雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

続・撮れないので、いろいろやっています。

2015年11月29日 | 天体写真よろず話
満月を過ぎ 月が徐々に欠けているようですが、
月すら見る事のできない天気が続いています。
週間予報でもわが越後はずっと曇りか雨。
それでも残りの年内に一、二夜くらいは星が撮れる夜もあろうかと
撮影スケジュール表を作ってみました。

これまでもGPV予報 で星が見えそうな事がわかると、
その都度、ステラナビで撮影候補の南中時刻と高度を調べてプランを立てていました。
一対象に2時間くらいの露光時間をかける事から、一晩に3,4タイトルしか撮れませんが、
問題は自宅撮影の制約から南中後の対象しか撮れず、それもできるだけ高度の高いうちに撮りたい事。
その都度作成するプランでは天候の変化に柔軟に対応できません。
そこで使い捨ての手書きプランでは無く、いつでも使える汎用性のあるものを作る事に。
以下はその作成手順です。

1.エクセルでスケジュール表の枠を作成します
作成したものを画面コピーしてネガに反転して保存します。

2.ステラナビから撮影候補の時刻毎の高度を調べて、撮影対象のグラフを追加記入
今回は以前の記事で選択したヨンニッパ(改)の撮影対象で作成
撮影可能になる12月の下弦の月の期日で作成
これでも役に立つのですが、せっかく苦労して作った図を有効に使う方法を考えました。

3.ステライメージで、完成したスケジュール表からスケジュール枠を「減算」。
その結果、スケジュール枠が消え撮影対象のグラフが取り出せるので保存。

4.保存した対象のグラフとスケジュール表枠を「比較明」合成して、
作成希望の期日のスケジュールを作成する。
(表示例は1月の新月期で作成したもの)
具体的には
①.作成したい期日の南中時刻をステラナビで調べる。(対象の中の一つだけで良い)
②.ステライメージで、保存した対象のグラフとスケジュール表枠を「比較明」合成で表示。
③.調べた南中時刻に合うようステライメージでグラフのX軸をずらす。

南中時刻は段々早くなり、作成した対象は左にずれていきます。
そこで新たに春の対象を別に作成して、同じように合成すれば
さらにその先のスケジュールも作成できると思います。

前回の記事で手製フードF4用でも結露が発生していた事がわかったため、
こちらにも乾燥空気送り込み用のゴムチューブを取り付けました。
( 左 が今回撮りつけた F4用、右 が F3.2用の露除けフード )

もうずいぶん撮影できていません。
何かお見せするものは無いかと探したところ・・
3日夜に月が高くなって撮影はしなかった20秒露光の導入確認用画像が。
↑ ペルセウス座 二重星団

↑ オリオン大星雲
それぞれR200SS+PHで導入確認のためISO3200で撮った1枚画像です。
導入したのに撮らなかったのは月明かりの他に、
翌日移動性高気圧の通過で晴れるのがわかっていたから。(体力温存)

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26日の朝、おもしろい雲が出ていたので撮ってみました。
( クリックで拡大 )

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撮れないので、いろいろやっています。

2015年11月27日 | 機材
もう雪国の冬がそこまで来ています。
今日は今季初めてのあられが降りました。
見えなかったのですが昨夜が満月のようですので、
次に撮影できるとしたら来月3日の下弦の月あたりからです。
そんな訳でいろいろ時間をつぶしながら、期待しないで待つ事とします。

