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雲の上には宇宙(そら)
雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!
本番2匹目の兎 車輪銀河M101(おおぐま座)
2015年03月31日
|
天体写真(系外銀河)
26日夜、上限前の月が沈んでからこの夜のメインターゲットの
マルカリアンチェーン
を撮影。
(撮影した画像は前回記事
を参照)
この対象はこれまで挑戦するも満足した結果が得られていない難物。
今回はたっぷり露光時間をかけて・・と思っていたのですが、
今年に入ってはじめてのまともな星空だったので、欲が出てしまいました。
朝までもう1タイトルを。
途中で切り上げて、おおぐま座の
M101
(
別名
「
車輪銀河
」「
回転花火銀河
」)を撮ることに変更。
縮小前の元画像ではなんとか位置が確認できました。
撮影DATA
(抜粋):TAMRON Zoom (f17mmF2.8)30sec×5 KissDX(SEO-SP2)
結局、新しい対象を導入し構図を確定するまで一時間近く浪費して、15分露光の6枚目には薄明が始まって使えず。
M101
車輪銀河
(おおぐま座)
( 画像クリックで元画像の35%まで拡大表示できます )
( 上が北の方向 )
左下の銀河はNGC5474(10.9等)
撮影DATA(抜粋)
:
2015/ 3/ 27am
03:11’~ Vixen
VC200L
+レデューサ
(合成f=
1,278
mm F
6.4
)
露出
15
分×5 枚
ISO
1600
Cooled 60D (気温-0.2℃ 冷却 -16.5℃) ガイド鏡GS-60S 他は前回と同様
この
M101
銀河
(7.7等)
は見かけは満月と同じくらいの大きさ
(視直径 約27’)
がありながら、
真上から見た渦巻の腕は淡く、これも難しい撮影対象のひとつだと思っています。
この銀河の撮影を始めたころから弱い風が吹いてきました。
そのせいなのか、星が流れてしまいました。
( 画像クリックで 76分間の全体画像を表示 )
( 上が北の方向 )
左上から右下に星が移動しています。
(
大発見!
・・薄明時の星って明るくなるの? )
今回のガイド誤差は赤経・赤緯とも流れているため、
合成で1枚(15分)あたり約5画素と厳しい結果となりました。
また、均等に移動しているようにも見えるためほんとに風の影響なのか気になるところです。
( ただ、画像にしまりがないのはまちがいなく風のせいかと思います。)
参考にM101撮影中のPHD2グラフです。
右上の「ターゲット」を見ると、なんか風にあおられているようにも見えますが・・
おまけで2枚目のおりおんショットです。(星座線入り)
================================================
このあとも3日間晴れが続きましたが、
月がますます明るくなるのに合わせて沈むのが遅くなり、
銀河の撮影はこの夜だけとなりました。
500本を超えるこれまでの全記事リストは、
こちら
から。
雲上
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コメント (12)
いざっ本番! マルカリアンチェーン中心部
2015年03月29日
|
天体写真(系外銀河)
25日夜、今年に入って雪国にやっと訪れたまともな星空。
上弦前の月が沈んでからが本番なのですが、何を撮るかさんざん迷って選んだのは・・
未だ極められていないおとめ座銀河団の中心にある銀河のつらなり
マルカリアンチェーン
。
今回は更にその中心部を
VC200L
+レデューサー(合成f=1278mm)でクローズアップする事に。
月が沈む直前からの撮影でしたが、ファインダーを外すのを忘れて尻重の鏡筒バランスで撮影してしまいました。
マルカリアンチェーン
中心部
(おとめ座)
( 画像クリックで元画像の35%まで拡大表示できます )
( 上が北の方向 )
撮影DATA(抜粋)
:
2015/ 3/ 27am
00:13’~ Vixen
VC200L
