雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

こらえきれずに、アンドロメダ大星雲(2枚モザイク)

2015年09月30日 | 天体写真(系外銀河)
いつのまにかアンドロメダ大銀河と呼ばれるようになったM31(昔は" 大星雲 "だった)
毎年撮っているのですが、今年はR200SSの2枚モザイクで全景を撮ると決めて
南中後に露光時間がかせげる10月に予定していたのですが、
どうも今年の天気はあてにならないので、こらえきれずに21日夜に撮ってしまいました。
各モザイクの総露光時間は2時間は欲しいところですが、薄明まで撮っても80分にとどまりました。

アンドロメダ大銀河 M31 
( 画像クリックで元画像の25%まで拡大 )
北部と南部を別に撮ってモザイク結合(左右を少しトリミング)
( 上が北の方向 )
撮影DATA: 2015/ 9/ 22am (南部)01:14’~ (北部)02:43’~ Vixen R200SS+コマコレクタPH(合成f=760mm F3.8
露出 北部・南部 共 20分×4枚 ISO 800 Cooled 60D (気温17℃ 冷却 -4℃)
 ガイド鏡GS-60S タカハシ EM-200 Temma2M PHD2 ステライメージ7 マイクロソフト I.C.Eでモザイク結合
ちなみにモザイク結合前の画像は以下の北部と南部になります。
( 各 画像クリックで元画像の30%まで拡大 ) ノートリミング
 
今までに比べて総露光時間も少な目で、わずか(?)4枚を重ねただけですが、
あまりノイズが気にならないのは低感度設定(ISO800)に変えた効果もあるのでは?
それと謎の光条は残っているものの、コレクターPHによって切れ味も向上しています。

総露光時間の不足については 今後も機会を見て撮り貯め、とりあえず総露光時間10時間を目指します。
撮り貯めた画像をどんどん重ねていくことによって、どんな姿が見えてくるか楽しみです。

撮影中のおりおんショットになります。
撮影DATA(抜粋): TAMRON Zoom(f17mmF2.8) 30sec×11枚 kissDX(SEO-SP2)

さんかく座のM33は画像に収まりませんでしたが(画像の更に上の方)、同じレンズで撮った別の画像では・・
TAMRON Zoom(f50mmF2.8) 3分×5枚
前のおりおんショットと向きは合わせてあります

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27日の中秋の名月は運よく撮ることができました。
次は月明りが弱くなる下弦の月の頃には
晴れてくれるといいなぁ。

家の東側につき まだ撮れないのですが、朝方オリオンが上ってくるようになりました。

雲上くもがみ
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なぜ晴れる? 「中秋の名月」3年連続撮影。

2015年09月28日 | 天体写真(月・惑星・彗星)
昨日はニュースを見て「中秋の名月」である事を思い出したのですが、
予報では雲が無いのはせいぜい午後9時頃まで。
早めの夕方に撮るとなると、まだ高度が低いためいつもの裏口では無く玄関前になります。

時々は雲に隠れたりしたのですが、夕食をそっちのけで早い時間に撮影を完了する事ができました。


中秋の名月 2015 
( 画像クリックで元画像の30%まで拡大 )2分割して撮ってモザイク結合
( 上が北の方向 )
撮影DATA: 2015/ 9/ 27 19:25’~ Vixen VC200L(f=1800mm F
露出 2分割 共 1/320秒×26枚  ISO 400 Cooled 60D (冷却 オフ)
 タカハシ EM-200 Temma2M Avistack マイクロソフト I.C.Eでモザイク結合

中秋の名月の撮影は今年で3年連続になりますが、このところまともに星が撮れないのに
なぜ中秋の名月はいつも晴れるのかが不思議です。

今年の撮影は失敗でした。
当初はFIL改造してないkissX2で撮る予定だったのですが、
直前になって画素数の多いCooled60Dに変更しました。
問題は後で気が付いたのですが、光害カットフィルタを付けたまま撮影したため
カラーバランスがくずれ、結局モノクロにして処理しました。
結果としては昨年、一昨年撮ったものの方がましでした。

中秋の名月 2014
撮影DATAおよび掲載記事は  こちら

中秋の名月 2013
撮影DATAおよび掲載記事は  こちら

ほんとは月の無い夜に晴れて欲しいのですが・・


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撮影は短時間に終わったのに画像処理で
2時頃までかかりました。
その大半の時間は、月の画像処理に使っているAvistackが、
すぐにメモリー不足になるため、
あらかじめ撮影画像全てを2分割してサイズを小さくする作業に費やされています。
処理が終わった後で再びモザイク結合を行っています。

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COCOON (まゆ)星雲で若返り?

