雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

<銀河系外-07 おおぐま座 M82銀河>自宅で撮った『大宇宙SCALE』

2022年12月31日 | 自宅で撮った『大宇宙SCALE』
書籍『大宇宙SCALE』の掲載順では今回の記事の表題 おおぐま座のM82の前に
活発に星を形成している きりん座の小さな銀河が掲載されているのですが、
未撮影”のため紹介だけさせていただきます。
Ⅲ 銀河系外
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Ⅲ-06 NGC 1569 1100万 光年 
種別 渦巻銀河 明るさ 12.2等級 見かけの大きさ 1.3×1.3分角 星座 きりん座
< 未撮影 >
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未撮影”の理由: 前々回に掲載したきりん座 IC342に近いのですが、小さくて暗いため見栄えがしません。
・・・・


その次に掲載されているのが 春の系外銀河の先駆けにもなっている おおぐま座のメシエ銀河コンビ、
そのコンビの北側にあるのが 中央が爆発しているような特異な姿を見せるM82になります。

Ⅲ 銀河系外
-----------------------------------------------------------------
Ⅲ-07 M82 1150万 光年 
M82(NGC 3034):種別 特異銀河 明るさ 9.3等級 見かけの大きさ 11.2×4.3分角 星座 おおぐま座
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おおぐま座の銀河で,すぐ近くに見えるM81と同じ銀河団に所属している。
きれいな渦を巻いた姿が美しいM81とは対照的に、中心部でスターバースト(爆発的星形成)が起きており
まるで銀河が爆発しているかのように見える。
スターバーストの原因は過去にM81とNGC3077の2銀河と接近遭遇したことが原因とのこと。
そこで誕生した星々が次々と超新星爆発を起こし、銀河内部のガスを宇宙空間へ放出していることがわかりました。

2016年にM82銀河周辺を短焦点反射鏡筒で撮った画像です。 ↓
( NGC3077は左下の銀河になります )

”M82では次々と超新星爆発” と書きましたが、せいぜい数十年単位の話と思っていました。
ところが幸運なことに2014年1月に発見された超新星爆発(SN2014J)を撮影することができました。 ↓
( 元画像を30%縮小しています )
上の画像のM82部分を縮小なしで切り出した画像です。 ↓
掲載画像は発見されてから3か月後のものですが、発見された1月21日の6日後には超新星の撮影に成功しています。
その画像については 次回 M81の記事で掲載する予定です。

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2022年のブログ更新はこれが最後になります。
1年間わたしのつたないブログを訪問していただきありがとうございました。
今年は例年に増して天候に恵まれず、撮影できたのは13夜しかありませんでした。
雲予報の精度がよくなったので 悪い予報の夜は設営をしなかったせいもありますが、
ほんとは歳のせいでしょうか?

なお 恒例の元旦年始の挨拶ブログは今年は年賀欠礼とさせていただきます。
( 家内のお姉さんが11月に急逝(きゅうせい)されました )

皆様 よいお年を


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<銀河系外-05 南天の NGC253銀河>自宅で撮った『大宇宙SCALE』

2022年12月28日 | 自宅で撮った『大宇宙SCALE』
今回から最終章の Ⅲ-銀河系外 も 地球からの距離1000万光年を越えます。

退職を機に再開した天体写真ですが、70代に入ったくぎりとして
この約10年間で撮ったものを振り返って見ることにしました。
掲載順序としては手持ちの天体写真集 大宇宙SCALE を参考に
地球から近い天体の順に掲載しています。

ブログ用に1000万光年までの銀河系外Mapは以前掲載済ですので、さらに5000万光年までのMapを作ってみました。
(注1)各銀河の大きさは大きめに誇張して図示しました
(注2)各銀河の位置は方向を考慮せず、距離のみで図示しています

書籍『大宇宙SCALE』の掲載順では銀河系外の 1000万光年越えのトップバッターは
我が家からは南天低めの ちょうこくしつ座 NGC253銀河になります。

Ⅲ 銀河系外
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Ⅲ-05 NGC 253 1070万 光年 
NGC 598:種別 棒渦巻銀河 明るさ 8.0等級 見かけの大きさ 27.5×6.8分角 星座 ちょうこくしつ座
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NGC253はわたしたちの銀河系が所属している「局所銀河群」のすぐ隣に位置する
「ちょうこくしつ座銀河群」のメンバーだそうです。
大きさは 天の川銀河より小さめで、ま横より少し斜めから見た姿になります。

