雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

導入10分、露光10分(γCyg付近)

2015年07月31日 | 天体写真(星雲・星団)
満月期につき新たな撮影はできていないのですが、21日にオメガ星雲の後に撮った
わずか10分露光一枚の画像です。

γ Cyg付近 (はくちょう座)
( 画像クリックで元画像の25%拡大 ) ノートリミング
( 上が北の方向 )
撮影DATA: 2015/ 7/ 22am 01:24’~ Vixen R200SS+コマコレクタPH(合成f=760mm F3.8) 露出10分×1枚 ISO 800
Cooled 60D (気温25℃ 冷却 +1.5℃)  ガイド鏡GS-60S タカハシ EM-200 Temma2M PHD2 ステライメージ7

下の画像は昨年7月に撮った、ISO1600で5分露光12枚コンポジットしたものです。
昨年の記事・撮影データは こちら

ISO感度を考慮すれば、昨年の画像のわずか1/12の露光時間の割には、なんとか見れると思いません?
その大きな理由がISO感度800に下げた事による低ノイズの効用ではないかと考えています。
今後も明るいR200SS+コレクタPH(F3.8)ではISO800で行きます。

わずか10分で導入・撮影開始できたのに、10分露光一枚しか撮れなかった理由です。
道路側スロープで撮影開始してすぐに電線群を横切り、オートガイドができなくなりました。
ついでにこの夜撮った、夏の大三角形です。

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10分露光で良いなら自動導入で一晩20タイトルは
いけそうなんですが・・・
「かたてま野菜」も残すところ、こくうまトマトと
オクラにピーマンだけになりました。

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モザイクが増える予感 (北アメリカとペリカン星雲)

2015年07月29日 | 天体写真(星雲・星団)
25日夜 飲み会から帰って、徹夜でコレクタPHの検証を行った夜に撮った北アメリカ星雲です。

北アメリカ星雲 南部 (はくちょう座)
( 画像クリックで元画像の35%まで拡大 ) ノートリミング
( 上が北の方向 )
撮影DATA: 2015/ 7/ 26am 02:08’~ Vixen R200SS+コマコレクタPH(合成f=760mm F3.8) 露出10分×4枚 ISO 800
Cooled 60D (気温27℃ 冷却 +3℃)  ガイド鏡GS-60S タカハシ EM-200 Temma2M PHD2 ステライメージ7
酒がかなり残っていた中での検証疲れのせいか、最初の一枚をISO6400で撮影したりしましたが、
検証の甲斐あってR200SSもコレクターPHも、メーカー送りせずに済みました。

撮影中のおりおんショットです。
透明度の悪い空でしたが、検証が目的だったため設営しました。

前回記事で 隣りのペリカン星雲を撮っていたことを思い出し、モザイク結合をやってみました。

( 画像クリックで元画像の20%まで拡大 )
Microsoft I.C.E でモザイク結合
拡大して見ると、大阪のオバちゃんにどやさられているペリカン君、眼力では負けていません。
しかし両者の間に はじける火花(輝星)の位置を見ると・・やはりペリカン君押され気味か?(笑)

これからは自動導入によりモザイク撮影がお手軽にできそうです。

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順番が逆になりましたが、Temma2M購入のため
下取りに出す機材が昨日旅立って行きました。
私がまだ20代だった頃に買ったものも・・
可愛がってくれる 新しいご主人様に巡りあえますように。

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これじゃほんとのコレクター (3個目の コレクターPH)

2015年07月27日 | 機材
前回記事 で出題した「画質改善のためのプラスアルファ」 の答えの一つは、
Vixen純正 R200SS用の コレクターPH でした。

R200SS鏡筒を本格的なアストログラフに変身させる高性能補正レンズ」 というふれこみや、
ビクセンがやっと本気をだした」 などとも言われ、
この事はR200SS鏡筒価格の約半分という価格設定からも伝わってきます。
正式な販売は8月6日なのですが、数量限定で先行販売されていたものを入手しました。
(Temma2M購入以来、このところ金銭感覚が麻痺していました。)

