雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

フルサイズに長焦点はアリなのか?

2018年06月28日 | 天体写真よろず話
先日フルサイズの EOS 6D(HKIR 改造)と (改)ヨンニッパレンズ で
やっとまともな撮影ができたのですが 今は満月期でしばらく撮影はお休み。
そこでフルサイズの写野角に合わせた撮影用導入Mapづくりをやっています。

これまでのAPS-Cサイズ用の導入Mapは ほぼ作成済みでした。↓
フルサイズカメラの写野は以前の約2.5倍の広さになりましたので、
フルサイズカメラで撮影のための導入Mapを作り直す必要がありました。
新しい導入Mapの一例です。↓
(SCo) さそり座東部 [NFD400] (タテ) by 6D
黄色の枠線は比較のため 以前のAPS-Cの写野(x2モザイク)を表示したもの
同じレンズ(鏡筒)なら以前の倍以上の範囲を写せる事がわかります。

作成していく中で気が付いたのですが、
写野が広がったことにより これまでモザイク撮影が必要だったものが
1ショットでおさまるようになった対象も確かにあるのですが、
そもそも そのように大きくて見栄えのする対象は案外少ないのです。
夏の星座でいえば
さそり座
へびつかい座
いて座
はくちょう座
天の川領域 および 散光星雲(暗黒星雲)が中心になります。
新しく作成したフルサイズ用 導入Mapの一部

暗い空を求めて遠征して 分子雲でも狙うならまだしも
自宅の庭で ヨンニッパレンズの広い写野を満たす対象は一部の星座・領域に限られます。
また せっかく撮っても大幅にトリミングするのならフルサイズカメラを買った意味がありません。
となると、やや小さめの対象でも長焦点で拡大してフルサイズで撮るのはどうか?
たとえば私の手持ち鏡筒でいうと
これまで ヨンニッパ(APS-C) で撮っていた対象を R200SS+ コレクターPH (フルサイズ) で
(Cyg) クレセント星雲 [R200SS+PH] (ヨコ) by 6D
(お詫び:上の導入MapでR200SS + コ レクターPH の焦点距離は860mmではなく、正しくは760mmです )
焦点距離が倍以上のため、写野は少し狭くなるのですが
口径が大きいため光学的分解能が向上
画素数は1割増だが拡大した分 画像解像度も向上?
( 画素数 60D ・・・1790万   6D ・・・2000万 )

更に長焦点なら
R200SS+ コレクターPH(APS-C) で撮っていた対象を VC200L+ レデユーサーHD (フルサイズ) で
(Cyg) まゆ星雲 [VC200L+PHレデューサーHD] (ヨコ) by 6D
(お詫び:上の導入MapでR200SS + コ レクターPH の焦点距離は860mmではなく、正しくは760mmです )
どちらも口径は20㎝と同じので分解能は変わらないのですが、
描画画素数の増と拡大撮影による画像解像度の向上が期待できそう。
問題はR200SS(F3.8)に比べて暗いため(F6.9)、3倍余の露光時間が必要になること。
ISO感度を上げて露光時間の短縮を図る事になります。

もしEOS 6D のノイズ特性が格段に優れ ISO 6400 でも実用可能なら
これまで VC200L+ レデユーサーHD(APS-C) で撮っていた対象を
VC200L( レデユーサーなし) (フルサイズ) で も アリ かも。
(Tri) M33銀河 [VC200L] (タテ) by 6D
この焦点距離でもフルサイズで画になるのは 系外銀河では他にM31くらいか
ISO 6400 が可能だとしても1枚15分以上の露光時間が望ましい。
f = 1,800mm の長時間ガイドも高いハードルとなるので、
実際にチャレンジすることがあるのかどうか?