私がNGC253を初めて撮ったのは2015年になります。(望遠レンズで撮影) ↓
( 元画像を30%縮小 下部やや左側に写ってるのは わが天の川銀河に属する球状星団 NGC288距離2.9万光年 )
撮影DATA : 2013/12/02 Canon NFD300mm(手製絞りF4
露出 分 × 枚 ISO 1600 LPS-P2 Cooled60D (冷却-15℃)タカハシEM200 USD赤道儀 SSAG PHDガイド

同じ年に反射鏡筒R200SSで撮ったNGC253のクローズアップ画像になります。 ↓
大質量の星が大量に生まれているスターバースト銀河の典型的として知られています

更に昨年(2021年)、 より長焦点のVC200Lで撮った NGC253の画像になります。↓
撮影DATA : 2021/ 11/29 19:35’~  Vixen VC200L(+ レデユーサーHD 合成 fl= 1386mm F6.9)
露出 分 × 枚 + 分 × 枚 ISO 3200 LPS-D1 Cooled60D (冷却オフ)
タカハシ EM-200 Temma2M マイクロガイドスコープ 60 ToupCam 
ステラショット2(導入・自動ガイド) ステライメージ9(画像処理)
長焦点になればなるほどより多くの露光時間が必要になるのですが、この画像の総露光時間はわずか22分。

露光時間を多くできない理由はこの画像を撮影中の『只今撮影中ショット』を見るとわかります。 ↓
( 四角枠は上の画像の撮影範囲です )
2021年11月 29日 20時06分~ Tamron Zoom(fl17mm F2.8) 30秒×4枚 ISO1600 ソフトフィルター KissDX(SEO-SP2) 三脚固定撮影
南天低いため撮影時間が限られる上に、撮影場所の自宅裏口の南方向は光害のほか障害物も一杯。
何夜も撮って合算して処理できればいいのですが、
初冬に南中するこの銀河には雪国の天候がそれを許しません。

次回は今年最後のブログ更新になる予定です。(今年はこのシリーズで終わることになるでしょう?)

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昨夜は薄雲はあるものの久しぶりに星を見ることができました。
( 心の準備をしてなかったので撮影はサボリました )
今朝 家の前から望遠レンズで撮った火打山(2462m)
年末始の週間予報では雪ダルマ マークはあるものの、上越市は穏やかな正月になりそうです。

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<銀河系外 番外-2 きりん座 NGC2403>自宅で撮った『大宇宙SCALE』

2022年12月24日 | 自宅で撮った『大宇宙SCALE』
この銀河系外シリーズが1000万光年を越えるので ブログ用に新たな系外銀河Mapを作成していたところ、
1000万光年以内で『大宇宙SCALE(誠文堂新光社)には掲載されていない
明るめの渦巻銀河をもう一つ忘れていたことに気づきました。
前回掲載したIC342と同じ きりん座の渦巻き銀河で、距離は100万光年遠い800万光年。

退職を機に再開した天体写真ですが、70代に入ったくぎりとして
この約10年間で撮ったものを振り返って見ることにしました。
掲載順序としては手持ちの天体写真集 大宇宙SCALE を参考に
地球から近い天体の順に掲載しています。


Ⅲ 銀河系外
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番外-2 NGC2403 800万 光年 
種別 渦巻銀河 明るさ 8.9等級 見かけの大きさ 21.9 × 12.3分角 星座 きりん座
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距離や位置方向は前回のIC342に近いため同じグループかと思ったのですが、さらに遠いM81銀河団の一員とのこと。

NGC2403の渦巻きの腕はもやもやと不明瞭なのですが、
その明るさ及び見かけの大きさと、北天で撮影しやすい事からこれまで10回ほど撮影してきた銀河です。
これ以前にも撮影しているのですが なぜがガイドが暴れて、やっとまともに撮れた画像です