+レデューサ
(合成f=
1,278
mm F
6.4
)
露出
15
分×8 枚
ISO
1600
Cooled 60D (気温0℃ 冷却 -17℃) ガイド鏡GS-60S 他は前回と同様
画像内の明るめの銀河の名称は以下のとおり。
このエリアはこれまでも何度か挑戦しているのですが、左上のNGC4438の淡い部分がなかなか出せずにいます。
自宅撮影では空の暗さに限界があるのですが、もう少し枚数を撮るべきでした。
遠征でわずか1時間程度の露光なのにすごい画像を撮る人もいる。
2年前にR200SS(f=800mm)で もう少し広い範囲を撮っています。
昨年撮った画像はこちら⇒
今回は撮影が終わってからファインダーを外して無かった事に気がつきました。
鏡筒の前後バランスがくずれたままでの撮影でしたが、
たわみによる星の流れは1枚当たり4画素以内と許容範囲でした。
約
2
時間露光(比較明)での星の流れで、赤緯(南北方向)にはほとんど流れていません。
(画像クリックで全体画像を表示)
今回も星が丸く見えないのは赤経(東西方向)のブレが加わったためです。
実は西側電線にかかるまで、まだ1時間ほど撮影できたのですが、
もう一タイトル撮りたくて2時間露光で止めてしまいました。
次回は本番2匹目の兎、おおぐま座の
車輪銀河M101
をお見せする予定です。
================================================
3日間晴れが続き、今日は雨になりました。
晴れてる間中、夜半過ぎまでずっと月がでていました。
仕方がないので毎日月を撮ってました。
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本番前リハーサルでNGC2903銀河(しし座)
2015年03月28日
|
天体写真(系外銀河)
26日夜、今年になってはじめてまともな星空となりました。
とはいっても夜半前に月があり、透明度も 3/
(5
段階評価
)
というものですが
雪国の冬空がやっと終わるという実感がわいてきました。
タイミングもVC200Lのガイドシステムの見直しをおこなった直後でしたので、
月が沈んでからの夜半過ぎに何を撮るかずいぶん迷いました。
まず夕方に高く昇った上弦前の月をパシャパシャと200枚ほど撮ったのですが、
ものの30分ほどで終了。(月の画像は後日の記事でお見せします。)
月が沈む0時過ぎまで時間がもったいないので、月明かりの中でリハーサルを兼ねて
しし座の系外銀河
NGC2903
の撮影を行いました。
撮影中の風景でまだ上弦前の月が西空(右下)で煌々と輝いています。
撮影を開始した時の月の高度は28度、15分露光の7枚目でもまだ11度と沈みませんでした。(月没 00時19分)
それでも月が低くなっていくにつれて空が暗くなっていくのがわかります。
(canon D.P.P一覧)
リハーサルの目的であった、新しいガイドシステムのガイド精度については
本番で撮った画像と合わせ 別途検証しますが、
撮影後のカメラモニターでは大きな流れは見られずホッとしました。
月明かりの中で撮影できた画像7枚すべてコンポジット(重ね合わせ)で使う事ができました。
NGC2903
銀河
(しし座)
( 画像クリックで元画像の35%まで拡大 )
( 上が北の方向 )
・・・・
* 左端の銀河はNGC 2916(12.0等級)
撮影DATA(抜粋)
:
2015/ 3/ 26
21:46’~ Vixen
VC200L
+レデューサ
(合成f=
1,278
mm F
6.4
)
露出
15
分×7 枚
ISO
1600
Cooled 60D (気温1℃ 冷却 -16℃) ガイド鏡GS-60S 他は前回と同様
NGC2903
のトリミング画像
(クリックで75%拡大)
です。
拡大して見ると、星が楕円になっている事がわかります。
しかし、たわみによる流れは1枚(15分)当たり3画素程度で許容範囲内となりました。
( 画像クリックで全体画像を表示 )
15分露光7枚分(105分間)での星のながれです。(等倍拡大画像)
星が丸くならない大きな原因は、許容範囲内におさまった タワみによる”
ながれ
