雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

わたしの画像処理手順(ステライメージ7)

2016年08月30日 | 画像処理のはなし
先日 天体写真を再開して以来お世話になっている『星のふるさと館』 のHOSOYAさんから
画像処理方法について質問をいただきました。
質問内容は、改造カメラでのカラーバランスのくずれをどうやって補正しているのか?
というものだったのですが、
どうせなら という事で実際の画像処理の手順を記録したものを作成してお渡ししました。

ブログ掲載できる撮影画像も底を尽きましたので、この時作成した画像処理手順を掲載したいと思います。
あくまで自己流のステライメージ7中心の画像処理手順・方法になります。

手順 0 撮影画像の確認 (canon DPP)

手順 1 共通ダーク/フラット補正 (ステライメージ7)
わたしの場合、ダークファイル・フラットファイルは事前に作成したものを使用しています

手順 2 ホット/クールピクセル除去 (ステライメージ7)
冷却デジカメでもホットピクセルは目立つ様に思います

手順 3 ベイヤー・RGB変換 (ステライメージ7)
これでカメラ改造や光害カットフィルタで くずれたホワイトバランスがほぼ調整できます

手順 4 コンポジット(自動位置合わせ) (ステライメージ7)
自動位置合わせ後の「併進ずれ」量はガイドエラーの量でもあります

手順 5_1 レベル調整 [調整 前] (ステライメージ7)
手順 5_2 レベル調整 [調整 後] (ステライメージ7) ↓
ここでは レベル表示巾を変えているだけで元画像データは変わっていません

手順 6 周辺減光/カブリ補正 (ステライメージ7)
今回はフラットファイル処理を行っているため「周辺減光」補正は行いませんでした
「周辺減光」補正方法については ⇒ こちら

手順 7 デジタル現像 (ステライメージ7)
デフォルトの値は「手順 5 レベル調整」で設定した値です

手順 8_1 トーンカーブ [調整 前] (ステライメージ7)
手順 8_2 トーンカーブ [調整 後] (ステライメージ7) ↓
気を付けないと背景のカラーバランスがくずれてしまいます

手順 9 スターシャープ (ステライメージ7)
スターシャープは背景のザラつきを緩和する効果もあることを確認しています

手順 10_1 選択マスク作成 (ステライメージ7)
「マルチバンドシャープ」 で使用します。
手順 10_2 選択マスク作成 (ステライメージ7) ↓  
手順 10_3 選択マスク(レベル強調) (ステライメージ7) ↓

これだけでは明るい星まで除外されますので、明るい星のみの画像と比較明で重ねます
関連記事については ⇒ こちら

手順 10_4 選択マスク設定・反転 (ステライメージ7) ↓
「星雲フィルタ」ではなく、「星マスク」として使っています

手順 11 マルチバンドシャープ(マスク処理) (ステライメージ7)
「しきい値」で効果のおよぶレベル範囲を指定します
処理した画像はTIF 形式で保存します。

手順 12 彩度強調・RGB補正 (canon DPP)
最後にcanonDPP で彩度強調、およびRGB曲線でホワイトバランス補正を行って完成
このほかに、フラット処理で残ったゴミのかげりなどはPaint Shop Proという古いソフトを使って処理しています。

記事に使った処理手順の完成画像はこちら

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ステライメージ7 は現在のわたしのメイン処理ソフトです。
正しい手順かどうかはわかりませんので、あくまで参考にということで。
明日は台風10号も日本海に抜け、台風一過を期待しているのですが、
変則台風につきどうなりますやら。

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未掲載には理由がある(スクラップ画像3態)

2016年08月27日 | 天体写真(流星群・星野写真)
月も下弦を過ぎたので夏から秋の対象を撮影したいところですが、
台風がらみの天気で今しばらくは無理のようです。

そこで今回は、理由(わけ)あってブログ掲載しなかった撮影画像でしのぐこととします。
いずれも今月ペルセウス座流星群のピークの前々日・前日に撮ったものです。

はくちょう座 ( 北部 )
( 画像クリックで元画像の30%サイズで表示します )
撮影DATA: 2016/ 8/11am 1:46’~  TAMRON Zoom(f=50mm F
露出 3分×2枚+5分×6枚 ISO 1600 LPS-P2FIL Cooled 60D (冷却 オフ)  ToastPro ステライメージ7
未掲載だった理由) 期待のできる予報では無かったが、寝る前に雲が切れていたので急遽撮影。
1時間も待たずに雲が出たためペルセウス流星群の写り込みも無く撤収。