この銀河は手持ちの すばる望遠鏡天体画像集宇宙へのまなざし国立天文台編 にも登場しています。
写真集のP108・P109に掲載されている すばる望遠鏡で撮影されたNGC2403画像

私が昨年(2021年)撮った 最も新しい NGC2403の画像になります。↓
四角枠は 上のすばる望遠鏡画像の範囲をあらわしています ( 上が 北の方角  )
撮影DATA : 2021/ 11/30 02:59’~  Vixen VC200Lmm(+ レデユーサーHD 合成 fl= 1386mm F6.9)
露出 20分 × 枚 + 分 × 枚 ISO 3200 LPS-D1 Cooled60D (冷却オフ)
タカハシ EM-200 Temma2M マイクロガイドスコープ 60 ToupCam 
ステラショット2(導入・自動ガイド) ステライメージ9(画像処理)

上の画像を撮影したときの『只今撮影中ショット』になります。 ↓
( 四角枠は上の画像の撮影範囲です )
2021年11月 30日 3時25分~ Tamron Zoom(fl17mm F2.8) 30秒×6枚 ISO1600 ソフトフィルター KissDX(SEO-SP2) 三脚固定撮影

次回は、いよいよ1000万光年を越えることができるか?

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前回の大寒波は新潟県内の一部地域にいまだ停電継続中の爪痕を残しています。
さいわい毎年雪の多いわが上越地域では小雪でした。
その分 これから来るX’mas寒波にビクビクしていたのですが、
今朝4時過ぎの暗いうちから除雪車のやって来る音が・・
明るくなって 恐る恐るみたところ雪国には恥ずかしい( ? )ほどの積雪でした。
( 恥ずかしいので積雪の写真は省略します )


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<銀河系外 番外-1 きりん座 IC342銀河>自宅で撮った『大宇宙SCALE』

2022年12月20日 | 自宅で撮った『大宇宙SCALE』
手持ちの『大宇宙SCALE(誠文堂新光社)では前回記事に掲載のM33の次には
距離1070万光年のちょうこくしつ座のNGC253になるのですが、
今回はその手前にある渦巻銀河 きりん座のIC342 を番外で掲載しました。

退職を機に再開した天体写真ですが、70代に入ったくぎりとして
この約10年間で撮ったものを振り返って見ることにしました。
掲載順序としては手持ちの天体写真集 大宇宙SCALE を参考に
地球から近い天体の順に掲載しています。


Ⅲ 銀河系外
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番外-1 IC342 700万 光年 
NGC 598:種別 渦巻銀河 明るさ 9.1等級 見かけの大きさ 21.4×20.9分角 星座 きりん座
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渦巻銀河IC342はその明るさ及び見かけの大きさからすればもっと名が知られていたはずですが、
わたしがこの銀河の存在を写真集『FAR OUT』で知って
初撮影したのは2015年になってからでした。

(注)過去の記事で掲載した画像では距離を1070万光年としていましたが、『FAR OUT』及び Wikipedia の説明文から700万光年に変更

画像処理でこの銀河の形が見えてきた時、正直言ってここまで写るとは思っていませんでした。
私たちの天の川銀河が所属する局所銀河群の外ではあるが、それでも近傍といえるこの銀河は
天の川銀河赤道近くに位置していることから塵が邪魔をして観測や撮影が困難でした。
天の川銀河の中心方向ではありませんが、銀河面から10.5度しか離れていません
( ステラナビゲータ11を 銀系表示して作成 )
)同じ銀河面に近いはくちょう座の星雲などがくっきり見えるのは、天の川銀河内の地球に近い側にあるからです

上の画像を撮影した2年後、より長焦点の反射鏡筒でクローズアップ撮影したものです。 ↓
この画像では銀河内の赤い星雲や、その前景に散りばめられた天の川銀河内の星々が写っています

更に翌年に、フルサイズカメラで撮った画像です。 ↓

上の画像を撮影していたときの『只今撮影中ショット』になります。 ↓
( 四角枠は上の画像の撮影範囲です )
2018年11月 4日am Tamron Zoom(fl17mm F2.8) 30秒×6枚 ISO1600 ソフトフィルター KissDX(SEO-SP2) 三脚固定撮影