”は減ったのですが、
赤経(東西方向)の ”
ブレ
”が相変わらず目立つため。
PHD2の追尾グラフですが、赤緯
Dec
に比べて赤経
RA
の振れが大きい事がわかります。
この ”
ブレ
”はその夜の大気の揺れ具合(シンチレーション)の影響を大きく受けます。
この夜も一般論で言われる
「
雲が無い時は上空に風があるため、大気のゆらぎが大きい
」が、当てはまったようです。
次回は 月が沈んでから撮った本番 「
マルカリアンチェーン中心部
」 の予定です。
このエリアはこれまで挑戦するも未だ満足できる画像が得られていない難物です。
================================================
徹夜で撮影を終えた日は老齢の母の入院介護で一日中病院へ。
今日も病院へ食事介護のあと、月に一度の料理教室へ。
やっと、1回分の画像処理と記事を更新することができました。
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もう検証はイヤダ!やれることはやって、いざ本番へ
2015年03月25日
|
それでも星は流れる
北極星も見えない空でガイドの検証を続けています。
ここのところまた雪が降ったりで、まだ雪国では撮れる空ではないという事なのですが、
明日あたりから晴れ間も見えそうです。
前回の
VC200L
の検証では突然に星が流れる魔物は出現しなかったものの、
夜半過ぎに吹いた強い風でガイドの精度に前進があったのかどうかすらはっきりせず。
手順でいえば、次は風の無い時に再度ガイド精度を検証してから次の対策を考える事になります。
しかしながら雪国の空のせいとは言え、もうずいぶんまともな画像から遠ざかっています。
そこで次の検証結果を待たずに、ガイド精度向上に効果のありそうなものを先取りして実施し、
次回
(明日夜?)
は、空さえ良ければ春の系外銀河の作品を目指す事にしました。
これが現在のVC200Lのガイドシステムです。
鏡筒バンド・マルチプレートをタカハシ純正品に替えた事から、主鏡・ガイド鏡筒の固定強度は最高と思われます。
この中で問題になるとしたら・・
①
ガイド鏡が赤道儀の回転軸から遠く、駆動伝達の俊敏性に劣る、及び振動(ブレ)が発生しやすい。
②
ガイド鏡を支持するガイドマウント(ミザール製)がスプリング構造の為、荷重で変化のおそれ。
この2つの問題を解決すべく、手持ち機材でいろいろやってみました。
マルチプレートのサイド45度の部分に加工してなんとか取りつけてみました。
固定強度は問題無さそうなのですが・・
スライドバーで最大にずらしてもガイド鏡側が重く、バランスはとれませんでした。
次にやってみたのが、重量では少し軽くなるスーパーボールヘッド(スターベース製)への変更。
これは微動ができない代わりに広い範囲に向きを変えられ、固定もガッチリです。
残念ながら、これでもガイド鏡側が重すぎました。 そこで登場させたのが・・
アリミゾからバンドに替えてから暇を持て余していたマルチプレート(スターベース製)。
かわいそうに、今回はバランスウエイトとして登場です。
良く見ると、このマルチプレートには他にも穴がいくつか。
グッドデザイン賞はもはや望むべくも無く。
ならばと・・
斜め前方に取り付けました。
これにより、過度の尻重のVC200Lの鏡筒バランスも兼ねることができました。
これがバッドデザイン賞に成り下がってしまった、新しいガイドシステムです。
(これでもクランプフリーで、どんな向きにでも止まってくれます。)
題して 『
プレート45度張り出し・斜め前方回転ひねりウエイト
ガイドシステム
』 です。
そして忘れてはいけない
安全第一!
これをしないと、
雲上
(くもがみ)
の頭に穴が開くのは時間の問題でした。
================================================
明日はこのガイドシステムで本番となるでしょうか。
かわいそうに、また雪にうもれた庭のふきのとうです。
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これは魔物では無く、風の仕業?
