雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

<Ⅰ-07・08 木星・土星> 自宅で撮った『大宇宙SCALE』 

2021年08月29日 | 自宅で撮った『大宇宙SCALE』
退職を機に再開した天体写真ですが、70代に入ったくぎりとして
この約10年間で撮ったものを振り返って見ることにしました。
掲載順序としては手持ちの天体写真集 大宇宙SCALE を参考に
地球から近い天体の順にしています。

Ⅰ 太陽系
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Ⅰ-07 木星 Jupiter 63000万 km (地球からの距離)
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太陽系最大の惑星で、太陽になり損ねた天体といわれています。
厚いガスの雲が表面を覆い、中でも300年以上も存在し続ける
赤い高気圧の渦「大赤斑」は謎の存在です。


初めて撮った大赤斑 2010/ 9/ 5
( 本体左側の光点は衛星イオ )
接眼鏡+ホームビデオのズームで拡大した1分間の動画から処理しています

CMOSカメラで撮った大赤斑 2018/ 6/ 4
( 本体すぐ右側の光点は衛星イオ 、右上はガニメデ )
2018年5月からCMOSカメラでの動画処理に変更しています

へびつかい座の木星 2019/ 5/ 8am
( タテ構図で撮っているため 右側が北の方角になります)
この写真が気に入って天文ガイド誌の「読者の天体写真」に応募したのですが・・落選でした。

20分間での木星の自転 2020/ 9/ 28
( 本体に衛星イオの影が映っています)
直径が地球の10倍もある巨大な木星の自転周期は10時間と異常に早く、遠心力で上下につぶれた形をしています

2日前に撮った木星 2021/ 8/ 27

久しぶりに雲が薄かったので40日ぶりに機材を設営しました。
21時ころには大赤斑が本体中央を通過したのですが、家屋や庭木が邪魔して撮れませんでした。
やはり大赤斑が入っていないと、梅干しの入っていない おにぎりみたいですね。


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Ⅰ-08 土星 Saturn 128100万 km (地球からの距離)
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神秘的とも言える美しい環を持った巨大なガスの惑星です。
小さな岩石や氷からできた環は非常に薄く( 厚いところでも 1 km以下 )
地球から見て環が真横となる15年毎に見えなくなります。( 前回の環の消失は2009年 )

環の消失から3年後の土星 2012/ 6/ 14
( 接眼鏡+ホームビデオのズームで拡大した2分間の動画から画像処理しています )
2009年に環が消失してから3年が経ち、環がかなり開いてきています

環が大きく開いた土星 2014/ 5/ 10
( 環の中に見える暗い帯は カシニの間隙 とよばれています)
これもビデオカメラを使っていますが、少し露出オーバーだったようです

さそり座の土星 2015/ 6/ 10
( 左下の赤い星はさそり座のアンタレス)
土星の公転周期は30年で、次にさそり座に戻ってくるのは2044年ころになります

接近した火星と二大惑星 2018/ 7/ 30
( 同じ夜に撮ったもので、各惑星の見かけの大きさの比較ができます)
環を除いた土星本体の見かけの大きさは木星の半分ですが、これは木星より遠いためで
実際の大きさは 環を含めると木星の約2倍の大きさになります。

CMOSカメラで撮った土星 2020/ 9/ 28
( 環に本体の影が写っています)
撮影時の大気が安定していたため、これが現在もわたしの土星画像のBestです

2日前に撮った土星 2021/ 8/ 27
( 23時05分からの2分の動画を処理 )
大気のゆらぎは少なめだと思ったったのですが、高度が低いせいかイマイチでした。
環の開きがだんだん小さくなってきました。

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わたしの場合 惑星画像を撮る機会はとても少ないです。
その最大の理由は 大気のゆらぎでがっかりする事がほとんどだから・・
その結果として、惑星写真に進歩がみられないのですが、
最近ではアマチュアでも素晴らしい惑星写真を撮っておられます。
惑星が見えていたらまず撮ってみるくらいの日頃の行いの結果なんでしょうね。

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<Ⅰ-05・06 太陽・小惑星> 自宅で撮った『大宇宙SCALE』 

2021年08月23日 | 自宅で撮った『大宇宙SCALE』
退職を機に再開した天体写真ですが、70代に入ったくぎりとして
この約10年間で撮ったものを振り返って見ることにしました。
掲載順序としては手持ちの天体写真集 大宇宙SCALE を参考に
地球から近い天体の順にしています。

Ⅰ 太陽系
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Ⅰ-05 太陽 The Sun 15000万 km (地球からの平均距離)
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言わずと知れたわれら太陽系の盟主であり生命の源でもある恒星。
中心部では核融合反応により巨大なエネルギーが生み出されています。