先日 古いヨンニッパレンズの前面保護ガラスを外しての検証結果が良好だったので、
12月の貴重な1,2夜(?)の晴れ間はヨンニッパでの撮影になると思います。
今年1月のヨンニッパでの撮影風景
実はヨンニッパと言いながら、開放F2.8で140mmを越える大口径レンズを
結露防止を兼ねた自作フードでF4相当に絞っています。
これはFSQ130をFSQ106として使っているようなもので、あまりに勿体無い。
と いう事で昨年はF3.2用の自作フードも作っています。
秋口では曇る事は無かったのですが、今年1月の放射冷却で冷えた夜に・・
F4用の自作フードを装着したヨンニッパレンズと、右は霜が降りた赤道儀の三脚部。
撮り終わった後に確認してみると、レンズ表面に着いた露が薄く凍っていました。
やはり湿度が高くて気温が下がる雪国の冬には、湿気を紙に吸収させる自作フードでは心配です。
ましてフード内部の肉厚の薄いF3.2用は無理と判断していました。
ところが、先日の前面保護レンズを外した事により、まだ未検証なのですが
F3.2でも画質が大巾に向上するのでは、という期待が出てきました。
そこでフード内に乾燥空気を送り込んだらどうかと・・
変な光条が出ないようにフード内を切り取ってゴムチューブを埋め込みました。

右側のF4用に比べて、肉厚が薄く結露対策で頼りない事がわかります。

フード内に装着した状態です。

カメラ右横の変なものは、冷却による結露でカメラがダウンする事を防ぐためかぶせる「乾囲送兵衛」の箱です。
冷却デジカメ(Cooled60D)の結露防止も必要なため、2分岐で乾燥空気を送りこみます。

年内は乾燥空気無しのF4用の露除けフードを使い、
1月の厳冬期に入ったらF3.2用に乾燥空気を送り込んで検証してみたいと思います。

乾燥材も準備万端です。
左が火にかける前の湿ったもの、右がガスコンロで10分後のもの。
使っている乾燥剤は「ナニワゲル」という再利用が可能なエコなものです。

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寒くても星が見えるなら、きっとガマンできるのですが、
越後の冬は踏んだり、蹴ったりです。
あられが降って一時道路が白くなりました

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天体写真ブログはマイナーか?(ブログ開設4年目に)

2015年11月25日 | 天体写真よろず話
早いもので、この11月でブログを開設してから四年目に入りました。
ブログ開設は無料でできたのですが、天体写真をメインのブログで
容量制限3GBでは不安があったため有料会員になってスタートしました。
有料会員になると保存容量が飛躍的に増える(1024GB)他に
記事別に閲覧数の内訳がわかる等の特典もあります。

今回はこれまで3年分のそれらのデータを分析して見る事にしました。
やたらと数字が並ぶと、すぐグラフにしてみたくなる性分です。

3年間の閲覧数・訪問者数の推移
ブログを開設したのは 2012年11月15日 でした
ありがたいことに、開設5か月後の4月には1日平均の訪問者数200人を越えています。
現在でも一日の訪問者数が200人を越えれば喜んでいるのですが、
データ分析の結果、それはブログ開設してじきに達成できていたことがわかります。
別の言い方をすれば、それ以降の2年半は増えるわけでも無く、頭打ちのまま現在に至っています。
次に閲覧数ですが、閲覧ブラウザの内訳から その半分近くは検索ロボットからのものである事がわかりました。
上のグラフの(実)閲覧数とは、それら検索ロボットなどからの閲覧数を差し引いたものです。
閲覧数はこの3年間でずいぶん増えたと喜んでいたのですが、
それは検索ロボットの巡回が増えただけで、(実)閲覧数はさほど増えていない事がわかりました。

閲覧数の内訳( ブラウザ別 )
先月10月の閲覧数の内訳を調べたものです。
左表のGooglebot以降が検索ロボットと思われます。
検索ロボット以外のブラウザはわずか4割程度になってしまいますが、
その中でもスマホ、タブレットなどの携帯端末向けのものが増えてきました。

パソコンから、スマホ・タブレットへ
ブログを開設した当時はパソコンからの閲覧を想定していました。
それが今では携帯端末用と思われるブラウザからの閲覧が増えてきました。
( わたしは未だパソコンとガラ携ですが・・)
開設以来、撮影した天体写真はできるだけ大きな画像で見てもらう事を心掛けてきたのですが、
小さい画面で見られれている人にストレスを与えていないか心配になってきました。
それでも現時点での画像データの使用量を見ると・・
3年間でまだ0.1%しか使っていません。(つまり後3千年分は残っています。)