歴代のR200SS用のコマコレクタ本体の記念写真です。
鏡筒およびカメラに装着するためのアダプタ、Tリングを付けた状態です。

購入前に、コレクターPHの鏡胴が長くてバランスがくずれるのではと心配したのですが・・

接眼部にすっぽり収まるため、その心配は無用でした。
ただ、最初に挿入したとき途中でひっかかってしまい、
一度Tリングのネジをゆるめて、装着してからネジを締め直しました。
光軸ズレを防ぐためか接眼部内径ピッタリのサイズで作られているようです。

肝心の画像がどの程度のものか? ですが、前回記事と同じ夜に撮った「ペリカン星雲」で
以前撮った画像と比較してみました。

ペリカン星雲 (はくちょう座)
( 画像クリックで元画像の35%まで拡大 ) ノートリミング
( 上が北の方向 )
撮影DATA: 2015/ 7/ 22am 01:50’~ Vixen R200SS+コマコレクタPH(合成f=760mm F3.8) 露出10分×5枚 ISO 800
Cooled 60D (気温28℃ 冷却 +2.5℃)  ガイド鏡GS-60S タカハシ EM-200 Temma2M PHD2 ステライメージ7

処理後の画像では星像が補正されてしまうため、処理前の一枚画像で比較します。
枠内を拡大した画像です。
横に星像が流れているように見えますが、撮影画像5枚の星の位置データ、PHD2グラフから、たわみによる流れ、ガイドブレは少なかった事がわかっています。

続いて昨年7月20日に撮った一枚画像です。(R200SS+MPCC EM-200USDを使用)
枠内を拡大した画像です。

比較して見ると明らかにコレクターPHの星像の方が切れ味がするどい事がわかります。
しかし! その分星像のブレ(?)が余計目立ちます。
この前に撮った「干潟星雲」「オメガ星雲」でも、ここまでひどくないのですが、やはり星像のブレがありました。

はずれ”を引いたのでは?
そう思って、ビクセンのHPの問い合わせコーナーに画像を添付して投稿しました。
ビクセンからの返答は早かったのですが、原因としては
コレクターの他に鏡筒の光軸ズレも考えられるのでR200SS鏡筒も着払いで送ってほしいとの内容でした。
R200SS鏡筒まで送るとなると撮影に支障が出るため、
こちらでも可能な原因の切り分けを行ってから送る事にしました。
切り分けの方法としては、画角を回転させて星像の変化を調べる事で。

25日夜、職場のOB会で飲んで帰ると星が見えていたため、
酒が残っていたのですが徹夜で検証を敢行。
その結果は・・・
検証画像だけで記事一本分あるのですが、ここは結論だけを報告します。

原因はコレクタPH本体にでは無く、鏡筒・カメラへの取り付け精度(平行度)の問題のようです。
そこで別のTリングに付け替えて、昨夜月明かりの中で再検証してみました。

球状星団 M13 (ヘルクレス座)
( 画像クリックで元画像の35%まで拡大 ) ノートリミング
( 上が北の方向 *元画像を180°回転しています。)
撮影DATA: 2015/ 7/ 26 22:19’~ Vixen R200SS+コマコレクタPH(合成f=760mm F3.8) 露出8分 2分×各4枚 ISO 800
Cooled 60D (気温26℃ 冷却 +3℃)  ガイド鏡GS-60S タカハシ EM-200 Temma2M PHD2 ステライメージ7
中央のM13の等倍切りだし画像です。
年老いた黄色い星の集団の中に、若い青い星が混じっているのがわかります
星像のエリア別拡大画像は省略しますが、
処理前の画像でも左側で星が少し楕円になっている程度の、ほぼ完ぺきな星像が得られました。

一応、昨夜月明かりの中でのおりおんショットです。
日が替わる前に雲が出たので、撤収しました。

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一時は鏡筒まで送ってしまったらどうなるんだ!
と思ったのですが、・・良かった。
ただ、このコレクターかなりデリケートなようです。
コレクターが3本も揃いましたが、コレクター(収集家)ではないので
前の2本とは安心してお別れする予定です。