2012年の日食 2012/ 5/21
東京や静岡では めったに見れない金環日食になっています
朝早くから食が始まるため、夜中から玄関前に設営して準備しました

星のふるさと館で撮ったプロミネンス 2013/ 9/ 7
「上越清里 星のふるさと館」の小口径の太陽望遠鏡で撮影させてもらったものです

肉眼黒点 現る 2014/10/26
めったに撮らない黒点ですが、肉眼でも見える大きな黒点が発生中と話題になっていたので撮影

2020年の日食 2020/ 6/21
2階のトタン屋根の上からカメラ三脚で固定撮影しています

太陽の最大のイベントとして話題になる日食は、
退職した2012年以降2020年まで地球上で24回発生していますが
日本で見れたのはわずか5回です。
そのほとんどが部分日食で、皆既(金環をふくむ)日食が見れるエリアは限定されます。

それに比べて月食は2012年以降2020年まで地球上で13回しか発生していませんが
日本で見れたのは部分月食を含めると、そのほとんどの12回です。
月食は月に写った地球の大きな影を見ているため、月さえ見れればどこでも見ることができるからです。


Ⅰ-06 小惑星 Asteroid 2.2 ~4 天文単位 太陽からの平均距離 1天文単位・・太陽~地球までの距離)
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地球からの距離で太陽の次に近いのは火星木星の間に無数に存在する
小惑星と呼ばれる直径約1000kmから10m以下の小天体です。
日本では最近 小惑星探査機はやぶさ1号機・2号機の成果で知られるようになりました。
ただアマチュアの天体写真では、移動する星として写すことはできても
見栄えのする写真とはほど遠いものです。

しし座を移動中の小惑星ベスタ 2021/ 2月~4月
ベスタは小惑星の中では3番目の大きさ(530km)で、撮影期間中の光度は約7等級で肉眼では無理
実はこの写真は小惑星ベスタを撮る目的で撮ったものでは無く、
今や恒例となってしまったおりおんショット( おりおんさん が広めた(?)撮影中の様子を写したショット )
の中からこの記事のために探し出したものです。

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前回記事の予告では木星・土星となっていましたが、
地球からの距離で見ると太陽・小惑星が正解でした。
私が済む上越市で今後見れる皆既日食を調べたところ
2035年9月2日でした。(わたしが生きていれば85歳になっています)

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<Ⅰ-02・03 金星・火星> 自宅で撮った『大宇宙SCALE』  

2021年08月20日 | 自宅で撮った『大宇宙SCALE』
退職を機に再開した天体写真ですが、70代に入ったくぎりとして
この約10年間で撮ったものを振り返って見ることにしました。
掲載順序としては手持ちの天体写真集 大宇宙SCALE を参考に
地球から近い天体の順にしています。

Ⅰ 太陽系
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Ⅰ-02 金星 Venus 4200万 km (地球からの平均距離)
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地球のすぐ内側を回る惑星で平均距離が地球に最も近い惑星です。
常に厚い雲に覆われた灼熱の惑星です。

金星の太陽面通過 2012/ 6/ 6
この次に見れるのは22世紀(2117/ 12/ 10)という非常に珍しい現象です
平日の朝から始まったのですが、ちょうどこの年の4月に退職していたため撮る事ができました

金星はそのまばゆい明るさから宵の明星明けの明星とも呼ばれてきました。

明け方の3惑星 2015/ 10/ 15
木星も明るく見える惑星ですが、金星はけた違いの明るさです

ベテルギウス超新星爆発か!? 2020/ 8/ 20am
撮影を終えようとしていた朝方に、上って来たオリオン座付近に見慣れないまばゆい星が・・
超新星爆発が近いと言われていたベテルギウスかと思ってあわてて撮影しました(実は金星でした)

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Ⅰ-03 火星 Mars 5600万 km (地球からの平均距離)
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地球のすぐ外側を回る惑星で、直径は地球の半分ほどで質量は1/3の惑星です。
大気はとても薄いのですが 季節の変化もみられ、
昔は火星人が作った運河があるのでは・・などと興味を掻き立てられてきた惑星です。

火星の公転周期は1年11ケ月で、内側を回る地球は2年2か月ごとに追い越していきます。
この時に地球と火星が最接近するのですが、火星が楕円軌道のためその距離には差があります。

退職した2012年 4月から現在(2021年8月)までの間に最接近は4回あって、
そのうち見かけの直径が20秒角を越える大接近は2018年と2020年の2回でした。

初めて丸く写せた火星 2014/ 3/ 24am

2014年の最接近時の火星 2014/ 4/14
この年の火星の視直径は最接近時でも約15秒角と小さめでした
右側は同じエリアを写したと思われるHST画像

そしてマスコミでも話題となった2018年の火星大接近でしたが・・
大接近4日後の火星 2018/ 8/ 4~5am
最接近時の火星の視直径は24.3秒角とまさに大接近でした
しかしながら大接近の期間に火星面で大きな砂嵐が発生したため、鮮明な画像が得られなかったようです

そして次の最接近となった2020年も撮影していました。
撮影時の様子です。 ↓

最接近20日後の火星 2020/ 10/ 27~28am
視直径こそ22.6秒角と2018年に及びませんでしたが、自転で変化する火星の地形も楽しめました。
上の一連画像から作成したGIFアニメです。↓

次に火星が大接近となるのは2033年7月5日です。(83歳じゃ、撮影は無理か?)