2015年03月24日
|
それでも星は流れる
( これは前回記事
の続きです。 )
23日夜、3度目の検証できりん座の
NGC2403
を撮影したとあと
カメラモニターで確認したところ、どうやら今回は魔物は現れなかったようです。
その後23時頃には全天 雲に覆われたのですが、これはGPV予報通り。
予報では日が替わった1時頃からふたたび晴れるとの事。
そして予報通り星が見え始めました。
待機している間に次の撮影対象を決めておきました。
それは
しし座の銀河トリオ
ただ、予想とは違って少し雲があります。それもかなり早く流れています。
そのうち
防犯灯隠し竿
が風にあおられて防犯灯の灯りがモロに鏡筒に。
バターン! わっ
灯火遮蔽パネルA,B
とも風で倒れた!
(パネルは変形)
パタパタピューン、あっ
系外銀河導入Map
が飛んでった。
(なんとか回収できました)
あとでわかったのですが、GPV予報では雲が切れるころには風速7m/sの風が吹く予報になっていました。
どうも南風が吹いたようで気温が一時的に5度ほど急上昇していました。
撮影時は外気温、カメラ冷却温度は記録するようにしています
結局パネル類は撤収して撮影を行いました。
結果はすべての画像で赤経(西から東へ)方向に大きく流れていました。
もっとも風が強かったころのPHDグラフです。
15分露光 5枚の流れです。
右は5枚の画像(合計75分)をそのまま比較明で重ねたものです。
75分間で約38画素も流れていました。
それでも画像処理してみました。
しし座の銀河トリオ
( 画像クリックで元画像の25%まで拡大 )
( 上が北の方向 )
撮影DATA(抜粋)
:
2015/ 3/ 22am
00:41’~ Vixen
VC200L
+レデューサ
(合成f=
1,278
mm F
6.4
)
露出
15
分×5 枚
ISO
1600
Cooled 60D (気温9℃ 冷却 -9℃) ガイド鏡GS-60S 他は前回と同様
このあと弱い風はまだ残っていたのですが、北天の
M101銀河
を朝まで撮影しました。
雲があるようには見えないのですが、透明度は更に悪化しました。
15分露光 8枚の流れです。
右は8枚の画像(合計120分)をそのまま比較明で重ねたものです。
2時間でなんと西から東へ約78画素も流れていました。
15分露光で10画素も流れてしまっては到底作品にはなりません。
M101
回転花火銀河
(おおぐま座)
( 画像クリックで元画像の25%まで拡大 )
( 上が北の方向 )
撮影DATA(抜粋)
:
2015/ 3/ 22am
02:42’~ Vixen
VC200L
+レデューサ
(合成f=
1,278
mm F
6.4
)
露出
15
分×8 枚
ISO
1600
Cooled 60D (気温5.5℃ 冷却 -11℃) ガイド鏡GS-60S 他は前回と同様
この画像のガイドデータです。
縦軸のスケールのケタがこれまでとは大違いに。
PHD2のガイドグラフでは健闘しているのに、実際の画像で大きく流れている。
風で星がブレるのは当然だが、どんどん流れていくのはなぜ?
風がガイド鏡筒かVC200L鏡筒のいずれかの向きを変化させているのか?
たわみにしては大き過ぎるこの流れはなんなのか?
風の無い日に再度検証してみます。
================================================
先ほどファンヒータの給油で外に出たら道路が白くなっていました。
これから2,3日は雪マークが出ています。
今回の新月期も成果なしで終わりそうです。
500本を超えるこれまでの全記事リストは、
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雲上
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C11鏡筒のラスボスは”結露”、月明りの中で対策検証(その1)
さすけ/
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雲上(くもがみ)/
自宅で撮った紫金山・アトラス彗星(10月14日)
さすけ/
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