2015年09月25日 | 天体写真(星雲・星団)
R200SSのコレクターPHで発生している謎の光条の問題が解決しないままに、
21日夜半過ぎに撮った画像を まだお見せしていませんでした。
今回はGPV予報通り23時過ぎに雲が無くなって撮ったコクーン星雲(和名まゆ星雲)です。

コクーン(まゆ)星雲 IC 5146 (はくちょう座)
( 画像クリックで元画像の30%まで拡大 ) ノートリミング
( 上が北の方向 )
撮影DATA: 2015/ 9/ 21 23:45’~ Vixen R200SS+コマコレクタPH(合成f=760mm F3.8) 露出20分×4枚 ISO 800
Cooled 60D (気温18℃ 冷却 -3℃)  ガイド鏡GS-60S タカハシ EM-200 Temma2M PHD2 ステライメージ7
縮小してあるため目立ちませんが、明るい星には" キ "の字の光条と、暗い星は上下にずれて長細くなっています。

ブログタイトルは昔見た「COCOON」というSFファンタジー映画からひねりました。
( たしか養老院の老人たちが宇宙から飛来したまゆ状の物体(生命体だったかな?)にふれて若返るといったものでした。)
わたしも2年前に応募した「ビクセンギャラリー」で初めて入賞したのが「コクーン星雲」でした。
入賞以降、がぜん元気とやる気が出たのはいうまでもありません。
入賞関連記事は→ こちら

撮影中のおりおんショットです。
さすがにまゆ星雲まではわかりませんが、拡大すると星雲からたなびく暗黒の帯がなんとかわかります。

昨年は持っているもう一本の反射鏡筒VC200Lにレデュサーをつけて、少し拡大して撮影しています。
( 画像クリックで全体画像を表示 )
謎の光条は見当たりませんが、一年前は東西方向(画面の左右方向)にガイドエラーがあり星が流れています。

夏の星座「はくちょう座」が西に傾くのが早くなってきました。
めったに晴れない星空がもったいないので、コンパクト赤道儀TOAST Proも持ち出して撮りました。
TOAST Proで撮った はくちょう座
撮影DATA(抜粋): TamronZoom(f17mmF2.8) 3分×4 ISO1600 kissDX(SEO-SP2) TOAST Pro
* フラット画像を撮っていないため、四隅の落ち込みが補正できません。

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コレクターPHの謎の光条の原因が、やわな「直焦ワイドアダプター60」
と決まった訳ではありませんが、代わりになるものを探しています。
いっささんからの情報もあり、BORGのパーツを調べたのですがあと一パーツが見つかりません。
ビクセンからは事前予告されている改善されたワイドアダプタの発売時期の情報は未だありません。
特注で造ってもらうしかないかな。

雲上くもがみ
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この キ 、なんの キ 、気に・・ (コレクタPHと謎の光条)

2015年09月23日 | 機材
おとといの夜(21日)はGPV予報通り23時を過ぎたころから雲が無くなり、
その後 朝まで撮影することができました。
その成果については後日ブログ掲載いたします。

今回は7月にビクセンR200SS用高性能で高価なコレクターPHを購入して以降、
悩まされ続けている謎の光条について報告いたします。

( 画像クリックで等倍の切りだし画像を表示 )
上の画像はおとといの夜に撮影した処理前の1枚画像(20分露光)の一部分を切り取ったものです。

横構図(下が北)で撮影したものですが、明るい星に”キ ”の字の光条が発生しています。
(タテ構図では光条の方向が90度回転する。)
やっかいなのは、明るい星の光条だけでなく 星像すべてにズレが発生して、
まるでガイドエラーによる流れのようになっている事。
(ガイドエラーによる流れは1枚当たり1画素程度しかありません。)

