておきます。・・マスクを加工するとエラーが発生するため

ここから先が作成した「選択マスク」の加工になります。

諧調メニューから「トーンカーブ調整」(1回目)
作成された「選択マスク」では、広がりのある明るい星がドーナツ状になります。
( * 大きく明るい星ほど暗めになるところが問題 )
トーンカーブ調整でドーナツが見える範囲でコントラストを高めます。

「楕円選択ツール」でドーナツの一つを囲みます
諧調メニューから「明るさ/コントラスト」を選択

明るさを最大にします
更に明るくするため、2回繰り返します。

ドーナツの数だけ繰り返します
( 下の画像は等倍トリミング画像で、全体の一部です )
今回は明るい散開星団を含み、更にエクステンダーで星が肥大化したためドーナツの数が多くなっています。

諧調メニューから「トーンカーブ調整」(2回目)
星だけが明るく残るよう、トーンカーブを再調整します。

フィルタメニューから「ぼかし」を選択
処理の境界が際立たないよう、すこしぼかします。

以上で加工した「選択マスク」の完成です。

もののついでに、「マルチバンドシャープ」までの手順も

このあと、より効率的な処理方法を見つけました。

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こんな手間のかかる事やっているのは
たぶん、わたしだけなんだろうな。
この記事もだけど・・

雲上くもがみ
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コメント (4)
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