次回からは 1000万光年より遠い系外銀河になります。

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この冬一番の寒波で新潟県では新潟市(下越)や柏崎市(中越)で大雪となっています。
新潟市在住の末娘は昨日 会社から帰るのに電車もバスも止まっていて
暗い雪道を90分も歩いて帰ったそうです。
新潟市は県内でも佐渡のおかげで雪が少ない地域なのですが、
今回はいつもは雪が多い上越市より積雪が多かったようです。

昨日は上越市の我が家の積雪は30㎝前後で済んだのですが、夜中に除雪車が初出動しました


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<銀河系外-04 さんかく座 M33銀河>自宅で撮った『大宇宙SCALE』

2022年12月16日 | 自宅で撮った『大宇宙SCALE』
昨年8月より掲載を開始したこのシリーズ
前回から最終章の Ⅲ-銀河系外 に入りました。
今回はその2番目になるさんかく座M33銀河になります。(未撮影の 大・小マゼラン銀河 は割愛)

退職を機に再開した天体写真ですが、70代に入ったくぎりとして
この約10年間で撮ったものを振り返って見ることにしました。
掲載順序としては手持ちの天体写真集 大宇宙SCALE を参考に
地球から近い天体の順に掲載しています。


Ⅲ 銀河系外
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Ⅲ-04 M33 280万 光年 
NGC 598:種別 渦巻銀河 明るさ 6.3等級 見かけの大きさ 70.8×41.7分角 星座 さんかく座
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さんかく座銀河M33は前回のアンドロメダ大銀河より少し遠く
大きさは わたしたちの天の川銀河の約半分、この3つの銀河は局所銀河群の主要メンバーです。
肉眼で見えるとか見えないとか微妙な明るさです。
小さいながらも渦巻の回転軸方向から見たフェースオン銀河である事、
および 銀河の大きさに似合わない巨大な散光星雲が見られるため
写真ではとてもダイナミックな姿を見せてくれます。

今回は撮影日時の古い順から何枚かお見せしますが、
撮影鏡筒のちがいにより次第にズームアップする画像にもなっています。

最初は14年前、この趣味を始めたばかりのころに望遠レンズで撮ったM33です。
( 元画像を30%縮小 上が 北の方角になります )
撮影DATA : 2008/12/19 Canon NFD300mm(開放F2.8
露出 分 × 枚 ISO 1600 LPS-P2 kiss DX (SEO-SP2改造)タカハシSYS90赤道儀 ノータッチガイド
このころは運まかせのノータッチガイドで、総露光時間も20分にも満たないものでした

その10年後 赤道儀・撮影鏡筒・カメラも更改して撮ったものです。 ↓
( 元画像を30%縮小 )
この画像では銀河のダイナミックな渦の腕や、小さいながらも赤い散光星雲が確認できます

更に2年後、より長焦点のVC200L反射鏡筒で縦(たて)構図で撮った画像です。 ↓
( 元画像を30%縮小 上が 北の方角 )
銀河内の散光星雲の形も見えてきました。
更に縮小率を抑えて銀河中心部をトリミングしてみました。 ↓
特に目立つ左側やや上部の散光星雲には、単独でNGC604というNGC No.が付与されています。

上の画像を撮影していたときの『只今撮影中ショット』になります。 ↓
( 四角枠はVC200L画像の撮影範囲です )
2020年10月21日 Tamron Zoom(fl17mm F2.8) 30秒×6枚 ISO1600 ソフトフィルター KissDX(SEO-SP2) 三脚固定撮影
『只今撮影中ショット』の元画像ではM33を確認することができました

次回は きりん座のIC342銀河を 番外編で掲載しようか思案中です。

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12月14日が極大日と言われたふたご座流星群。
太平洋側は晴れて見れた地域も多かったようですが
当方越後はみぞれまじりの強風でとてもとても。
過去のブログ記事を調べてみたところ
10年間で記事に登場するのは2012・2015年の2回だけ。
感覚的には10年に一度見れるかどうかというところです。
今のところ積雪はありませんが、強風とみぞれまじりの雨というのも それはそれで ・・・


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