これまでブログに掲載した完成画像は縮小してあるためあまり目立ちませんが、
せっかくの高性能なコレクターの能力を台無しにしかねないものです。

新しいコマコレクターPHを使い始めてから起きた現象だったため、
最初は”ハズレ”のコレクターが届いたのではないかと思いました。
しかしタテ構図にすると光条の向きも変わることから、コレクターは
「推定無罪」ということに。


コレクターをネジ込むことでカメラと一体化。
コレクターに原因があれば、一体となっているカメラを回転させても問題の光条の方向は変わらないはず。

そこで最初にやったことはR200SS鏡筒の光軸調整。
これは6月に主鏡を洗った際にも行っているのですが、
今回は これまでやらなかった斜鏡の傾き調整も行いました。
当然そのためには封印してあったシールをはがす事が必要。
・・・
右はシールをはがして斜鏡の調整が済んだところ
一度はがすとやっかいと思って避けてきたのですが、はがすのが大変なほど
粘着力のある厚いシールで、作業終了後再びくっつける事ができました。

光軸の確認にはレーザーコリメーターを使ったのですが、
芯ずれが少なそうな2インチ/36mmアダプターに挿入して行いました。

主な手順としては
1.レーザー光が主鏡のセンターに来るよう、斜鏡のネジで調整。
シールがなかなかはがれないため、カッターナイフで無理やり、傷だらけに。

2.主鏡で反射して戻ってきたレーザー光がコリメーターの中心に来るよう主鏡のネジで調整。
主鏡を洗った際に貼りつけたセンターマーク(穴あきパッチ)がレーザー光を反射してくれないことに初めて気づく。

3.接眼部から見て、接眼筒・斜鏡・主鏡の中心が大きくずれていない事を確認。
コンパクトデジカメLUMIXの鏡胴が、ちょうど2インチで接眼筒にジャストフィット。
購入時からなのですが、斜鏡の位置がオフセットと逆の方向にずれているような気が・・

初めて 斜鏡の傾きも含めた光軸調整を行ったのですが、
これで謎の光条が無くなるという確信はありませんでした。
それというのも、
前回記事に掲載しましたが画像内の星像がすべて同じ方向にズレて写るというのは、
例えばカメラが光軸に対して傾いて取り付けられ、その結果 内蔵している光害カットフィルタなどで
星像が屈折してズレて写るなんて理屈もありそうです。

更にネット検索で気になったのが9月13日の星空日誌|天体写真の世界のブログ の中で、
ビクセンの高級屈折鏡筒VSD100で直焦ワイドアダプターがスケアリング(平面性)のズレを起こしている
可能性を指摘されていました。
Tリング装着部にガタがある上、ネジを切ってあるリングが薄く 強く締めるとネジ山が壊れそう。
カメラを付けるとボデーが干渉して固定ネジが2本しか使えないなど問題が山積み。

R200SS購入時は純正のコマコレクター3 だったので 直焦ワイドアダプターを使っていたのですが、
カメラ取り付け部が弱く、カメラ落下の危険もあったためネジ頭の大きいものを購入しています。

そう言われてみれば、コマコレクターPHを購入する前はバーダー社の物を長く使用していたのですが、
こちらは直焦ワイドアダプターを使用しません。(だから謎の光条が発生しなかった?)

以上から、この時点で考えられる「謎の光条」の容疑者
光軸調整不良によるもの
直焦ワイドアダプターのガタなどによるカメラ取り付け部のスケアリングの問題
主鏡固定のネジによる圧迫・ひずみ (注)
(注.主鏡を洗った後、取り付けの際にネジを締め付け過ぎたのでは・・というもの)

そして、推定無罪ではありますが・・ コレクターPHに起因するもの

なんとか 容疑者を絞り込みたいと考えていたのですが、その機会が訪れました。
20日夕方、雲が出るまでの短い時間でしたが検証することができました。
光軸調整を行ったあとの光条の検証です。