欲張っても この先 そんなには晴れてくれそうにないので、
まずは APS-Cでモザイク撮影としていた対象からでも撮り始めますか。

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我が家の『かたてま野菜』 先日カラスにやられました。
いつものことですが、もう少し丁寧に食べたらどうだ!
あわててネットを張ったのでもう大丈夫でしょう。
キューリの背丈が低いの気になりますが、収穫が始まりました。

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夏至の夜、やっとフルサイズのすごさを体験。

2018年06月22日 | 天体写真(星雲・星団)
フルサイズの EOS 6D (HKIR改造) が届いてから早3週間。
ダメ元で何度も挑戦するも こんな時はGPV雲予報が当たって 未だ鳴かず飛ばず。

そんな昨夜(21日)は最終予報では22時ころから雲が切れそう。
早々風呂に入り身構えていたのですが、時間になっても月すら見えないドン曇り。
当初は薄雲ならばVC200L と CMOSカメラで木星・土星・火星の三惑星を狙う予定でした。
設営を取りやめて、パジャマに着替えて うっかりうたた寝。
目を覚ましたのは0時過ぎ。
念のため寝る前にお空の確認。
雲が切れかかっていたので、迷った末に設営開始。
木星は大きく西に傾き、三惑星は無理なので月が沈んだあとの南天の星雲狙いで
(改) ヨンニッパレンズで設営しました。

さそりのカラフルエリアは4時間も前に南中して低空の雲に入るところ、
同じくカラフルな干潟星雲付近も下手をすると雲が上がってくるかも ・・
用心して少し高いバンビの横顔 付近に決めました。

オメガ星雲(M17)と バンビの横顔 (いて座)
ノートリミング ( 画像クリックで元画像の25%表示 フルサイズなので今までより大き目 )
( 上 が 北 になります )
撮影DATA : 2018/ 6/22am 01:00’~  canon (改)NFD400mm F2.8(手製絞りF4)
露出 7.5分 × 分 ×  ISO 3200 LPS-D2 FIL EOS 6D (HKIR改造)
タカハシ EM-200 Temma2M マイクロガイドスコープ 60 ToupCam ステラショット ステライメージ7
上の画像は拡大しても元画像の1/16 の大きさにしかなりません。
フルサイズの大きさを実感してもらうため、一部分を等倍で切り出してみました。
( 画像クリックで等倍画像まで拡大できます )
M17オメガ星雲 付近

バンビの目 付近

ゴーストの発生を防ぐため前面保護ガラスを取り外した(改)ヨンニッパレンズ、
高価なタカハシFSQ鏡筒に迫るといったら大げさでしょうか?(大げさです !

結局、この夏至の短い夜も 空が白む前に雲が邪魔して早めの撤収となりました。
一タイトルだけでも撮れて良かった。

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いつもは徹夜で撮影した後は寝る前に機材を片付けるのですが、
この夜の撤収はまだ2時過ぎでしたので、睡眠を優先して
後片付けは起きてからにしました。
赤道儀、三脚は夜のうちに趣味室に格納

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もう我慢できない! 雲があっても撮る。

2018年06月20日 | 機材
昼間は雲一つない青空、それなのに夜になるとGPV予報通り雲が出る
そんな繰り返しで今月も新月期が終わります。

昨夜(18日)も夕方まではつい期待してしまう空模様だったので、
予報が外れる事に期待して設営しました。
電柱の「 防犯灯隠し箱 」の改良により 光漏れはほとんどなくなりました
夕食をすませ、薄明が終わる21時ころにはいつのまにか薄雲が出てきました。
本命のさそり座頭部が南中するまでまだ時間があります。
そこで時間つぶしに西に傾いたおとめ座の銀河を。
まだ月は沈んでなくて、おまけに薄雲がだんだん広がってきました

実質20分程度で雲が厚くなって断念したおとめ座銀河団の広域画像です。
マルカリアンチェーン 周辺 (おとめ座)
ノートリミング ( 画像クリックで元画像の20%表示 フルサイズなので今までよりやや大き目 )
( 上 が 北 になります )
撮影DATA : 2018/ 6/18 20:53’~  canon (改)NFD400mm F2.8(手製絞りF4)
露出 分 × 7.5 ISO 3200 LPS-D2 FIL EOS 6D (HKIR改造)
タカハシ EM-200 Temma2M マイクロガイドスコープ 60 ToupCam ステラショット ステライメージ7
当初は1分×8枚、7.5分×8枚撮る予定でしたが1分露光を終えたころには雲が濃くなって
しばらく迷ったのですがあきらめて終了。

フルサイズカメラで大幅に縮小することになったので、
マルカリアンチェーン中心部のトリミング画像をお見せします。
( これでも50%縮小してあります )