これ以上、データを並べても付き合っていただけないと思うので、
この辺で、今回の記事タイトルの答えをまとめると

天体写真ブログはマイナーである。
どのくらいマイナーかを、わたしも参加している にほんブログ村 で見てみると
『写真』ブログ参加者が 33,028に対して、
その中の「天体写真」ジャンルはわずか 146
最近増えているのではと思っていた「星景写真」は 120
ダメ押しで、誰もが多いだろうと予想できる『ペット(犬)』 56,847の中の
「秋田犬」 180にも負けております。

それでもわずか146の「天体写真」の記事ランキングで上位に入ると、
33,028の「写真」の記事ランキングでも上位に入っている事が珍しくありません。
つまり少人数ながらも、熱いメンバーが多いのが特徴のようです。

問題は、わたしを含めて高齢者が多そうな事。
天体写真の将来が心配です。

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このブログで681本目の記事になりますが、
今回の記事タイトルは2年前にも使っております。
( いくら多くなっても不思議と使ったタイトル名は覚えております。)
下弦の月になるまで、まだ一週間以上あります。

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FSQを超えたか!?(ヨンニッパ(改) 検証その2)

2015年11月23日 | 機材
20日夜、ヨンニッパ(改) でとりあえず上弦過ぎの月を撮ったあと、
月明かりの空で西に傾いたベガとデネブで検証してみました。
いつものようにパソコン2台体制で検証しました。( 上のPCでカメラ制御と自動導入、下のPCは自動ガイド 専用)
肉眼では気が付かなかったのですが、写真に撮るとずいぶん雲がありますね。(10秒露光)

こと座ベガの60秒露光(ISO 800)の画像です。
( 画像クリックで元画像の20%表示 )
元画像は月明かりで明るいため、見やすいように表示レベル調整のみ行っています。
20%の拡大ではわかりづらいので、等倍で中央、4隅の星像を見ると・・
ちょー気持ちいい!! 四隅もまんまる

ついでに、以前気になっていた明るい星のゴーストもチェック。
( 画像クリックで元画像の20%表示 )
フラット処理なしの1枚画像のため、下端にミラーBOXによるカゲりが発生しています。
端の方に はくちょう座のデネブを入れて撮った2分露光(ISO 800)の画像でも、
ゴーストは発生していないようです。

ヨンニッパの前面ガラスを外した効果が確認できて気を良くしたついでに、
月明かりの中で星雲を撮って見る事にしました。
月明かりでまともな画像は無理なので、おりおんショットもソフトフィルターなしの手抜き。

選んだのは、大きいけど淡いケフェウス座の散光星雲 IC1396
通常F4でISO800なら良い時で20分露光も可能な自宅撮影なのですが、
TST撮影では月明かりで3分から5分といったところでした。

雲で中止するまでの総露光時間わずか34分を無理やり処理した画像です。
( 右が北の方向 ) 
フラット未作成のため変なカゲりが発生しています。(右下のカゲりは改造元で冷却の結露対策強化した以降に発生)
撮影DATA: 2015/11/20 21:34’~ canon NFD400mmF2.8手製絞り F相当 * 前面保護ガラス取り外し) 露出 分×3枚分×5枚
 ISO 800 Cooled 60D (気温9℃ 冷却 オフ)  ガイド鏡GS-60S タカハシ EM-200 Temma2M PHD2 ステライメージ7
他にお見せできるものがないので、最初に横構図で撮った3分6枚の画像も重ねてみました。

これで、まともな空だったら・・(わくわく)