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干潟 と オメガ星雲 自動導入+α(アルファ) 実践編(2)

2015年07月24日 | 機材
<前回記事> では 自動導入の手順の紹介が中心になったため、
検証で撮影した画像は一枚だけしかお見せできませんでした。
そこで今回はその後撮った南天の二つの赤い星雲をお見せします。
いずれも自動導入の検証用に撮ったもので、合計露光時間もわずか(?)40分程度ですが、
今回から採用した+α(アルファ)の成果もあり、なんとか見れるものになりました。

干潟星雲 M8 (いて座)
( 画像クリックで元画像の35%まで拡大 ) ノートリミング
( 上が北の方向 )
撮影DATA: 2015/ 7/ 21 23:11’~ Vixen R200SS+コマコレクタPH(合成f=760mm F3.8) 露出8分×5枚 ISO 800
Cooled 60D (気温25℃ 冷却 +3℃)  ガイド鏡GS-60S タカハシ EM-200 Temma2M PHD2 ステライメージ7

中心部の切りだし画像です。
( クリックで更に元画像の70%まで拡大表示されます。)

撮影中のおりおんショット2枚です。

自宅での南天の空としては[ 中上 ]といった夜でした。

干潟星雲の撮影が終了したわずか8分後に、撮影開始できたオメガ星雲です。

オメガ星雲 M17 (いて座)
( 画像クリックで元画像の35%まで拡大 ) ノートリミング
( 上が北の方向 )
撮影DATA: 2015/ 7/ 22am 00:00’~ Vixen R200SS+コマコレクタPH(合成f=760mm F3.8) 露出8分×5枚 ISO 800
Cooled 60D (気温25℃ 冷却 +3℃)  ガイド鏡GS-60S タカハシ EM-200 Temma2M PHD2 ステライメージ7
これまでは、撮影対象の導入から構図決めまで1時間近くかかっていたことを考えると・・・

中心部の切りだし画像です。
( クリックで更に元画像の70%まで拡大表示されます。)
拡大してみると、星がタテ方向に伸びています。
これはタワミによる流れでも、ブレでもないようです。  では 何?
それは次回以降の記事の中で。

皆さんに 問題です
記事タイトルにある自動導入以外の新しく採用したプラス アルファとは何でしょう?
前回の記事内容や今回の撮影DATAの中にもヒントが隠されています。
撮影の効率化で1件、画像改善で2件あります。

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問題に正解しても粗品も出ない事を承知のうえで、
コメントでの回答お待ちしています。(笑)

まもなく下取り(購入が先行しましたが)に出す機材とお別れ。
機材置き場の洋間が少しスッキリします。

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自動導入+α(アルファ)  Temma2M実践編(1)

2015年07月22日 | 機材
ガイド用カメラSSAGを新しいノートPCにインストールできない問題は残っていますが、
自動導入で撮影ができる環境が整いました。
そこで いつ晴れてもいいように、実際の手順にそってシミュレーションを行ってみました。
事前検討で、自動導入だけでなく カメラの遠隔操作が可能になるEOS Utilityも使う事にしました。
カメラの遠隔操作ができれば、「乾囲送兵衛」で覆った状態でもライブビューやTST撮影が可能になります。

以下がその手順になります。
実は 昨夜久しぶりに星が見え、実際に自動導入の検証を行う事ができました。
その検証結果についても必要により追記してあります。
昨夜の撮影風景、撮影画像の一部を記事の最後に掲載しておきました。

連日酷暑なのですが、頑張って設営しました。(右はICが組み込まれた変換ケーブル)
このほかにもデジカメの冷却関連の配線が必要なのですが、シミュレーションでは省略しました。
実際の配線図はチラシの裏になぐり書きですが下図になります。
図には書いてありませんが、更に EOS Utility の配線が加わります。