さそり座が南中するのを待って撮影を始めたのですが・・
1分露光4枚撮ったところで、アンタレスも見えなくなって撤収しました。
画像処理する気はなかったのですが、他にお見せできるものも無いので
うす雲ありで、わずか総露光時間4分の画像です。
アンタレス 付近 (さそり座)
ノートリミング ( 画像クリックで元画像の20%表示 )
( 上 が 北 になります )
撮影DATA : 2018/ 6/18 20:53’~  canon (改)NFD400mm F2.8(手製絞りF4)
露出 分 × 他のデータは同じ
正直言って、こんなひどい空でわずか4分では もっと汚い画になると思っていました。
我が家の庭でも、もう少しましな空でこの20倍近い露光をかければ
カラフルエリアといえる画像も撮れそうです。
無論、ノイズが目立たないのはフルサイズカメラの恩恵だというのは百も承知ですが。

( ただ次の新月期になると南中時間が更に早くなるし・・今年は無理かな? )

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防犯灯隠し箱 』 を改良しました。
これで底部からの光漏れが大幅に減少しました。
一晩中かぶせておいても全く熱をもたないのがLEDならでは。
( ただし、明るさセンサーのある正面はふさがないように。 ふさぐと・・)

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(改) ヨンニッパ 出撃準備は整っているのに ・・

2018年06月16日 | 機材
購入したフルサイズ一眼の能力を発揮するのは やはり単焦点だろうということで、
ここは(ヨンニッパレンズの晴れ舞台とすべく準備を進めておりました。
R200SS用鏡筒バンドを利用した「 O軸ガイドSYS ] 久々の登場です

このレンズの口径はなんと140mm以上あります、中古で見つけて衝動買いしたものです
左奥は結露防止もかねた 自作F4絞り、左手前はヨンニッパ用 自作バーティノフマスク
)と名付けたのは、このレンズは「天体写真用」としては前面の2枚の保護用平面レンズで
ゴーストが発生するするとの情報を見つけて 工具も自作して平面レンズを取り外してあるから。
関連の過去記事は →  こちら (2015/11/18)

他に 気になっていたのが 光害カットフィルターをどうするかだったのですが、
ラッキーでした。
R200SSのコマコレクターPH 及びVC200LのレデユーサーHDに装着するために買った
LPS-D2(52mmΦ) がアダプター内に装着できました。
アダプターはサンニッパとも共用しているため、そちらもOKという事に。

次の問題
この時期 フルサイズカメラとヨンニッパで何を狙うかといえば
やはり南天のさそり座や いて座の星雲でしょう。
現在の設置場所は真南に防犯灯が付いた電柱があり、
これまでも南の対象を撮るときは道路側に設置していました。
昨年のリフォームの際に撮影に邪魔だった柿の木を切ったため、
今は直線距離で5mほど遠くなるだけで済みます。
ただ ステラショットで室内から遠隔撮影するとなるとUSB2.0の配線長制限5mが問題に。
現在すでに室内のPCから三脚のUSB-HUBまで3m+2mで5m。
調べたところリピーターケーブルを使えば通信距離が伸ばせるとの事。
購入したリピーターケーブル(5m) ¥ 2,130
本番でダメでは困るので、室内で検証して正常に制御できることを確認しました。

その後、本日に至るまで星空に恵まれずにいるのですが
7日の夜 モヤっぽい空でしたが 設置から撮影まで含めた実地演習(?)を行いました。
ケーブル接続は(手前から)
デスクトップPC(室内)
USBリピーターケーブル (5m)
USB延長ケーブル (3m)
USB-HUB (セルフパワー 1.5m)(三脚基部)
USB-HUB (1m)(鏡筒バンド部)
リアルタイムで調整の必要な初期導入・ピント合わせ・カメラ傾き調整だけは
屋外にノートPCを持ち出して行い、
あとはケーブルをつなぎ替えて室内からステラショットで撮影まで快適にできました。

この夜はさそり座がなんとか確認できるかという空でした。
電柱のLED防犯灯には 『防犯灯隠し箱』 をかぶせてあります
防犯灯隠し箱 』 の底部からまだ光漏れがありましたので、昨日 追加の対策を行いました。