ところで 記事タイトルのFSQを超えたか!? (注) という点ですが、
(注).当初は「FSQに近づいたか?」だったのですが、山口のじぃさま からの助言で変更しました。
残念ながら、このレンズ発売当時は世界に誇れる明るい高性能レンズだったのですが、
それは今から34年も前の話。
おまけにプロ用ではあっても、天体写真用のレンズではありません。
今回も撮影した元画像を拡大して見ると・・
( 画像クリックで20%の全体画像を表示 )
( 中央付近の等倍トリミング画像 )
ジャスピン状態で、明るい星や赤色系の星の周囲に赤いにじみが発生しています。
この辺は天体写真専用に作られた現在のFSQにはかないません。
ただ処理を行った後の画像では・・
( 画像クリックで一回り大きい等倍画像を表示 )
赤色系の星では赤いにじみが残りますが、星像自体が小さいため許容できる範囲だと思います。

あとひとつ、前面保護ガラスを外した事による効果の確認 ですが、
下の画像は14日の記事でもお見せした今年1月にヨンニッパで撮った
まがたま星雲の元画像中心付近の等倍トリミングです。
( 画像クリックで20%の全体画像を表示 )
今回撮った星像に比べると、ピンボケみたいですが、
直前に撮ったバーティノフマスク画像からジャスピンであることを確認済。
これが保護用に入れてあった2枚の平面ガラスでの往復反射によるボケだと思います。
皮肉なことに、赤いにじみまでボケて目立たなくなっています。

日中に雨があったため湿度が高く機材はビショぬれでしたが、
今回も露除けフード(F4用)のガードはバッチリでした。

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検証はこのくらいで、早く本番で撮ってみたい。
ただじきに満月なので、
一週間以上は待たなくてはなりません。
ほんとに、にっくき月です。
ずっと朝食を彩ってくれた 「こくうまトマト」ともお別れです。

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ヨンニッパ(改)、最初に撮った月で 期待”大”。

2015年11月21日 | 機材
昨夜(20日)は久しぶりに雲が切れて、上弦過ぎの月が見えていました。
星が見えるなら、先日前面保護ガラスを外したヨンニッパ(改)の検証を行いたいのですが、
月が明るすぎます。
予報は思わしくなかったのですが、月が低くなった後に期待して設営しました。

月が明るいので、まだ防犯灯隠し竿は取り付けていません。

ヨンニッパの前面保護ガラスを外してからまだ一枚も撮っていなかったこと、
またこのあとすぐ雲が出るかも知れないと考えて、にっくき月をヨンニッパ(改)で撮ることにしました。

予想はしていたものの、400mmの焦点距離では月は小さ過ぎて
ライブビューで拡大してもピントの山が今一つかめません。
ノートリミング画像
これじゃほとんどの画素が無駄になっています
中央部分を等倍でトリミングしたものです。
レンズが優秀でも、画素サイズより小さなクレーターは当然写す事はできません。
撮影DATA: 2015/11/20 17:55’~ NFD400mmF2.8(手製絞りF4・前面保護ガラス取り外し)
1/200秒 ISO200 Cooled60D(冷却オフ) AviStackで16枚コンポジット
そこで、canonの2.0xエクステンダーで拡大してみました。
ノートリミング画像
まだ小さいですが、これでR200SS反射鏡筒と同じ800mmの焦点距離になりました。
中央部分を等倍でトリミングしたものです。
どうでしょう。 まだ有効画素数の少ない小さな画像なのに期待ができると思いませんか?
撮影DATA: 2015/11/20 18:00’~ NFD400mmF2.8(手製絞りF4・前面保護ガラス取り外し)+canon2.0x(合成f=800mmF8)
1/160秒 ISO400 Cooled60D(冷却オフ) AviStackで16枚コンポジット

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月を撮ったあと、西に傾いたベガとデネブで
星像の検証もする事ができました。
予報より早く雲が出たため、作品までは無理なのですが、
多くの検証データを得る事ができました。
検証結果は次号で。

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