上弦の月 ( 月齢8.6 )
( 画像クリックで元画像の20%サイズで表示します )
撮影DATA: 2016/ 8/11 20:06’~  Vixen VC200L+canon 2.0x(合成f=3,600mm F18) 露出 1/50秒×20枚x3モザイク
 ISO 800 kiss X2 (未改造)  タカハシ EM-200 Temma2M AviStackでコンポジット マイクロソフト I.C.Eでモザイク結合
夜明けを迎えている「直線の壁」付近 のトリミング画像です。 ↓
未掲載だった理由) この夜のメインはペルセウス座流星群(極大日前日)だったのですが、
月が沈むまでの時間つぶしに撮ったもので、ピントの追い込みが甘かった。(又はシィーング不良?)


ペルセ群 極大日前夜
( 画像クリックで元画像の30%サイズで表示します )
背景画像60枚コンポジットしたものに、流星切りだし画像6枚を比較明合成
撮影DATA: 2016/ 8/12am 2:39’~ TAMRON Zoom (f=17mm F2.8 ) 露出 1分×60枚
 ISO 1600 LPS-P2FIL kissDX (SEO-SP2)  ToastPro ステライメージ7
未掲載だった理由) この夜の流星群3カット目だったのですが、画面中央に明るい流星が流れず
この前に撮った 2カットの画像 のみブログ掲載しました。

結局、スクラップ画像も無駄にしない雲上(くもがみ)なのでありました。

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Uターンしてくる台風ってありなの?

30日朝のGPV予報 台風10号はこのあと北に進路を変え本州横断する予報
これで大きな被害が出たら笑いごとではありません。

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もうこれ以上は無理? 亜鈴状星雲M27

2016年08月24日 | 天体写真(星雲・星団)
今年は珍しく「ペルセウス座流星群」の夜に天候に恵まれました。
( 全国的には雲が多かったようですが、そんな時に限って不思議と越後は晴れます。 )
特に極大日前日の11日の夜は透明度にも恵まれました。
その時撮った流星群の記事は ⇒ こちら

タイマーリモコンで流星群の撮影を開始したのは月が沈んでからだったのですが、
貴重な星空がもったいなくて、並行してVC200Lの長焦点で星雲の撮影も行いました。
その時に撮影したこぎつね座のあれい状星雲です。

M27 あれい状 星雲  (こぎつね座) 
( 画像クリックで元画像の30%で表示 )
( 上 が北の方角 )
撮影DATA: 2016/ 8/11 23:52’~  Vixen VC200Lf=1,800mm F
露出 20分×11枚 ISO 1600 LPS-P2FIL Cooled 60D (外気温24~22℃冷却+3℃)  タカハシ EM-200 Temma2M
マイクロガイドスコープ 60 ToupCam PHD2Guiding ステライメージ7
レデューサーなしで撮ったため、ノートリミングでも見栄えのする大きさになっています。
更に星雲部分をトリミングしてみました。 ↓
流星群の撮影を行いながら薄明までそのまま撮り続けた結果、総露光時間は3時間を越えました。
星雲の淡い外縁部も写っていますが、HST画像を見てもこの星雲はのっぺりした印象で
現在のわたしの撮影機材ではこの辺が限界かなと思います。

亜鈴状星雲中心部のHST画像です ↑

星雲撮影中のおりおんショットです。 ↓
( 画像クリックで星座線入りで表示します )
光害のほかにも頭上の電線群など、自宅撮影は邪魔者がいっぱいあります

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あと未掲載のスクラップ画像が残っているのですが、
月もまもなく下弦を過ぎますので晴れてほしいです。

ヒュンヒュン百合(高砂百合)の最盛期は過ぎましたが、朝顔ネットからも顔を出しています

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ギブアップするしかないのか、アイリス星雲 自宅撮影。

2016年08月22日 | 天体写真(星雲・星団)
今月6日夜、南中を過ぎるまで待ってアイリス星雲の撮影を開始したのは日が替わってからでした。
( 画像クリックで星座線入りで表示します )
右側が直江津市街および公園の灯火によって明るくカブっています
北天のケフェウス座にあるこの星雲の中心部は名前の通りアヤメを連想できるほど明るめなのですが、
それを取り巻く淡いガス雲も写すべく これまでも何度か挑戦しています。
しかし未だ 「天体アルバム」 に登録できるような画像には程遠いものばかり。
過去の撮影記事は → こちら