実はこの夜 さそり座のアンタレス付近の撮影も行っているのですが、
星がひどくにじんでしまって お見せできるものではありません。
既に新月を過ぎたのに、この先も週間予報は絶望的です。

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我が家の「 かたてま野菜 」 初収穫はズッキーニだろう と思っていたのですが、
畑の草取りをしていたらキューリの葉の影に2本
カラスに先を越されなくて良かった。

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光害カットフィルターと ホワイトバランス (訂正とお詫びも兼ねて)

2018年06月13日 | 機材
当初は 前回記事
わたしがいまだフルサイズ初ショットをお見せできない理由
の続編にする予定でしたが、
わたしの早合点から、新しく購入したハ〇タカメララボのEOS 6D( HKIR 改造済み)
光害カットフィルターLPS-D2 の組み合わせだと
『 極端にホワイトバランスがくずれてしまって、画像処理にも悪影響が出る 』
という誤った結論を書いてしまいました。
あらためて 訂正とお詫びを申し上げます

前回記事の青味の強い画像一覧はcanon D.P.P のものですが、
撮影時のホワイトバランス設定 ”マニュアル” を反映したものでした。
ハ〇タカメララボのHKIR改造では 追加フィルターなしであらかじめプリセットされた
”マニュアル” のホワイトバランス設定で一般の撮影も可能となっています。
わたしもカメラが届いたあと さっそく検証しています。
夕方6時半頃のRAWモードで撮影、canon D.P.Pでホワイトバランス設定したもの
昼間 肉眼で見た色合いは ”オート” が近いのですが、撮影時間は夕方で青みがかるはずなので、
プリセットされたマニュアルのホワイトバランスは有効なようです。

わたしが勘違いしてしまった画像です。
D.P.Pのホワイトバランスが ”マニュアル” 設定になっていることに気づかず表示したLPS-D2フィルター画像
ただ ”マニュアル” 設定がHKIR改造の補正用だとしたら これもまちがいとは・・
そこで深入りし過ぎないよう注意しながら検証してみました。

ホワイトバランス とは 本来 ”白い”ものが、光源が変っても ”白く”見えるよう 補正する事
の ようです。

まずは ”白いもの光源 として、
フラット画像の取得に使っている 障子紙室内のLED照明で。
検証用のに使った鏡筒は 今後フルサイズで活躍してもらう予定のヨンニッパレンズ
検証したカメラは全部で4台。
( 購入した順に )
・ EOS kiss DX( 改造 SEO-SP2 ) 
・ EOS kiss X2 ( 無改造 )
Cooled 60D( 冷却改造 SEO-SP4 ) 
・ EOS 6D( 改造 HKIR ) 
光源となるLED照明の色調(可変)は 『最も白い色』 にしました。

まずは 未改造の kiss X2 を基準にしようと
撮影画像(RAW)をステライメージ7で ベイヤー・RGB変換をかけたところ、
早くも考えが甘かった事に気づかされました。
未改造のカメラ(フィルター無し)で、白い光源で白い紙ならホワイトバランスがとれてるいるはず ・・
なのですが、結果は基準のG: 1.0 に対して R: 1.53 B: 1.25 という結果でした。
ホワイトバランスがとれているなら R,G,B とも 1.0 になるのではと単純に考えていました。
冷静に考えてみれば受光素子は波長により感度に差があり、
おまけにカラー化するために素子の前面に微小な R,G,B フィルターが置かれています。
したがって均一な白い光を受光したとしても R,G,B の重みづけは必須です。

となると、受光部の異なるカメラ機種ごとに基準となるホワイトバランス値が異なるのでは・・

ここで もうやめようかと思ったのですが、ここまでかなりの時間を費やしたので
未改造の kiss X2 のホワイトバランス値を適用してみました。
その一部になります。
ステライメージ7 でベイヤー・RGB変換したTIFF画像をDPPで検証。
(ISO感度400・シャッター速度1/10秒は同じRAW画像)



くたびれてしまったので分析はしませんが、
青みがかった画像とはずいぶんちがった結果となりました。
またR,G,Bもそんなには乖離していないようです。
検証方法が当たらずも遠からずなら、めでたしめでたし なのですが。

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前回の記事で誤った内容を書いてしまったので、
焦ってしまって結局深入りしてしまいました。
また思い違いをしていなければいいのですが。

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