新しく買ったノートPCのステラナビを立ち上げます

.設定 メニュー/アニメーション・設定で、「内部時計リアルタイム」で[アニメ実行]をクリックします。
その時点の星空の位置関係を把握していないと、望遠鏡の動きの予想がつきません。

.ツール メニュー/望遠鏡コントロール で、メーカー・望遠鏡を選択します。
COMポートの[確認]でデバイスマネージャーが開いて自分でも確認できます。
[接続]をクリックします。(望遠鏡から応答がないとエラー表示あり)
続いて[日時・場所を送信]をクリック。
[閉じる]をクリック。

.コントロールBOXが表示されますので、北極の軸に向かって鏡筒が東・西 どちら側にあるか選択します。
続いて[天頂]ボタンを押すのですが、マニュアルではおおよそでいいので鏡筒を真上に向けておくとありましたが、
望遠鏡にとって最初の重要な位置データのはずなので、水準器できちっと合わせておきました。

[天頂]ボタンを押すと、星図の天頂の位置に位置マーカーが表示されます。

.アライメントを行うために、明るい基準星を選んで(「天体情報」を表示)、[導入]をクリックします。
鏡筒と星図上の位置マーカーが基準星に向かって移動します。
( 結構 力強くて速いのでちょっとこわいが、かっこいい。 )

.ここで基準星が写野の中心にあるか確認するために EOS Utility を立ち上げます
(以前ならカメラのモニターでライブビューを確認。)
これも新しいノートを使います。「カメラの設定/リモート撮影」をクリック。
( 昨夜の実検証でカメラがスリープ状態だと反応しないという事がわかった。)

「ライブビュー撮影」クリックでライブビュー画像表示。
基準星を確認して、中心付近に持ってくる。
昨夜の実検証では水準器を使っても基準星は入っていませんでした!
望遠レンズならまだしも、1000mm近い直接焦点では誤差が大きすぎる様です。
結局、望遠鏡のファイダーをたよりに近くにあった基準星を捕まえました。
実は前からファイダー合わせが大変で、自動導入で基準星が入ってくれれば
それで合わせようと思っていたのに、ガッカリです。

.基準星を写野の中心に持ってこれたら、[同期]を押します。
これ以降は、導入精度がぐっと高くなりました。

.更に導入精度を上げるため、別の基準星でもアライメントを行う。
だいたい基準星は画像の中心付近にありました。

最後は実際に撮影する写真角を指定して、導入は終了です。

大事なピント合わせ(バーティノフマスクを使用)をどこで行うかですが、
昨夜は最初の明るい基準星で行いました。

私の場合はこのあと、オートガイドを行うために古いノートのPHD2を立ち上げます。
昨夜感心したのは、Temma2Mが位置情報を赤道儀の電源を切らない限り覚えている事。
つまり導入用のPCの電源を落としても、再度「接続」すると現在位置が表示されます。
どんどん新しい撮影対象に移動できます。これはありがたい。

例によって ブログにあるまじき長さになっておりますが、昨夜の撮影風景と
自動導入で最初に撮った画像を編集後記の後に、掲載しておきます。

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昨夜は運良く雲が切れて自動導入の検証ができました。
自動導入できたので できるだけたくさん撮りたかったのですが、
途中で雲や電線に邪魔されて目標の10タイトルには遠く及ばず。
暑くて日中は画像処理できませんのでそのうちにお見せします。

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昨夜の撮影風景です。
ほんとに、ノートパソコン2台使ってるでしょ。(PC画面ははめ込み合成です)

続いて、自動導入で最初に撮った総露光時間32分の画像です。

アンタレスと球状星団M4 (さそり座)
( 画像クリックで元画像の35%まで拡大 ) ノートリミング
( 上が北の方向 )
撮影DATA: 2015/ 7/ 21 22:17’~ Vixen R200SS+コマコレクタPH(合成f=780mm F3.9) 露出8分×4枚 ISO 800
Cooled 60D (気温25℃ 冷却 +4℃)  ガイド鏡GS-60S タカハシ EM-200 Temma2M PHD2 ステライメージ7

撮影時の高度は20度を切っていました。
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