この夜は透明度が前回より悪かったので、その分 感度を下げて薄明まで撮り続ける事で総露光時間を増やしました。
しかし、その結果は・・

アイリス星雲  (ケフェウス座) 
( 画像クリックで元画像の25%で表示 )
( 上 が北の方角 ) 
撮影DATA: 2016/ 8/ 7am 00:36’~  Vixen R200SS + コマコレクターPH (f=760mm F3.8 )
露出 15分×12枚 ISO 800 LPS-P2FIL Cooled 60D (外気温26℃ 冷却+7℃)  タカハシ EM-200 Temma2M
マイクロガイドスコープ 60 ToupCam PHD2Guiding ステライメージ7
星団中心部のトリミング画像です。 
薄明まで3時間も露光したのに、周囲の淡いガス雲はさっぱりです。
おまけに淡い部分を無理やり出そうとした結果、背景むらが カブリかガスかわからくなってしまいました。

今回の撮影に使った導入用Mapです。 ↓
とても2枚モザイクができる画像レベルではありませんでした

透明度の良い秋の夜に再挑戦するか、自宅撮影では無理とあきらめるか・・

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連日の猛暑で、既に夏枯れ状態なのですが
両親が残した鉢植えが実を付けてるのを見つけました。
リンゴなのか梨なのか 食べて見ればわかるのですが、かわいそうで・・

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時間つなぎに散開星団M11(野鴨星雲)

2016年08月19日 | 天体写真(星雲・星団)
(お詫び).記事タイトルの「野鴨星雲」は「野鴨星団」の誤りでした。

今月6日夜、南天のM16イーグル星雲を撮り終えたのは23時。
このあとの薄明までの時間を、周辺部が淡くていまだ満足な画像が得られていない
ケフェゥス座のアイリス星雲 の撮影にあてる事にしていました。
ただアイリス星雲の南中は23時46分とまだ時間があったため、
短時間で撮れる散開星団の中で、たて座のM11を選んで撮影しました。

M11(野鴨星団) 付近  (たて座) 
( 画像クリックで元画像の30%で表示 )
( 上 が北の方角 ) 
撮影DATA: 2016/ 8/ 6 23:04’~  Vixen R200SS + コマコレクターPH (f=760mm F3.8 )
露出 8分×8枚 ISO 800 LPS-P2FIL Cooled 60D (外気温26℃ 冷却+7℃)  タカハシ EM-200 Temma2M
マイクロガイドスコープ 60 ToupCam PHD2Guiding ステライメージ7
星団中心部のトリミング画像です。 
この散開星団は鴨が群れているようだとして、英語で Wild Duck Cluster と呼ばれ
和訳では「野鴨星団」になるのですが、この星の集まりを”鴨の群れ”に見立てる事ができません。

前日と2夜連続してR200SS鏡筒+コマコレクターPHで撮影を行ったのですが、
これまでの取り組みの成果も検証する事ができました。

検証1.光軸調整結果の検証
4月に本腰を入れてR200SSの光軸調整を行ってから、始めての撮影になります。
関連記事はこちら → 「わたしはこれで光軸調整を極めた(・・と思う)[R200SS編]」
まだ星像が右側に比べて左側が横にぶれる傾向にありますが、光軸調整前に比べて大きく改善されました。
ピント位置によっては右側が縦にぶれるので、
左右のぶれが目立たない中間のピント位置に調整しています。
(このぶれは斜鏡支持金具の干渉によるものと思われ、金具の平行度の狂いなら光軸調整では解消できないかも?)

検証2.オートガイド精度の検証
ガイド鏡の軽量化・支持方法などの改善を行ってきました。
ステライメージ7のバッチ/コンポジット/自動位置合わせ の結果です ↑
f=760mmで64分間(8分×8枚)露光のガイドエラーはわずか1画素程度に収まっています。

今回のおりおんショットは変わり映えしないので省略しましたが、
代わりに5月に撮ったいて座南中時の南天の空を。
( 画像クリックで星座線入りで表示 )
2016/ 5/13am TAMRON Zoom f24mm F3.5 3min×6 ISO1600 kissDX

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このあと挑戦したアイリス星雲を含め、ストックはあと2枚。
下弦の月の頃にはまた晴れて欲しいです。

雲上くもがみ
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