■ コマコレクタと光害カットフィルタを装着 ■
横構図だったのですが、なぜか横方向にズレが発生。
(これまでも同じ横構図でも光条が横ズレになる事があり)
いずれにしろ光軸調整の効果は無かったようです。

■ 光害カットフィルタだけを装着 ■
コレクターPHを取り外して撮影したものです。
コレクターを外しても謎の光条が発生しているということは、コレクターPHの「無罪確定」か。

■ 光害カットフィルタも取り外し ■
なんということでしょう。
謎の光条が消えたように見えませんか。
という事は、光害カットFILに星像のズレを起こさせているものがいるという事。

検証を行う前、月が見えていたのでコマコレクターPHと光害カットフィルタを装着したまま、
更にCanonのx2エクステンダを付けて撮影してみました。
拡大してみると上下方向にクレーターが色ずれを起こしているのがわかります。

実は以前 ビクセンから、直焦ワイドアダプターを強化・改善した「直焦ワイドアダプターDX」なるものが
発売される予定になっていました。
ビクセンでも高性能屈折VSD100などの販売を契機に、その性能を発揮させるには
アダプター類の精度の向上も必要な事を自覚していたのかも知れません。
私も首を長くして待っているのですが、未だ発売されていません。
コマコレクターPHの性能を発揮できない原因が「直焦ワイドアダプター」と確定した訳ではありませんが、
先日ビクセンにこの事象の報告と、改善されたアダプターの早期供給の要望を送りました。


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強化された「直焦ワイドアダプターDX」が発売されたら
すべて問題解決、という単純な問題ではなさそうなので、
無駄な抵抗かもしれませんが改善策を検討してみます。
光害カットフィルタを使用しないで撮影というのは、
団地内につき難しいでしょう。(高価なFILだし・・)

皆さんからのアドバイスもお待ちしてます。

問題は解決していませんが、21日夜は後半晴れてくれたので撮影できました。

雲上くもがみ
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系外銀河No.2(?) さんかく座 M33

2015年09月20日 | 天体写真(系外銀河)
11日夜に撮った画像ストックの最後はさんかく座のM33銀河です。
アンドロメダ大銀河M31も今年はまだ撮ってないのですがこれは2枚モザイクで撮りたいため、
もう少し露光時間がかせげる早い時刻に南中する時期までおあづけ。

さんかく座の銀河 M33
( 画像クリックで元画像の25%まで拡大 ) ノートリミング
( 上が北の方向 )
撮影DATA: 2015/ 9/ 12am 02:26’~ Vixen R200SS+コマコレクタPH(合成f=760mm F3.8) 露出20分×4枚 ISO 800
Cooled 60D (気温17℃ 冷却 -2℃)  ガイド鏡GS-60S タカハシ EM-200 Temma2M PHD2 ステライメージ7

M33は北天ではアンドロメダ大銀河M31に次いで大きな銀河ですが、意外に淡く難しい撮影対象です。
せめて薄明が始まるまで2時間は露光したかったのですが、
途中で雲が出てしまい1時間余りで終了となりました。
下の画像は撮影中のショットですが、M31に比べてとても淡い事がよくわかります。

このM33は2年前にもR200SS(今回とは別のコマコレクター)で撮っていましたので、
サイズを合わせてコンポジット(重ね合わせ)してみました。
合計の総露光時間は320分となります。
総露光時間5時間オーバーの効果は出たでしょうか?

日周運動のため一晩で5時間露光は難しいですが、数年かければ24時間露光も現実のものとなります。
相手は数百年経ってもほとんど変わらない天体写真ならではの話です。

R200SS+コマコレクタPHでのBest画像はまだ得られていません。
星の追尾が完璧になったのに、光条がタテ方向にズレて2本出る現象が続いています。
今夜、星が見えればその原因を検証して見る予定ですが・・(雲が出る予報)

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作品は無理でも雲の切れ間から星さえ顔を出せば、
”キ ”の字の光条の原因切り分けくらいはできるので
一応機材を設営しておくことにします。
今年もこの時期、我が家の庭にヒガン花が

雲上くもがみ
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