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Ⅰ-04 水星 Mercury 9200万 km (地球からの平均距離)
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もっとも内側を回る惑星で、直径は火星よりも小さい地球の1/3で 質量は地球の6%しかありません。
( 地球からの平均距離が火星より遠いというのは意外でした )
太陽からの離角が小さく、金星ほど明るくないため見たことのある人は少ないと思います。

わたしも撮った記憶がなかったのですが 、よく探したらたった一枚だけ見つかりました。
西空の金星と水星 2015/ 1/18 17h33m
かろうじて電線のすぐ下に写ってるんですが・・

次回は 巨大なガス惑星 木星土星 の予定です。

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前回撮影できたのが7月17日の夜でしたのでもう1か月以上たちます。
気が付けば8月もじきに満月を迎え、晴れても下旬までは星の撮影は不可。
雨は一段落しそうですが、新型コロナは感染爆発で先が見通せません。

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<Ⅰ-01 月> 自宅で撮った『大宇宙SCALE』  

2021年08月17日 | 自宅で撮った『大宇宙SCALE』
退職を機に再開した天体写真ですが、70代に入ったくぎりとして
この約10年間で撮ったものを振り返って見ることにしました。
掲載順序としては手持ちの天体写真集 大宇宙SCALE を参考に
地球から近い天体の順にしています。

Ⅰ 太陽系
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Ⅰ-01  The Moon 380000 km
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月は地球の唯一の衛星で最も身近な天体です。

夜桜と 月齢4の月 2013/ 4/14

西空の細い月(月齢2)  2014/ 10/26

このあとの写真は望遠鏡を使って撮ったものです。

月齢3 2017/12/21

月齢5 2017/ 4/ 2

上弦の月(月齢8) 2015/ 5/26

月齢10 2015/ 3/30

中秋の名月(月齢14) 2019/ 9/13
実は時として月の明るさは より暗い星雲やはるか彼方の銀河の撮影の妨げとなります。
特に雲の多い日本海側では、やっと夜晴れたのに明るい月があってがっかりという事もたびたび。
わたしは満月前後の期間はいつもは撮影はお休みと決めています。
例外はこの 中秋の名月スーパームーン 更には 皆既月食 の時だけです。

月はどちらかと言えば 他に撮れるものが無いときにやむなく撮る。
その結果、上弦の月前後の写真がやたら多くなります。
(理由1)月が沈むまでの時間つぶしに撮る(沈んだら星雲・銀河を撮影)
(理由2)横から太陽光が当たるので欠け際のクレーターがくっきりと写る

反面、満月過ぎの月はほとんど撮った記憶がありません。
やっと見つけた下弦の月のちょっと前の月です。
月齢21 2012/ 9/ 7
ブログ開設前に撮ったものですが、よく写っています

今年5月の皆既月食は厚い雲に阻まれましたが、2014年・2015年は撮影する事ができました。

さらにC-MOSカメラと動画処理という手法で月面の細部を撮影することもできます。


ここまで拡大すると、撮影時の大気のゆれ具合が画像の良否を大きく左右します。

長くなりついでに、別の年に撮った2つの中秋の名月の秤動を利用した満月の立体視です。
( 交差法・・目をより目にしてみてください)

秤動・・月はいつも同じ面を見せているが公転軌道の形、自転軸の傾きなどから少し首振りして見える

次回は 地球の内側を回る 金星水星 の予定です。

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次回は 金星 ・ 水星 って、撮った記憶がないのですが ・・
保存してある画像をしらみつぶしで探してみます。

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自宅で撮った『大宇宙SCALE』 <Ⅰ-00 地球> 

2021年08月13日 | 自宅で撮った『大宇宙SCALE』
退職を機に再開した天体写真ですが、70代に入ったくぎりとして
この約10年間で撮ったものを振り返って見ることにしました。
掲載するにあたっては手持ちの天体写真集 大宇宙SCALE を参考に
地球から近い天体の順にしています。
大宇宙SCALE 沼澤茂美・脇屋奈々代 成文堂新光社 2009年11月 発行

今回はその第1回目 太陽系 地球 からスタートします。

Ⅰ 太陽系
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Ⅰ-00 地球 The Earth  km
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自宅から撮った空にこだわってピックアップしてみました。

秋の雲 2018/ 9/ 4

夕焼の西空 2019/12/ 7

台風接近 2018/ 9/ 4

大きな虹 2018/ 7/28

西に傾いた天の川 2018/ 6/22am

ペルセウス座流星群 2016/ 8/12am

次回は 地球の衛星  になります。

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参考にした写真集に合わせて 地球 からスタートしたのですが、
”自宅で撮った” にこじつけて、かなり苦しいスタート。
この先が思いやられます。

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